福島晋一(トレンガヌ・プロアジア)福島晋一(トレンガヌ・プロアジア) photo:Kei Tsuji今回の自分の覚悟はアシストしながらも、ちゃんと集団の残ることであった。
チームワークを乱すのはもってのほか、自分を殺すのがプロとしてのプライドだと思った。

いつもよりもはるかに緊張してスタートの日を迎えた。
1か月前から準備してきた。
しかし、詰めを誤り、移動の機内で体調を壊してしまった。
中国から日本に戻り、そして、マレーシア経由でヨーロッパへ。
世界選手権の後にブルネイのレースに出る為に飛行機代を節約するために必要なことであったが、余計なことでもあった。

幸也に風邪をうつしてはいけない。
それだけに集中して、なんとか食い止めたがベストな体調とはいえなかった。
しかし、完璧な調整などはありえない。
当日に合えばいいわけで、集中してきたので体は絶対応えてくれると信じてスタートラインに立った。
スタート後の位置取り争い。
ぐちゃぐちゃでチームメイトとははぐれて、ただひたすら前を目指す。

幸也が一度後ろに下がってくる。
中盤を一緒に走ったがなかなか一緒に走れない。
逃げを見送り、とにかく周回まで必死に走った。
途中で一度集団が緩んだ。

そして、周回の前、ジャブのように平地の横風でペースが上がるたびに、心拍はレッドゾーンに。
そして、周回に入り補給地点で止まりそうな勢いになる。
そして、フルダッシュ。
ジャブのように効いてくる。

香港、マレーシアの選手はみな後ろに吹だまっている。
大声援ではあるがだんだん、体がきつくなり
補給もとるが脚に来ていた。
そんなときに幸也が落車に巻き込まれた。
畑中が止まる。
自分もUターンして幸也のもとに
そこから、3人で走りだした。
大歓声の中、幸也を集団に復帰させて、自分も戻った。
畑中は復帰中に車に突っ込み落車してしまったようだ。

何かが吹っ切れたように感じたが、次のカールスベルグの登りで遅れてしまう。
隊列を使い復帰。
そして、幸也と走った後に次のカウベルグで遅れてしまった。
それでも、復帰を目指して走っていたが、そこで土井選手がメカトラで止まっていたので自分もそこで待ち。そこでレースが終わった。

次の周回になると集団は小さくなり、集団後方で走っていた選手は一掃されていた。
追撃の乗って、健闘していたフミもつかまり、幸也は残り4周での大落車で足止めを食らい、結果はご存じのとおり、崇史ただ一人の完走であった。
もっと集団に残り、幸也のために走りたかった。

テレビで見たレースは絞られた集団に有力選手が残り、最後はジルベールの劇的なアタックが決まって優勝。
今年はジルベールにとってあまりよい年ではないと思っていたが、分からないものである。

悔しさをまた充電する結果になってしまったが、世界選手権のパワーは大きく。充電満タンだ。

この大会に向けて多くの方々に応援していただきました。
ありがとうございます。

福島晋一