2012年7月11日、ツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)第2ステージでベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)がスプリント勝利。別府史之と宮澤崇史はそれぞれ先頭集団でゴールした。

沿道には収穫を控えた小麦畑が広がる沿道には収穫を控えた小麦畑が広がる photo:Riccardo Scanferla大会2日目のこの日は、ポーランド南部のヴァウブジフからオポーレまで239.4km東進。この大会最長コースに組み込まれたカテゴリー山岳はゴール26km手前の2級山岳のみ。真っ平らな6kmの周回コースを3周してゴールを迎える。

レースは前半からルーカス・ボドナール(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)を含む4名が逃げ、その中から生き残ったディエゴ・カッチャ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)が奮闘。しかしカッチャは最終周回で捉えられ、100名強の大集団によるゴールスプリントに持ち込まれた。

ベルギーチャンピオンジャージのトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)、隣には談笑する別府史之と宮澤崇史の姿もベルギーチャンピオンジャージのトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)、隣には談笑する別府史之と宮澤崇史の姿も photo:Riccardo Scanferlaイギリスのナショナルチャンピオンジャージを着るイアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)を先頭にラスト1kmを切り、マシュー・ヘイマン(オーストラリア、チームスカイ)に発射されたスウィフトが好位置でスプリント。

追いすがるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)とトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)を振り切ったスウィフトが勝利した。

メイン集団をコントロールするリクイガス・キャノンデールメイン集団をコントロールするリクイガス・キャノンデール photo:tourdepologne.pl普段カヴェンディッシュの発射台役を担う24歳のスウィフト。発射台を務める選手の例にもれず、自身も有能なスプリンターであり、昨年ツアー・ダウンアンダー、ブエルタ・ア・カスティーリャイレオン、ツール・ド・ロマンディ、ツアー・オブ・カリフォルニアでステージ優勝を飾っている。

今年スウィフトはトラック世界選手権のスクラッチで優勝し、ポイントレース2位、マディソン2位という好成績を残した。しかし出場予定だったジロ・デ・イタリアの開幕直前に落車して肩を骨折。スウィフトはジロを欠場するとともに、ウィギンズのマイヨジョーヌ獲得に主眼を置くツールのメンバーからも外れた。

今回、ツールと同時期開催に移行したポローニュでしっかりと結果を残したスウィフト。初日の第1ステージは、ゴール前のパンクでチャンスを失っていた。「この大会にはスピードを備えた選手が多く出場しているので、簡単に勝てるとは全く思っていなかった。逃げを捕まえ、最高のポジションをキープしてくれたチームメイトたちに感謝したい。彼らのおかげでファンタスティックなスプリントに持ち込んで、ボーネンやヴィヴィアーニといった選手を打破することが出来た。この先のスプリンター向きステージでも狙って行くよ」とコメントする。ロンドン五輪ではトラックレースではなくロードレースに集中し、カヴェンディッシュをサポートする予定だ(訂正:スウィフトは五輪代表メンバーに選出されず)。

レース終盤まで逃げるディエゴ・カッチャ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)レース終盤まで逃げるディエゴ・カッチャ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ) photo:tourdepologne.plチームカーまで下がる宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク)チームカーまで下がる宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク) photo:Riccardo Scanferla
ゴールスプリントを制したベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)ゴールスプリントを制したベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ) photo:Riccardo Scanferla

イエロージャージを守ったモレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)イエロージャージを守ったモレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール) photo:Riccardo Scanferlaステージ32位でゴールした別府史之は「第3ステージと第5ステージは自分向きだから狙って行こうと思う」とコメントする。一方、「今日は前の落車した選手に突っ込んで落車してしまった。 すぐに自転車に乗って、曲がったサドルを叩いて走った」と話す宮澤崇史はステージ79位で2日目を終えた。

イエロージャージはモレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)がキープ。ポイント賞ジャージはドイツチャンピオンのファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ガーミン・シャープ)の手に渡った。

レース展開や選手コメントはレース公式サイトならびに選手twitterより。


ツール・ド・ポローニュ2012第2ステージ結果
1位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)               5h49'57"
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
3位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)
5位 サーシャ・モードロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
6位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
7位 テオ・ボス(オランダ、ラボバンク)
8位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
9位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)
10位 アレクサンドル・セレブリャーコフ(ロシア、チームタイプ1)
32位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)
79位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク)

個人総合成績
1位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)        10h22'40"
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)  +04"
3位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)                     +06"
4位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ガーミン・シャープ)             +10"
5位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)
6位 マヌエーレ・モーリ(イタリア、ランプレ・ISD)
7位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
8位 ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)
10位 ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル)
81位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)                 +4'01"
147位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク)            +14'04"

山岳賞
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、オリカ・グリーンエッジ)

ポイント賞
ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ガーミン・シャープ)

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla, tourdepologne.pl

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