ドーピング関与の疑いで2011年12月31日まで2年間の出場停止処分を受けているアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が、2012年、古巣モビスター(元ケースデパーニュ)でレースに復帰する。モビスターが11月15日に正式なバルベルデ加入のプレゼンテーションを行うと発表した。

2009年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を果たしたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)2009年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を果たしたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン) photo:Unipublicスペインを代表するオールラウンダーとして活躍し、2006年と2008年にUCI(国際自転車競技連合)プロツアーシリーズ王者、2009年ブエルタ・ア・エスパーニャ覇者、その他ビッグワンデーレースを数多く制している31歳のバルベルデがレースに戻ってくる。

2006年に勃発したドーピングスキャンダル「オペラシオン・プエルト」への関与が疑われ、2010年5月以降、バルベルデはレース活動から身を退いている。

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)2010年のツール・ド・ロマンディで総合優勝を飾るも、のちにタイトルは剥奪アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)2010年のツール・ド・ロマンディで総合優勝を飾るも、のちにタイトルは剥奪 photo:www.tourderomandie.ch2008年のツール・ド・フランス期間中、イタリアで採取されたバルベルデの血液サンプルのDNAが、「オペラシオン・プエルト」の中心人物とされるフエンテス医師のオフィスから押収された血液バッグのものと一致。2009年5月、CONI(イタリア五輪委員会)はバルベルデに対し、イタリアレースへの2年間の出場停止処分を求めた。

出場停止処分はイタリア国内でのみ有効とされたため、バルベルデは2009年と2010年もイタリア以外の国でレース活動を継続。しかしUCIとWADA(世界アンチドーピング機構)はバルベルデの出場停止処分を全世界に拡大させるよう訴え、2010年5月、CAS(スポーツ仲裁裁判所)がこの訴えを認めた。出場停止処分の起点は2010年1月1日。つまり2011年12月31日で処分が明ける。バルベルデが2010年に獲得したツール・メディテラネアンやツール・ド・ロマンディ総合優勝のタイトルは同時に剥奪された。

出場停止中もバルベルデはモビスターに出入りしていることがたびたび目撃されており、エウセビオ・ウンスエ監督率いる古巣(ケースデパーニュの後継チーム)でのレース復帰が有力視されていた。モビスターは11月15日にスペイン・マドリードでプレゼンテーションを開き、バルベルデの正式なチーム加入を発表する。契約年数など詳細は明らかにされていない。

text:Kei Tsuji