チームブリヂストン・アンカーが2012チーム体制発表会をバイクフォーラム青山で開催した。外国人選手としてフランス人3人とベルギー人1人、シマノから西薗良太、鹿屋体大から吉田隼人が加入。欧州の活動もプランの半分を占めるほどチームは大きく様変わりする。

チームブリヂストン・アンカー2012メンバーと久保信人監督チームブリヂストン・アンカー2012メンバーと久保信人監督 (c)Makoto.AYANO

シマノレーシングから西薗良太(左)、鹿屋体大から吉田隼人(右)が加入シマノレーシングから西薗良太(左)、鹿屋体大から吉田隼人(右)が加入 (c)Makoto.AYANOチームブリヂストン・アンカーに新加入する4人の外国人選手チームブリヂストン・アンカーに新加入する4人の外国人選手 (c)Makoto.AYANO

ブリヂストンサイクルがサポートする国内チーム、「チームブリヂストン・アンカー」。2012年の体制がここまで大きく変わると誰が予想できただろう。

フランスでの活動経験豊富な久保信人新監督フランスでの活動経験豊富な久保信人新監督 (c)Makoto.AYANOまず監督は藤野智一氏が退任し、今までコーチとして活躍した久保信人氏が就任。久保氏はかつて2003年に欧州での選手活動をサポートするエスペランススタージュを立ち上げ、若手選手のレース体験をサポートしてきた経歴を持つ。アンカーのコーチに就任してからもフランスでのネットワークを生かし、チームの遠征をサポートしてきた。その実績が海外での活動に幅を広げるチームの意向と合致し、監督就任に結びついたかたちだ。

日本人選手は2011年メンバーで残ったのは清水都貴、井上和郎 、伊丹健治の3人のみ。シマノレーシングより西薗良太、鹿屋体育大学より吉田隼人を迎えた。
そして新たにフランス人3人、ベルギー人ひとりの合計4人の外国籍選手を加入させた。4人はいずれもフランスのクラブチームで走っていた選手。いずれもフランスで久保新監督がスカウトした選手たちだ。

9人編成のチームは日本籍でコンチネンタル登録。ヨーロッパ、日本のUCI国際レースに参戦し、世界レベルでの活躍を目指すという。

同時にフランス人のデニス・ルプルー氏が監督に就任。ルプルー氏は1987~1988年にZプジョー、1998~2000年ビッグマット・オーヴェール93、2005~2009年にアグリチュベルに所属した元プロ選手で、1998年にはツール・ド・フランスで総合39位になった経験を持つ。コフィディスとアグリチュベルで監督を経験。現在はA.S.O(アモリー・スポール・オルガニザシヨン)のレーススタッフとして、ツールではメディカルカーの運転手などをつとめている。当然ASOとのコネクションを強くもち、チームは年明けのツアー・オブ・カタールとオマーン出場チームに選出されている。

フランスでの経験が抱負な久保氏とルプルー氏がタッグを組むことで、欧州での活動はこれまで以上に充実しそうだ。現地スタッフや国内マッサーは基本的に2011年のスタッフが継続して当たる。

UCIクラス1での優勝が目標 将来のプロコンチ化、アンカーバイクの海外進出も視野に

チームは目標としてまずはUCI.1クラスでの優勝を挙げたいとしている。これは清水都貴が梅丹本舗エキップアサダ時代にパリ・コレーズで勝利していることから、より充実したこのチーム体制をもってすれば実現可能な目標だとする。
また、将来的な目標として、チームのプロコンチネンタルおよびワールドツアークラスのチームへの昇格、アンカーブランドのバイクの欧州での知名度向上、そして販売マーケットへの進出なども視野にあるという。具体的なステップおよび現況はまだ模索段階のようだが、「ツール・ド・フランスにチームブリヂストン・アンカーとして出場するのはもちろん理想的な目標。しかしそれだけにこだわらなくても、チームやアンカーブランドがツール・ド・フランスに近づいていきたい」と久保氏は語る。

チームは年明けより宮崎・そして鹿屋体育大学を拠点としたチーム合宿に入る。チームメンバーは顔合わせをしてまだ4日しか経っていないが、チームワークはすでに非常に良い状態にあるようだ。陽気な外国人選手と新メンバーも十分に打ち解け、今まで以上に雰囲気のいいチームに思えた。

そして先に触れたようにチームは年明け、ツアー・オブ・カタールとオマーンの連戦という、世界のトッププロが走るレースで華々しくシーズンインする。

シマノレーシングから移籍した西薗良太シマノレーシングから移籍した西薗良太 (c)Makoto.AYANO鹿屋体大を卒後して新加入する吉田隼人鹿屋体大を卒後して新加入する吉田隼人 (c)Makoto.AYANOチームブリヂストン・アンカー2012チームキットチームブリヂストン・アンカー2012チームキット (c)Makoto.AYANO

機材はアンカーRMZおよびRIS9を使用。コンポはシマノ・デュラエースDi2を中心に採用するようだ。ウェアはウェイブ・ワン。ヘルメットはオージーケーカブト、アイウェアはアディダス。サプリメントのザバスなどは2011のまま継続だ。

チームがメインで使うアンカーRMZチームがメインで使うアンカーRMZ (c)Makoto.AYANO軽量モデルとしてアンカーRIS9も使用する軽量モデルとしてアンカーRIS9も使用する (c)Makoto.AYANO


チームブリヂストン・アンカー2012チームブリヂストン・アンカー2012 (c)Makoto.AYANOUCI日本コンチネンタル登録ロードチーム
BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM


監督 久保 信人
デニス・ルプルー (フランス)
選手
清水 都貴 1981年11月23日
井上 和郎 1981年2月17日
伊丹 健治 1988年9月15日
西薗 良太 1987年9月1日 (2011:シマノレーシングチーム所属)
吉田 隼人 1989年5月19日 (2011:鹿屋体育大学所属)
トマ・レバ(フランス) 1985年12月14日 (2011:VC エクス・アン・プロヴァンス所属)
クラース・シス(ベルギー) 1986年11月30日 (2011:VCルーアン76所属)
アレクサンドル・レマー(フランス) 1988年10月25日 (2011:VCルアーン76所属)
ブレース・ソネリ(フランス) 1985年3月21日 (2011:VCカラドワ所属)


U23は浅田 顕が指揮をとる

同時に所属選手と体制だけが発表されたU23チーム。選手には平井栄一、椿大志、寺崎武郎、秋丸湧哉、六峰 亘、清水太己。そして監督にはシクリズムジャポン/エキップアサダの浅田 顕がふたたびアンカーに戻り、若者の指揮をとることに。もちろんエカーズを中心としたエキップアサダ(シクリズムジャポン)の活動と平行して面倒を見ていくことになるだろう。

計6名編成のチームは、ヨーロッパのレース、日本のJツアーレースに参戦し、U23世界選手権での活躍を目指すという。


U23ロードチーム
BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM U23


監督 浅田  顕 (株式会社シクリズムジャポン)
選手 
平井栄一 1990年11月18日
椿  大志 1991年5月18日
寺崎武郎 1991年11月18日
秋丸湧哉 1991年6月1日
六峰  亘 1992年1月30日
清水太己 1993年3月12日

MTBチーム 沢田時が加入 山本幸平はスペシャライズド・ワールドチームへ移籍 

マウンテンバイクチームとしてロンドン五輪を前に大きな損失となったのは山本幸平だ。「山本幸平選手とは2011年を持って契約終了になります」とだけ説明されたが、山本はスペシャライズド・ワールドチームへの移籍が決まり、世界レベルでの活動へとシフトする。

新しく加入するのはシクロクロスでの活躍も光る沢田 時(2011年はENDLESS/ProRide所属)だ。94年生まれの若き才能がアンカーの体制で育まれることになる。
しかしシクロクロスのサポートは打ち切り。チームに残る辻浦圭一とともに沢田もシクロクロスレースに出場はするだろうが、辻浦にとっても2011年のようなチームとしてのサポートの手厚いレース活動はできない。

MTBクロスカントリーチーム
BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM


アドバイザー 鈴木 雷太
監督 ヴィクター・トマズ (ポーランド)
選手
平野 星矢 1987年5月15日
辻浦 圭一 1980年1月4日
沢田  時 1994年1月12日(2011:ENDLESS/ProRide所属)

text&photo:Makoto.AYANO