日本DH界で初の3冠達成を持って引退した安達靖(DIRTFREAK/SARACEN)が突然の復帰! 現役選手達に緊張が走ったJ1白鳥は、同じ世代のベテラン井手川直樹(Devinci/SUNSPI.com)が制して「勝たなくてはいけない最強の選手」に勝利した。

白鳥を制した井手川直樹(Devinci/SUNSPI.com)白鳥を制した井手川直樹(Devinci/SUNSPI.com) photo:Akihiro.NAKAO

再びレースシーンに帰ってきた安達靖(DIRTFREAK/SARACEN)再びレースシーンに帰ってきた安達靖(DIRTFREAK/SARACEN) photo:Akihiro.NAKAO9月29日に岐阜県郡上市のウィングヒルズ白鳥リゾートで行われたDHI第5戦は、過去に4度の全日本制覇と2010年に全日本、Jシリーズ、ナショナルランキングの初の3冠を達成して最強のまま引退した安達が復帰してのレースとなった。今回安達は自転車業界の新規参入会社、ダートフリークのサポートを受けての参戦となる

緊迫のレース展開

永田隼也(A&F/ROCKY MOUNTAIN)永田隼也(A&F/ROCKY MOUNTAIN) photo:Akihiro.NAKAO今回の白鳥のコースはジープ道をメインにウッドチップや急な逆バンク等があるものの、大きなジャンプやドロップオフが無い、ある意味「真っ平ら」な2.8kmのコース。
ただし、必死に漕げば速いタイムがでるわけでなく、戸惑う選手が続出。特に清水一輝(AKI FACTORY TEAM)や九島勇気(玄武 Ninjya TV)・井本はじめ(LOVE BIKES)ら難セクションを突っ込むタイプは下位に沈んだ。

タイムドセッションから安達が2番手に入り、現役さながらの力を誇示。1番手は永田隼也(A&F/ROCKY MOUNTAIN)と3番手に井手川直樹となる。

男子エリート表彰男子エリート表彰 photo:Akihiro.NAKAO予選は1番手に安達が2番手の井手川に2秒もの差をつける3:35.428でレースに緊張が走る。再び安達が勝って最強のまま現役選手を圧倒するのか?。
決勝は永田が3:32.589、続いて井手川が3:32.246で走り、最終走者の安達が3:33.973。ホンダ対イクザワ時代から続く戦いを、井手川が「現役ライダー」として制した形となった。

井手川直樹のコメント
「今回はハイスピードでロス無く走るコースだと思いました。技術より体力面でキツかったです。今回でシリーズチャンプも獲れました。(安達は)手強いし予選も一位だしそこを意識しながらいいレースができたと思います」。

安達靖のコメント
「復帰したのはちょうど自分の活動が空いていたからなんです。それでダートフリークからサラセンを取り扱うので乗らないか? という話が来ました。急だったので白鳥と次戦一里野はテストとして参戦します。
2年間はイベントで乗るくらいでした。ただ、トレーニングはしてなかったけど、いつでも復帰できる気持ちはありました。
今回ここまで走れるとは思ってなかったので、タイムドセッションから自分にプレッシャーがかかってきて、3位に乗れたので準備不足の中では上出来ですね。復帰戦としては良かったと思います」

女子は末政実緒が制する 表彰台は前戦と同じメンバー

女子は末政実緒(FUNFANCY/INTENSE)の勝利。中川弘佳(Ringo Road.com)と九島あかね(KHS)と、前戦と同じメンバーで表彰台となった。

白鳥を制した末政実緒(FUNFANCY/INTENSE)白鳥を制した末政実緒(FUNFANCY/INTENSE) photo:Akihiro.NAKAO

中川弘佳(Ringo Road.com)中川弘佳(Ringo Road.com) photo:Akihiro.NAKAO九島あかね(KHS)九島あかね(KHS) photo:Akihiro.NAKAO



安達靖のサラセン・MYST X

サラセン MYST Xサラセン MYST X photo:Akihiro.NAKAO

安達靖が乗るサラセンはイギリスのメーカー。安達は「シングルピボットで自分にあったバイク。フィーリングも良い」と言う。

フォークはイクザワ時代から引き続きKYBのスペシャルフォークはイクザワ時代から引き続きKYBのスペシャル photo:Akihiro.NAKAOサラセン MYST Xのリンク周りサラセン MYST Xのリンク周り photo:Akihiro.NAKAO


フォークはイクザワ時代からサポートを受けるKYBで、同社の技術開発の為のスペシャル。ストロークは前180mm・後ろ200mm。コンポはSRAM・XO、ホイールはインダストリアルナイン、ハンドル等はダボンズ、ブレーキはマグラMT8を使用する。販売は2013モデルから。リアバックはカーボン製となる。

Jシリーズ2012DHI#5結果
男子エリート

1位 井手川直樹(Devinci/SUNSPI.com)3:32.246
2位 永田隼也(A&F/ROCKY MOUNTAIN)+0.343
3位 安達靖(DIRTFREAK/SARACEN)+1.727
4位 青木卓也(TEAM GIANT)+2.343
5位 小山航(BANSHEE)+3.250
6位 和田良平(RingoRoad.com)+4.237
7位 浅野善亮(HottSpin/WAKO'S/KUMAD)+4.636
8位 赤堀吉功(TeamVelo/Vesrah)+5.747
9位 黒沢大介(Team GT/FUST)+6.375
10位 九島勇気(玄武 Ninjya TV)+6.375

女子エリート
女子エリート表彰女子エリート表彰 photo:Akihiro.NAKAO1位 末政実緒(FUNFANCY/INTENSE)3:55.726
2位 中川弘佳(Ringo Road.com)+9.121
3位 九島あかね(KHS)+9.327
4位 中川綾子(GDR/髑髏団)+10.337
5位 服部良子(FUST)+11.795




text&photo:Akihiro.NAKAO

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