大集団の真ん中から青いジャージが鋭く伸びる。西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)だ。ポイント賞も逆転で確定。個人総合はフォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)が手にした。

西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が優勝西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI
各賞ジャージがまぶしい各賞ジャージがまぶしい photo:Hideaki.TAKAGI日比谷公園前をスタート、最終ステージが始まった日比谷公園前をスタート、最終ステージが始まった photo:Hideaki.TAKAGIチームNIPPO鉄壁の布陣チームNIPPO鉄壁の布陣 photo:Hideaki.TAKAGIゴール200m前、西薗良太(ブリヂストン・アンカー)が先頭ゴール200m前、西薗良太(ブリヂストン・アンカー)が先頭 photo:Hideaki.TAKAGI
西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が優勝西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI2012年TOJの各賞ジャージ獲得者2012年TOJの各賞ジャージ獲得者 photo:Hideaki.TAKAGIチーム総合は2位以下に15分以上の大差でチームNIPPOにチーム総合は2位以下に15分以上の大差でチームNIPPOに photo:Hideaki.TAKAGI
ツアー・オブ・ジャパン最終日第6ステージ東京が5月27日(日)、東京都大井埠頭周回コースで行われ、西谷がステージ優勝、そして個人総合はバリアーニが優勝した。
個人総合ポイント賞は、途中のスプリントポイントと最終ゴールを制した西谷が逆転で獲得。個人総合山岳賞はジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)がチーム総合はチームNIPPOが獲得した。

8日間に渡るツアー・オブ・ジャパンも最終日。パレードスタートの会場は日比谷公園。前日のハードな伊豆ステージを終えて選手たちは一様に安堵した様子。
個人総合はフォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)が完走さえすれば確定。東京ステージの関心は、ステージ優勝と、そしてポイント賞争いだ。

ポイント賞は1、2点差で上位陣がせめぎあう。マリウス・ヴィジアック(マトリックス・パワータグ)、西谷、ワン・カンポー(香港チーム)、マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)の順序は、この東京ステージでひっくり返る。中間スプリントが3回で5・3・1点、ゴールは25・20・16点…だ。

ポイント賞をかけた戦い

日比谷シティ前をスタートした集団は、アタックがかかるものの逃げには至らない。1回目のスプリントポイントは、リケーゼ、西谷、ヴィジアックの順。その後も数人までのアタックはあるが逃げられない。逃げを試みるのは宇都宮ブリッツェン、シマノレーシング、チャンピオンシステム、ブリヂストン・アンカーら。しかしポイント賞がかかっているチームNIPPO、愛三工業、マトリックスらの意思で逃げはすべて吸収される。チームUKYOもスプリント狙いを主張し前方で展開。
2回目のスプリントポイントも1回目と同じ順。リケーゼの動きがよく、得点で浮上していく。そして3回目は、ワン・カンポーが1位通過し、ゴール次第ではトップになる可能性も。西谷が4点リードしリケーゼとヴィジアックが並ぶ。あとはゴールで決着だ。
最終周回、すべての逃げは吸収されてゴールへ向かう。ラスト300mほどはブリヂストン・アンカー3人が前に。200mを切ってから各チームのスプリンターが動く。リケーゼが動き西谷がマーク。ワン・カンポーは単独で、ヴィジアックは別ラインで前へ。ラスト100mで西谷がリケーゼをかわし、そして先頭でゴールを切る。

前日まで、日本のチームと言えども外国人選手が独占してきた表彰台。最終日にようやく日本人選手がそこに立つことができた。愛三はスプリンターの盛一大を直後から始まるシンカラのために温存して参加。それでも勝つことができた。NIPPOは弟のマウロ・リケーゼを前日の伊豆ステージで失ったことが響いた。

最強NIPPOを証明する大会に

今年のTOJはまさに最強NIPPOを証明するレースとなった。例年ならば富士山ステージから総合が見えてくるところを、南信州ステージで一気に決めてしまった。チーム総合で2位以下に15分以上の大差は例年に無いもの。ベテランで実績のあるバリアーニが若手をうまくリードした結果だ。そして若いアレドンドに対してもレースでは厳しく接し、勝負の世界で生きていくことの厳しさを教えている。さらに結果には現れないが内間のアシストぶりが随所で光り、成長を感じさせるものに。

大半のチームは中3日で5月31日(木)から始まるツール・ド・熊野へ参戦する。
シクロワイアードではツール・ド・熊野も現地からのレポートを予定しています。

結果
第6ステージ 東京 112.7km
1位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)2時間23分21秒(AVS47.1km/h)
2位 マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)
3位 マクシム・アヴェリン(アモーレ・エ・ヴィータ)
4位 アディク・オスマン(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)
5位 ショー・パトリック(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)
6位 マリウス・ヴィジアック(マトリックス・パワータグ)
7位 コー・ホーティン(香港チーム)
8位 廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)
9位 清水都貴(ブリヂストン・アンカー)
10位 辻善光(チームUKYO)

個人総合順位 最終結果
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)15時間28分26秒
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)+22秒
3位 ヤロスラフ・ダブロフスキ(アモーレ・エ・ヴィータ)+3分23秒
4位 トマ・ルバ(ブリヂストン・アンカー)+3分30秒
5位 クリストファー・バトラー(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)+6分36秒
6位 鈴木譲(シマノレーシング)+6分45秒
7位 キャメロン・ワーフ(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)+7分01秒
8位 ブレイズ・ソネリー(ブリヂストン・アンカー)+7分04秒
9位 佐野淳哉(チームNIPPO)+8分38秒
10位 ヴィエスタース・ルクセヴィクス(アモーレ・エ・ヴィータ)+8分48秒

個人総合ポイント賞順位 最終結果
1位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)69点
2位 マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)60点
3位 マリウス・ヴィジアック(マトリックス・パワータグ)50点

個人総合山岳賞順位 最終結果
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)24点
2位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)23点
3位 ブレイズ・ソネリー(ブリヂストン・アンカー)13点

チーム総合順位 最終結果
1位 チームNIPPO 46時間34分20秒
2位 ブリヂストン・アンカー +15分14秒
3位 アモーレ・エ・ヴィータ +15分50秒

photo&text:Hideaki.TAKAGI

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