山岳ステージに入り、真のツールが始まった第7ステージ。チームスカイのフルームがステージ優勝と山岳賞を獲得、総合1位は同チームのウィギンスの手に移った。本命候補を擁するチームの底力を見せつけた。

ステージ優勝・山岳賞のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

単独でゴールに向かうクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)単独でゴールに向かうクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vosチャンスを最大限に活かそうと思った。これで僕たちの強さを証明できたなら、とても素晴らしい。でも、僕たちにとってはずっと考えてきたプランを実行しただけだ。そのプランが成功して、とても満足している。

ステージ終盤にエヴァンスが少し加速した。実を言うとエヴァンスはもう少し攻めてくると思っていた。彼にゴールが見えていたかはわからない。勾配がキツすぎて、彼が少し遅くなったことしかわからなかった。

ツールのステージ初優勝を飾ったクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)ツールのステージ初優勝を飾ったクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vosそのとき「ブラドレーは完璧な場所にいる。ここで僕が少し加速したところで、彼(ブラドレー)はもうタイムを失うことはないだろう。それに僕たちが(総合と)ステージも取れるかもしれない」と思った。その通りになって、本当に嬉しい。

目標は今でもブラドレー・ウィギンズの総合優勝だ。でも、僕が総合上位にいたら、僕たちのライバルにとって脅威にとなる。だから、とても有利な状況になっている。

斜度が最も険しいところを行くとき、僕が少し加速したように見えたと思う。カデルがまったくついてこない気がしたので、ステージ優勝を狙って、こっそり先行することにした。

最後の登りでは、リッチー(ポルト)が素晴らしいペースを作った。彼は登ってくる多くの選手を振い落として、僕たちを有利にした。相手に付くには、完璧な場所だった。そのおかげで最後の2kmは淡々と走るだけでよかったし、ゴールに向けての準備もできた。

ここにはコースを見に来たことがあるから、ラストスパートがかなりハードだというもわかっていた。あそこに驚いた選手も少しはいるだろう。


総合1位・ステージ3位のブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)

2位でゴールするカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)と、ガッツポーズするブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)2位でゴールするカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)と、ガッツポーズするブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vos僕はずっとこのことを夢見てきた。本当に。そのプロセスを考えて行動に移して、今日、僕たちは実行した……本当に信じられない気持ちだ。まだ実感がわかない。古くさいと思うだろうけど、これは本当に僕の子どもの頃からの夢だった。

家でローラー台に乗って見ていたのは僕のヒーローの映像だ—僕のツール・ド・フランスのヒーローはミゲル・インデュラインだった…。しかし、この場所にいて、山頂でマイヨジョーヌを着ていることに驚いている。これは計画してきたことだ。僕たちは1年間かけてトレーニングしてきたんだ。

残り1.5kmくらいで、僕はフルーミー(フルーム)に少しセーブするように叫んでいた。もう彼がステージ優勝できるのはわかっていた。少しペースを抑えたとしても、そうなったはずだ。彼のゴールは見事だった。僕はカデルのチェックのほうを優先していた。僕がマイヨジョーヌを獲得することになるのはわかった。素晴らしいのは、そうなる日にフルームも山岳賞を獲得することだった。信じられない日だ。

カデルが動くだろうとずっと思っていた。でも、今日のような登り——20%の登りゴールはツール・ド・フランスではあまりない。今日は全力で攻めてはいけない例だ。カデルと一緒にいることを徹底すれば、マイヨジョーヌが手に入る。だから、今日はそれを優先した。

マイヨジョーヌを手にしたブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)マイヨジョーヌを手にしたブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto Ayano(カデルがアタックしたとき)僕はサドルから腰を上げなかった。自分のペースを崩したくなかったし、本当にゴールまでの配分を決めていたんだ。さっきも言ったように、カデルとのタイムを失わないことを優先した。でも、フルーミーのことは嬉しい。彼は先週は不運だったけど、今日はステージ優勝した。彼は僕がツールで優勝するのに重要な役割を占める。僕に一年中尽くしてきた選手が、その報酬を獲得できて満足だ。

本当に慌ただしい最初の1週間を生き残って、僕たちはこの場にいる。僕たちがマイヨジョーヌを獲得して、とても嬉しい。

このジャージを毎日着ていくつもりだ。前にもいくつかのインタビューで話したけど、ツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを着る時期は選べない。僕たちは今日マイヨジョーヌを獲得した。明日はまた厳しいステージだ。でも、あまり問題は多くない。その次にタイムトライアルになる。ここで確実なものにしてみたい。翌日は休息日でツールの半分を終えたことになる…。だから今は毎日このジャージを守るつもりだ。カデルがすぐ後ろに迫ってきている。だから、ちょっとしたアクシデントを起こして、彼に負けたくはない。


ポイント賞のペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

ウィリーで観客を魅了するペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)ウィリーで観客を魅了するペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) photo:Cor Vosヴィンチェンツォ(ニーバリ)が総合で3位にジャンプアップした。チームにとっていいことだ。(メイン集団先頭で通過した)中間スプリントの後は、気楽に走ることにした。先頭集団に付いていこうとしなかったから、ゴールにはかなり楽に到着した。

現時点でニーバリがやっておくべきことがウィギンズに勝つことなのかは、僕にはわからない。ツール・ド・フランスはとても長いレースだ。ヴィンチェンツォは2週目や3週目にはさらに強くなっている可能性もある。


新人賞・ステージ5位のレイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)

レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)がマイヨブランを獲得レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)がマイヨブランを獲得 photo:Makoto Ayanoひどかった。痛む脚を抱えたままでの登りは途方もない。残り500メートルで、僕は20秒失った。あれほど険しすぎる坂は好きじゃない。でも、幸運なことに、すでに選手の数も淘汰されていたので、ちゃんとゴールすることができた。ステージ5位は悪くない。



コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより。


text: Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
photo:Makoto.Ayano,CorVos