2012年のツール・ド・フランスを走ったTTバイクを紹介するコーナーの第2弾。今回はラボバンク、FDJ・ビッグマット、カチューシャ、ヴァカンソレイユ・DCM、ロット・ベリソルの5チームを紹介しよう。

ラボバンク
ジャイアント Trinity Advanced SL
ラボバンク ジャイアント Trinity Advanced SLラボバンク ジャイアント Trinity Advanced SL photo:Makoto.Ayano

ラボバンクが使用するのはジャイアントのTTマシン、Trinity Advanced SL。現在主流となった一直線のステムからトップチューブにかけてのラインを採用した先駆けのマシンだ。コンポーネントはシマノ・デュラエースDi2。ホイールもシマノ/PRO製品を用いるが、選手によってはフロントにHEDのStinger9のリムとデュラエースハブを組み合わせたと思われるロゴ無しホイール、そして同じくStingerホイールの上からカーボンを被せてディスク化したと思われる特殊なリアホイールを使用した。

ラボバンク ジャイアント Trinity Advanced SL ブレーキの位置で新旧を見分けることができるラボバンク ジャイアント Trinity Advanced SL ブレーキの位置で新旧を見分けることができる photo:Makoto.Ayanoラボバンク ジャイアント Trinity Advanced SL 新型のフロントブレーキを搭載した車両もラボバンク ジャイアント Trinity Advanced SL 新型のフロントブレーキを搭載した車両も photo:Makoto.Ayano


フロントブレーキは従来より使用していたチームカラーのシングルピポッドブレーキを使用したが、新開発の製品を取り付けたマシンも一部存在していた。リアブレーキはBB下に位置するが、シートステーに取り付けるタイプの旧型のマシンに乗った選手も。ハンドル類はジャイアントのオリジナルだ。


FDJ・ビッグマット
ラピエール AERO STORM
FDJ・ビッグマット ラピエール AERO STORMFDJ・ビッグマット ラピエール AERO STORM photo:Makoto.Ayano

フランスの老舗総合バイクブランドであるラピエールは、FDJ・ビッグマットへとAERO STORMを供給。ダウンチューブ内にDi2バッテリーを内蔵するなどした意欲作だ。フランスの国鳥である鶏が描かれたチームカラーのバイクを駆る。シマノと関係の深いチームだけに、コンポーネントはもちろんデュラエース・Di2、ホイール、ハンドルなどもシマノ/PROで統一される。サドルはフィジーク、タイヤはハッチンソンだ。

FDJ・ビッグマット ラピエール AERO STORM シマノ・デュラエースDi2を全員が装備FDJ・ビッグマット ラピエール AERO STORM シマノ・デュラエースDi2を全員が装備 photo:Makoto.AyanoFDJ・ビッグマット ラピエール AERO STORM ハンドルはPRO製品FDJ・ビッグマット ラピエール AERO STORM ハンドルはPRO製品 photo:Makoto.Ayano



カチューシャ
キャニオン Speedmax CF Evo
カチューシャ キャニオン Speedmax CF Evoカチューシャ キャニオン Speedmax CF Evo photo:Makoto.Ayano

カチューシャはキャニオンの新型TTバイク、Speedmax CF Evoをエースのデニス・メンショフ(ロシア)へと供給した。ヒンジ型のヘッドチューブ、トップチューブと水平となるエアロハンドル、インテグレーテッドブレーキを使用した意欲作だ。他のメンバーは従来モデルであるSpeedmax CFに乗った。

カチューシャ キャニオン Speedmax CF Evo 専用のエアロハンドル。TTバーは下出しカチューシャ キャニオン Speedmax CF Evo 専用のエアロハンドル。TTバーは下出し photo:Makoto.Ayanoカチューシャ キャニオン Speedmax CF Evo マヴィックのCXR80を前輪に使用カチューシャ キャニオン Speedmax CF Evo マヴィックのCXR80を前輪に使用 photo:Makoto.Ayano


コンポーネントはシマノ・デュラエースDi2。フロントホイールには新開発のエアロホイールCXR80を使用するが、タイヤにはセット開発のイクシオンCX-1ではなくイクシオングリップリンクを使用していた。UCI規定に則りCX01ブレードは取り外ししている。ディスクホイールはエグザリット化を果たしたコメットロードを装備する。


ヴァカンソレイユ・DCM
ビアンキ Pico Crono
ヴァカンソレイユ・DCM ビアンキ Pico Cronoヴァカンソレイユ・DCM ビアンキ Pico Crono photo:Makoto.Ayano

ヴァカンソレイユが駆るのはチェレステカラーが爽やかなPico Crono。直線的なデザインが特徴的なタイムトライアルバイクだ。コンポーネントはシマノ・デュラエースの機械式を採用するのが他チームと異なる点。ハンドルやクランクセットはロードバイクはFSAだが、TTバイクに関してはヴィジョン製品を採用する。チェーンはKMC。ホイールはFFWDで、前輪にはバトンホイールの「スリー」を用いる。組み合わせるタイヤはVredestein Fortezzaだ。

ヴァカンソレイユ・DCM ビアンキ Pico Crono コンポは機械式デュラエース、チェーンはKMCヴァカンソレイユ・DCM ビアンキ Pico Crono コンポは機械式デュラエース、チェーンはKMC photo:Makoto.Ayanoヴァカンソレイユ・DCM ビアンキ Pico Crono エッジの効いたデザインが特徴ヴァカンソレイユ・DCM ビアンキ Pico Crono エッジの効いたデザインが特徴 photo:Makoto.Ayano


ロット・ベリソル
リドレー DEAN
ロット・ベリソル リドレー DEANロット・ベリソル リドレー DEAN photo:Makoto.Ayano

ベルギーチームのロット・ベリソルは、リドレーのディーンを駆る。OVAL CONCEPTS社と共同開発したフォークとシートステーのジェットフォイル、またフレームに貼られるサーファステープなどを採用したバイクだ。コンポーネントはカンパニョーロのスーパーレコードEPSとし、ホイールはフロントにボーラの50mmもしくは80mm。リアホイールには同ギブリを使用するが、エースのユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー)にはギブリの後継モデルと思われるロゴ無しホイールを使用していた。バッテリーはダウンチューブ下側にセットする。

ロット・ベリソル リドレー DEAN イェーレ・ファネンデルト(ベルギー)のバイクロット・ベリソル リドレー DEAN イェーレ・ファネンデルト(ベルギー)のバイク photo:Makoto.Ayanoロット・ベリソル リドレー DEAN スリットの入るエアロフォークロット・ベリソル リドレー DEAN スリットの入るエアロフォーク photo:Makoto.Ayano



text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano