10月19日、フランス・パリで2012年のツール・ド・フランス第99回大会のコースが発表された。ベルギーのリエージュで開幕し、ヴォージュ山脈、ジュラ山脈、アルプス山脈、ピレネー山脈を通過するコースは、事前に誤って公式サイトに掲載されたコースそのまま。頂上ゴールは3つで個人タイムトライアルの距離が長いのが特徴だ。

ツール・ド・フランス2012コース全体図ツール・ド・フランス2012コース全体図 image:A.S.O.パリの国際会議場で行なわれたコースプレゼンテーションで、8日前に誤って掲載されたステージリストが本物であることが確認された。

第99回大会は6月30日にベルギーのリエージュで開幕。初日は人口19万人のリエージュを駆け抜ける6.1kmのプロローグ(短距離個人タイムトライアル)だ。

ベルギーにて3ステージを消化後、ツールはフランスに入国。大西洋まで脚を伸ばした後、時計回りにフランスを1周する。勾配10%前後の丘を5つ越える起伏に富んだコース設定の第3ステージを除いて、第6ステージまでは概ねイージーなステージが続く。

ツール・ド・フランス2012前半ステージ・プロフィールツール・ド・フランス2012前半ステージ・プロフィール image:A.S.O.頂上ゴールは合計3つ設定されており、その一発目はヴォージュ山脈のプランシェ・デ・ベルフィーユにゴールする第7ステージ。標高1035mのスキーリゾートに向かって、平均勾配8.5%・登坂距離5.9kmを駆け上がる。前半から勾配が10%を超える刺激の強い登りでマイヨジョーヌはスイッチする。

ツール・ド・フランス2012後半ステージ・プロフィールツール・ド・フランス2012後半ステージ・プロフィール image:A.S.O.カテゴリー山岳が5つ詰め込まれ、スイスに入国する第8ステージを経て、第9ステージは38kmの個人タイムトライアル。アップダウンを含むコースでついたタイム差は最後まで尾を引くだろう。この「時間との闘い」の翌日が大会1回目の休息日。

パリのパレ・デ・コングレ(国際会議場)で行なわれたコースプレゼンテーションパリのパレ・デ・コングレ(国際会議場)で行なわれたコースプレゼンテーション photo:Cor Vos登坂距離が17kmを超えるコロンビエール峠がラスト43km地点に鎮座する第10ステージが、大会最初の「超級山岳ステージ」。そして翌日に大会2つ目の頂上ゴールがやってくる。アルプス山脈のマドレーヌ峠とクロワ・ド・フェール峠を越え、最後はラ・トゥッスイールに向けてクライミング。累積標高が5000m近いこのステージで、マイヨジョーヌのおおよその行方は決まる。

その後ツールは南仏を横切ってピレネー山脈へ。第14ステージに登場するミュール・ド・ペゲールは、その名の通り「壁(ミュール)」のような登り。登坂距離9.4km・平均勾配7.9%だが、頂上手前の3kmの平均勾配は12%オーバー。最大勾配18%区間も登場する。頂上がゴールから39km離れているため、下りを含めてレースは加熱する。

レースディレクターのクリスティアン・プリュドム氏レースディレクターのクリスティアン・プリュドム氏 photo:Cor Vosピレネー山脈の奥深くに踏み入れる第16ステージと第17ステージで山岳バトルはクライマックスを迎える。オービスク峠、トゥールマレー峠、アスパン峠、ペイルスールド峠を越える高難度の第16ステージを終えると、大会最後の頂上ゴールが設定された第17ステージが待つ。スキーリゾート地ペイラギュード(ペイルスールド峠の延長)に向かう登りで、激しいアタック合戦が繰り広げられるだろう。

最終日前日は52kmの個人タイムトライアル。平坦かつ距離の長いコースで、クライマー達は苦しい走りを強いられる。初日のプロローグを含めると、個人タイムトライアルの距離は合計96km。頂上ゴールの数が3つと少ないため、タイムトライアル能力に秀でた選手に有利なコースだと思われる。

有力選手たちがステージに上がる有力選手たちがステージに上がる photo:Cor Vosコースプレゼンテーションに出席したディフェンディングチャンピオンのカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)は、レキップ紙の中で「最初の10日間は細いコースやコーナーでナーバスになると思う。(長い個人TTは)僕のアドバンテージになる。だが同時にライプハイマーやウィギンズ向きだと言える」と感想を述べている。

これまでツールで3勝しているアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)も、エヴァンスの意見に同意する。「これはクライマー向きのコースではない。エヴァンスのようなTTが得意な選手向き。例年より山岳の難易度は低い。自分にとっては理想的なコースとは言えない」。

プレゼンテーションに出席したフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)とカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)プレゼンテーションに出席したフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)とカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) photo:Cor Vos一方、スプリンター向きと見られているのは合計7ステージ。第2・第4、第5、第6、第13、第18、第20ステージだ。今年ステージ5勝&マイヨヴェールを獲得したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)は「パリまで走り抜いて、シャンゼリゼで勝ちたい」と気合いを込める。

2012年はロンドン五輪開催年。ツールの完走が、5日後に母国イギリスで開催される五輪ロードレースに影響すると懸念されるが、カヴは「ライバルたちも同様にツールを最後まで走る。ロンドン五輪への影響はないと思っている」と話す。チームスカイに移籍するカヴは、総合狙いのブラドレー・ウィギンズ(イギリス)とともにツールでの活躍を願う。

コースの厳しさを追求せず、オーソドックスにまとまった感のある2012年ツール・ド・フランス。「大人しいコース」だと批判も出ているが、逆に選手たちが自ら動き、コースに頼らず積極的にレースを作るような展開が期待される。第99回ツールは、6月30日ベルギー・リエージュをスタートする。


ツール・ド・フランス2012ステージリスト
6月30日(土)プロローグ リエージュ(ベルギー)〜リエージュ(ベルギー) 6.1km
7月1日(日)第1ステージ リエージュ(ベルギー)〜セラン(ベルギー)   198km
7月2日(月)第2ステージ ヴィセ(ベルギー)〜トゥルネー         207km
7月3日(火)第3ステージ オルシー〜ブローニュ・シュル・メール      197km
7月4日(水)第4ステージ アブヴィル〜ルーアン              214km
7月5日(木)第5ステージ ルーアン〜サン・カンタン            197km
7月6日(金)第6ステージ エペルネー〜メス                210km
7月7日(土)第7ステージ トンブレンヌ〜プランシェ・デ・ベルフィーユ   199km
7月8日(日)第8ステージ ベルフォール〜ポラントリュイ(スイス)     154km
7月9日(月)第9ステージ アルケ・スナン〜ブザンソン           38km(個人TT)
7月10日(火)休息日
7月11日(水)第10ステージ マコン〜ベルガルド・シュル・ヴァルスリーヌ  194km
7月12日(木)第11ステージ アルベールヴィル〜ラ・トゥッスイール     140km
7月13日(金)第12ステージ サンジャン・ド・モーリエンヌ〜アノネー    220km
7月14日(土)第13ステージ サンポール・トロワシャトー〜ルキャプ・ダグド 215km
7月15日(日)第14ステージ リムー〜フォワ                192km
7月16日(月)第15ステージ サマタン〜ポー                160km
7月17日(火)休息日
7月18日(水)第16ステージ ポー〜バニェール・ド・リュション       197km
7月19日(木)第17ステージ バニェール・ド・リュション〜ペイラギュード  144km
7月20日(金)第18ステージ ブラニャック〜ブリーヴ・ラ・ガイヤルド    215km
7月21日(土)第19ステージ ボヌヴァル〜シャルトル            52km(個人TT)
7月22日(日)第20ステージ ランブイエ〜パリ・シャンゼリゼ        130km

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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