ランカウイに総合優勝経験者が帰ってきた。31歳のフレンチクライマー、アントニー・シャルトー(フランス、ユーロップカー)。数々の名チームを渡り歩いてきた彼は、2007年のクレディアグリコル所属時代にツール・ド・ランカウイで総合優勝している。

アントニー・シャルトー(フランス、ユーロップカー)アントニー・シャルトー(フランス、ユーロップカー) photo:Miwa.Iijima当時27歳。その後、ケースデパーニュを経て古巣のブイグテレコムに戻り、2010年のツール・ド・フランスでは山岳賞(マイヨアポア)を獲得していることはご存知のとおりだ。

そんなシャルトーが今年、自身6年ぶりとなるツール・ド・ランカウイに戻ってきた。開幕を控えた前日、意気込みを語ってくれた。

今のコンディションは?

まだシーズンが始まったばかりだから、調子は走ってみないとわからないよ。ヨーロッパはとても寒かったしね。でも、暑いのはすごく好きだし、得意だよ」

2007年に総合優勝した時のことは覚えてる?

アレクサンドル・ヴィノクロフと並び記者会見に臨むアントニー・シャルトー(フランス、ユーロップカー)アレクサンドル・ヴィノクロフと並び記者会見に臨むアントニー・シャルトー(フランス、ユーロップカー) photo:Miwa.Iijimaもちろん覚えているよ。自分にとっても大きなタイトルの一つだから。その時のゲンティンハイランドは6位だったことまではっきり覚えているよ。

当時の自分と、今の自分はどちらが強いと思う?

ん~(考えこんで)。どちらも同じくらいかな。でも、経験を積んだし、ツールでの山岳賞をとったという自信もあるから、今の方が強くなっているかもしれないね。

今回のレースでの目標は何ですか?

ステージ優勝と、山岳賞ジャージだね! 総合優勝はとても難しいと考えている。なぜなら初日に20kmのタイムトライアルがあるから、TTスペシャリストと数分のタイム差が付いてしまうと思う。タイムトライアルは、2011年のタイムトライアルフランスチャンピオンのクリストフ(ケルヌ)に頑張ってもらおう(笑)。

でも、シリル(ゴーティエ)もいないし、今のチームのコンディションでは、誰かがもしリーダージャージをとったとしても、それを守りきるのは難しいだろうね。ゲンティンを走ってみて、上位に入れたらそれでいいよ。

今回のライバルチームは? また選手は誰が気をつけるべき存在?

「アンドローニ・ジョカトーニかな。 そしてアザド・ユニバーシティのロンビア人選手たちも強いと思う。彼らは山岳のスペシャリストだからね。そして、もちろんヴィノクロフだね。でも、ゲンティンで上位に来る選手は限られているよね。日本人は? 去年キャメロンで勝ったのは日本人だよね?」(綾部勇成/愛三工業がステージ優勝した)

レースにかける思いは?モチベーションは何でしょうか?

チームユーロップカーがプレゼンテ-ションに臨むチームユーロップカーがプレゼンテ-ションに臨む photo:Miwa.Iijima「一度優勝しているレースだから、もちろん良いモチベーションで走れるよ。ユキ(新城幸也)ほどではないけれど(笑)暑いのが好きだから、コンディションも上がってくると思う。今回は前回勝った時よりもチームのレベルが高いと思うし、総合優勝は難しいけど、シーズン初めのレースだからいろいろと試してみるよ!」

記者会見では、アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)と並んで座り、リラックスして談笑する姿も見られたシャルトー。
ツール・ド・フランス山岳賞というタイトルをもって臨むツール・ド・ランカウイで、どのような走りを見せてくれるのか、注目せずにはいられない。


text&Photo:Miwa.Iijima