3月10日、パリ〜ニース第7ステージは162㎞に及ぶ逃げを敢行したトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)が独走でニースにゴールした。総合3位につけていたリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)は停車中のオートバイにぶつかり落車。大きく遅れた。

シストロンをスタートしていくプロトンシストロンをスタートしていくプロトン (c)CorVos最終日の個人タイムトライアルを残し、パリ〜ニース最後のマスドレースとなった第7ステージ。序盤から2級山岳が連続し、ゴール54km前で1級山岳ヴァンス峠を越える。ゴール地点ニースまでは50㎞以上の長いダウンヒルが続く、逃げ切りに向いたステージだ。

渓谷沿いの道を進むプロトン渓谷沿いの道を進むプロトン (c)CorVosこの日、48㎞地点で逃げに出たのはトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)とレイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)のふたり。集団はこの逃げを容認して、ふたりは集団に12分もの差をつけることに成功した。
デヘントとターラマエはうまく協調しながら逃げ続けるが、ヴァンス峠でデヘントがアタックし、ターラマエを置き去りにしてしまう。

デヘントはニースまでの長い下りを快調に飛ばし続ける。ターラマエはデヘントに遅れること約2分で追走を続ける。集団はデヘントから11分遅れで走り、追い上げる機運は高まらなかった。

レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)を従え逃げるトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)を従え逃げるトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) (c)CorVosそして総合3位のリーヴァイ・ライプハイマーに、この日だけで3度の落車というアクシデントが襲う。下りで3人の落車に巻き込まれてストップとバイク交換を強いられたライプハイマー。オメガファーマ・クイックステップのアシストたち4人に先導されてメイン集団への復帰を試みていた。しかしライプハイマーが遅れたことを知ったモビスター勢が集団先頭に出てペースアップを図る。もちろんライプハイマーに次いで総合4位につけるエースのアレハンドロ・バルベルデのためだ。

停車中のオートバイに突っ込んだリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)停車中のオートバイに突っ込んだリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) TVImageこのモビスターの動きに、追走するオメガファーマ・クイックステップの5人の選手たちは苦しんだ。長い下りは道が細く、曲がりくねっている。チームカーが横をすり抜け、視界の効かないコーナーが続く。縮まらないタイム差に焦りつつもスピードを上げるチームがコーナーの出口に差し掛かったところに突然、停車中の憲兵隊のオートバイが現れた。そのコーナーで落車したランプレの選手の擁護のために停まっていたオートバイを避けきれなかったオメガファーマ・クイックステップの選手たちは次々と落車。ライプハイマーもオートバイに激しくぶつかった。

レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)を振り切ったトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)を振り切ったトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) (c)CorVosライプハイマーは再び走りだしたものの、そのスピードは上がらず。ゴールに向けてスピードが上がる集団への復帰は絶望的となった。総合3位からの脱落が決定的になったライプハイマーはチームメイトのトニ・マルティンらに励まされながら完走を目指した。

先頭を行くデヘントはその後も快調に逃げ続け、集団には9分24秒の差をつけて逃げ切った。エメラルドの海が眩しいニースの海岸通りを走り抜け、独走でフィニッシュ。昨年のパリ〜ニースで印象的なステージ勝利をおさめたデヘントが、再び輝いた。

独走でニースにゴールしたトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)独走でニースにゴールしたトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) (c)ASO2位には追走を続けたターラマエが6分18秒遅れでフィニッシュ。続くメイン集団は約3分後に大集団スプリントで3位を争う。早掛けしたロメン・フェイユ(フランス、、ヴァカンソレイユ・DCM)を交わし、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1t4i)が集団頭をとる。総合トップのブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)はこの集団内でゴール。新城幸也(ユーロップカー)も21位でゴールしている。

チームメイトに率いられたライプハイマーは大きく遅れ、16分50秒遅れでゴール。総合3位から39位にまで順位を落としてしまった。代わって総合を4位から3位に上げたのはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)。
また、チーム総合成績もオメガファーマ・クイックステップのメンバーの脱落によりヴァカンソレイユ・DCMがトップになった。

最終日のエズ峠のタイムトライアルを前に、トップのウィギンズに対し2位のリエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)が6秒差。バルベルデは18秒差。タイム差2分以内に9人がひしめき合う状況になった。総合上位争いの行方は最後までわからない。

優勝のトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)のコメント
今朝、皆が明日に向けて体力をセーブしたいと思っていると考えたんだ。アタックしてからは今日が長い一日になることはすぐに悟ったよ。ヴェンス峠ではターラマエに先頭交代を要求したが彼は応じなかった。だからアタックしたんだ。ニースのゴールはもっとも美しいフィナーレの一つだね。こんなに素晴らしい眺めは今までにないね。
今の時点でチーム(ヴァカンソレイユ)はもっとも強いチームだといえるね。


パリ〜ニース2012第7ステージ結果
1位 トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)5h 11' 48"
2位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)06' 18"
3位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1t4i)09' 24"
4位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・べリソル)
5位 トル・フースホフト(ノルウェー、BMC)
6位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
7位 ロメン・フェイユ(フランス、、ヴァカンソレイユ・DCM)
8位 サイモン・クラーク(オーストラリア、グリーンエッジ)
9位 シャビエル・フロレンシオ (スペイン・カチューシャ)
10位 グレガ・ボーレ(スロベニア、ランプレISD)
21位 新城幸也(日本、ユーロップカー)  

個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)22h 31' 52"
2位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)00' 06"
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)00' 18"
4位 サイモン・スピラック(スロベニア、アスタナ)00' 37"
5位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)00' 39"
6位 マキシム・モンフォール(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)00' 46"
7位 アルノー・ジャネソン(フランス、FDJ)01' 06"
8位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)01' 16"
9位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、アスタナ)01' 21"
45位 新城幸也(日本、ユーロップカー)  09' 22"

ポイント賞
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

山岳賞
フレデリック・フェヘレン(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

新人賞
ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)

チーム総合成績
ヴァカンソレイユ・DCM

text:Makoto.AYANO
photo:Cor Vos,A.S.O
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