砂漠の王者ボーネンがシーズン初勝利、通算15勝目で総合トップ

2009年2月3日、ツアー・オブ・カタールの第3ステージが行なわれ、26名に絞られた集団でのスプリント勝負を制したトム・ボーネン（ベルギー、クイックステップ）が優勝を飾った。ステージ通算15勝目、ならびに今シーズン初勝利を飾ったボーネンは、同時にリーダージャージを獲得している。

スタートラインに並んだ選手たち photo:CorVosカタール3日目、第3ステージは北部のアル・ズバラーからドーハ・ゴルフクラブまでの137.5 kmで行なわれた。前日は向かい風と横風が選手たちを苦しめたが、半島を南下するこの日はコースの大半が追い風。乾燥した北風に乗って、レースは平均スピード53km/hを上回るハイスピードな展開を見せた。

レースはスタート直後からペースが上がり、序盤の横風区間で集団は5つに分裂。早くも先頭集団は各賞ジャージホルダーや有力スプリンターを含む30名ほどに絞られた。21km地点のスプリントポイントは総合2位のボーネンが獲得し、総合トップのハモンドとのタイム差を4秒にまで詰めている。

集団を追うソウ・ジュニヨン（韓国、EQA梅丹本舗グラファイトデザイン） photo:Cyclisme Japon/Chihoやがてコースの南進とともに風は追い風に変わり、先頭集団からナショナルチャンピオンジャージを着るマルチン・サパ（ポーランド、ランプレ）がアタック。これにマルティン・コーラー（スイス、BMCレーシング）が加わり、風に背中を押される形で逃げ始めた。

追い風区間で人数を増やしたメイン集団からは、遅れてミカエル・ダミアン（フランス、EQA梅丹本舗グラファイトデザイン）ら3名が飛び出して先頭2名を追走。しかしメイン集団から最大で6分30秒のリードを稼ぎ出したサパとコーラーに追いつくことは無かった。諦めずに逃げ続けたサパらも、ラスト12kmで吸収。逃げを全て飲み込んだメイン集団は、再び26名ほどに縮小していた。

スプリント勝負を制したトム・ボーネン（ベルギー、クイックステップ） photo:CorVosここからは集団スプリントを回避したいチームのアタック合戦。メンバー8名全員を集団に残したサーヴェロのジェレミー・ハント（イギリス）や、フィリッポ・ポッツァート（イタリア、カチューシャ）がアタックを繰り出したが成功せず、集団のままゴールへ。注目のマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームコロンビア）はラスト2kmで不運なパンクに見舞われて勝機を失った。

最後はステフェン・デヨンフ（オランダ）に発射されたボーネンが、ダニーロ・ナポリターノ（イタリア、カチューシャ）とユルゲン・ルーランズ（ベルギー、サイレンス・ロット）を抑えて優勝。カタールのステージ通算15勝目を飾った。総合トップのハモンドも6位に入る健闘を見せたが、ボーナスタイムによりリーダージャージはボーネンの手に渡った。同時にボーネンはポイント賞でもトップに立っている。

EQA梅丹本舗グラファイトデザインは、レース中盤に逃げに乗ったダミアンと岡崎和也が7分36秒遅れの第4集団でゴールしている。

ツアー・オブ・カタール2009第3ステージ結果
1位　トム・ボーネン（ベルギー、クイックステップ）2h34'53"
2位　ダニーロ・ナポリターノ（イタリア、カチューシャ）
3位　ユルゲン・ルーランズ（ベルギー、サイレンス・ロット）
4位　ハインリッヒ・ハウッスラー（ドイツ、サーヴェロ）
5位　アンジェロ・フルラン（イタリア、ランプレ）
6位　ロジャー・ハモンド（イギリス、サーヴェロ）
7位　デニス・ガリムジャノフ（ロシア、カチューシャ）
8位　マルクス・ツベルグ（スイス、BMCレーシング）
9位　ロバート・ワグナー（ドイツ、スキル・シマノ）
10位　マーティン・ライマー（ドイツ、サーヴェロ）

個人総合成績
1位　トム・ボーネン（ベルギー、クイックステップ）6h14'16"
2位　ロジャー・ハモンド（イギリス、サーヴェロ）+06"
3位　ハインリッヒ・ハウッスラー（ドイツ、サーヴェロ）+14"
4位　アンドレアス･クリアー（ドイツ、サーヴェロ）+18"
5位　ステフェン・デヨンフ（オランダ、クイックステップ）
6位　アンジェロ・フルラン（イタリア、ランプレ）+21"
7位　シャビエル・フロレンシオ（スペイン、サーヴェロ）
8位　ダニエル・ロイド（イギリス、サーヴェロ）
9位　ビセンテ・レイネス（スペイン、チームコロンビア）+48"
10位　ダニーロ・ナポリターノ（イタリア、カチューシャ）+1'01"

ポイント賞
トム・ボーネン（ベルギー、クイックステップ）

新人賞
ハインリッヒ・ハウッスラー（ドイツ、サーヴェロ）

チーム総合成績
サーヴェロ・テストチーム

レース公式サイトより。