6月8日、UCI(国際自転車競技連盟)がプレスリリースを出して伝えたところによると、4月2日に行なわれたレース外ドーピング検査で採取されたアントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ)の尿サンプルからEPO陽性反応が検出された。

EPO陽性が判明したアントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ)EPO陽性が判明したアントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ) photo:Cor VosUCIによると、マドリードにあるWADA(世界反ドーピング機関)承認の研究機関で行なわれた精密検査で、4月2日のレース外ドーピング検査で採取されたコロムの尿サンプルから禁止薬物EPO(エリスロポエチン)の陽性反応が検出された。

コロムはBサンプルの再検査を要求する権利を有しているが、スペイン自転車競技連盟がコロムの処分を決定するまでの間、UCIによって出場停止の仮措置がとられる。

今シーズン序盤から好調さを見せていたコロムは、チャレンジ・マヨルカでステージ1勝と総合優勝。ポルトガルのヴォルタ・アオ・アルガルヴェでステージ優勝を飾り、パリ〜ニースでは最終ステージでコンタドールを破り、総合5位。プロツアーのブエルタ・アル・パイスバスコではコンタドールに次ぐ総合2位に入っていた。

カチューシャとしてはジロ・デ・イタリア直前にEPO陽性が判明したクリスティアン・ファンバーガー(オーストリア)に続く2人目のドーピング違反者。チームはドーピングが発覚した選手に対して、年収の5倍に相当する額の罰金を課す条項を選手契約に盛り込もうとしていたところだった。

この条項の追加にまだサインしていなかったのはロビー・マキュアン(オーストラリア)やヘルト・ステーグマン(ベルギー)、そしてコロムら。マキュアンは条項に反対しているのではなく、法的に精査する必要があるためサインを見送っているとの見解を自身のウェブサイトで発表している。