12月30日、スペインのモビスターチームがファンホセ・コーボ(スペイン)と2年契約を結んだと発表した。チームは出場停止処分が明けてレースに復帰するアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)を獲得済み。チームに2009年と2011年のブエルタ・ア・エスパーニャ覇者が揃うことになる。

ブエルタ・ア・エスパーニャ制覇を果たしたファンホセ・コーボ(スペイン)ブエルタ・ア・エスパーニャ制覇を果たしたファンホセ・コーボ(スペイン) photo:Kei Tsujiコーボをブエルタ制覇に導きながらも、メインスポンサーの撤退によって活路が断たれたスペインのジェオックス・TMC。

当初はUCIプロチーム入りを目指していたが、スポンサーの欠如によってUCIプロコンチネンタル登録も果たせず、選手たちの放出を決定。コーボは2012年に向けて同チームと契約を更新していたが、実質的に2011年をもってチームは解散する。

モビスターチームモビスターチーム photo:Makoto Ayanoコーボとともにジェオックス・TMCでエースを担ったデニス・メンショフ(ロシア)はカチューシャへ移籍、カルロス・サストレ(スペイン)は引退を発表している。しかしまだ多くのジェオックス・TMC所属選手が移籍先を見つけられずにいる。

今年のブエルタ制覇によりグランツールレーサーとして名声を得た30歳が移籍先に選んだのは、スペインのUCIプロチームであるモビスターチーム。発表によると契約は2012年から2年間。コーボは「世界トップチームの一つであるモビスターチームに加わることが出来て嬉しく思う。チームはビッグレースへの出場チャンスを与えてくれるだろう」と語っている。

コーボは2004年のプロ入り以降6年間サウニエルドゥバル(後半はフジ・セルヴェット)に所属。2007年にバスク一周総合優勝、2008年ツール・ド・フランス区間優勝、2009年ブエルタ区間優勝などの成績を残し、2010年にエウセビオ・ウンスエ監督率いるケースデパーニュ(現モビスターチーム)に移籍した。しかし環境を変えた2010年はスランプに陥り、パリ〜ニース、ツール・ド・ロマンディ、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネをすべて途中リタイア。グランツール出場も叶わなかった。

「2010年はウンスエ監督指揮のもとで走ったが、思うような結果が残せなかった。当時は互いに失望したが、これからすべてが好転すると信じている。新しいチームメイトたちと走ることを楽しみにしている」とコーボ。

モビスターチームはすでに2009年のブエルタ覇者バルベルデの獲得を発表済み。バルベルデは本日2011年12月31日で2年間の出場停止処分が終了する。スペインを代表するバルベルデ=コーボのタッグはグランツールで注目の存在だ。

チームは他にも現イタリアチャンピオンのジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア)や、2004年ツール新人賞のウラディミール・カルペツ(ロシア)、ツール・ド・ロマンディのプロローグで優勝したTTスペシャリストのヨナタン・カストロビエホ(スペイン)らを獲得。2012年1月4日にチーム体制発表会が行なわれる予定だ。

text:Kei Tsuji

最新ニュース(全ジャンル)