レースの最初の10日間を終えたブエルタ・ア・エスパーニャ2011。休息日の有力選手たちのコメント。

マイヨロホ獲得に笑顔を見せるクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)マイヨロホ獲得に笑顔を見せるクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo Cor Vosクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)総合リーダー

(トマ・)ヴォクレールと違って、僕は逃げに乗ってタイムを稼いだわけじゃない。毎日このブエルタの有力選手たちの近くにいたんだ。僕の目的は山岳でブラッドレー・ウィギンズの側にいることだったけど、それが総合順位の上位に僕を近づけることになったんだ。

予期していた通りに事が運ぶのなら、人生はなんて単調なものだろう。僕のリーダーの座と、24時間前から届いている数多くのメッセージは感動的なものだけど、これは僕がした努力に対して正当な報賞だと思う。ウィギンズの総合3位と合わせて、僕たちはこれ以上のハッピーを望めないよ!

まだ戦略をまだ話してはいないけれど、僕らが得たポジションを譲る気はないよ。僕たちはこのマイヨロホをチェマ・ゴンザレス(チームスカイのマッサー。昨年のブエルタ期間中に3人のリタイヤを生んだ食中毒により死亡した)へ捧げたい。彼が暮らしていたヴィトリアの街までこのジャージを着られたなら、それは素晴らしいことだね。


ヤコブ・フグルサング(デンマーク、レオパード・トレック)

総合2位にいることが、とにかくハッピーだよ。正直に言えば、最初は2位であることに腹を立てもしたけれどね。「レッドジャージを取り返してやる!」という感じだったよ。でもレース全体をここまで振り返ってみれば、悪くないように展開できていると思う。チーム力を温存できているし、自分自身もエネルギーを使わないでいられるから。ジャージを獲得できていれば最高だけど2位につけていることのアドバンテージを感じてもいるんだ。それに2位は、このレースが始まってから予想していたよりもずっといい成績だよ!

ここまで激坂ゴールのステージで2勝を飾っているホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ここまで激坂ゴールのステージで2勝を飾っているホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) Tour d'Espagne/Graham Watsonホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

今のところ、ラ・コヴァティージャだけが僕のミスだ。僕は失敗したけれど、今後は他のライバル選手もそうなる可能性はある。だからまだブエルタ総合優勝へのチャンスが立ち消えになったとは思っていないよ。レースは開かれているからね!これからの3ステージはハードで、悪天候が予想されている。週末のファラポーナとアングリルの山頂ゴールがこのブエルタを決めることになるだろうね。

その後は去年僕が勝利したペーニャ・カバルガと僕がレースすることを愛しているバスク地方へと入る。今までは僕のチームが責任を果たしてきた。今後はチームスカイ、レオパード・トレック、リクイガス・キャノンデールがレースを始めることだろうね。ニーバリは僕のライバルの中で一番の危険人物だ。彼は今のところ、一番堅実にレースを運んでいるよね。

ここまで堅実なレース運びを見せるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)ここまで堅実なレース運びを見せるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) photo:Cor Vosヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

激烈で疲れるブエルタの最初の10日間だった。それに最も難しいステージはまだやってきていない。スタートから言っていることだけど、勝利のためには堅実さが重要になる。今からそのことにさらに自覚的にならないとね。ヴァルペニャス・デ・ハエンとエル・エスコリアルの山頂ゴールは、僕にはあまりマッチしない登りだったから、守りの走りに徹したんだ。戦略的には、チャンスを失わないための正しい選択をしたと思う。登りもいいけれど、とにかくダウンヒルが欲しい。僕たちが傑作をモノにしてみせたコルドバみたいなね。

今は平静さをもって第2週目に臨むことができるよ。アングリルがこのブエルタの最重要な場面になるはず。ウィギンズ、ロドリゲス、ファンデンブロック、フルグサング、モレマは僕のメインライバルであることが確認できた。スカルポーニも争いから離れたわけではない。面白い一週間になるはずだよ。ボーナスタイム制がレースを盛り上げることになるだろうね。

アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)

月曜日のステージ(16位)は僕が経験した最長の個人タイムトライアルで、今日までのバイクに乗っている日で最も厳しい一日だった。だが、苦しみには価値がある。1年前はツール・ド・ラヴニール(総合2位)を走っていた。今は経験のためにブエルタを走っている。総合を狙える選手になってグランツールに戻ってきたいね。


コメントはレース公式リリースより


edit&translation:Yufta Omata
Amazon.co.jp