ツール・ド・ロマンディ第4ステージは、4つの難関山岳ポイントが設定された今大会最難関ステージ。終盤の山岳で攻撃を仕掛けたロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)が、3名の競り合いを制して優勝。22歳の若きクロイツィゲルが一躍総合トップに立った。

序盤から逃げるダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)ら序盤から逃げるダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)ら photo:www.tourderomandie.ch1級山岳3つと2級山岳1つが登場する157kmで行なわれた第4ステージ。最後の1級山岳モーブルジェ峠はゴール11km手前に設定されている。翌日も1級山岳を含む山岳ステージだが、後半にかけて平坦路が続くため、この日が実質的な総合争いの最終決戦だ。

雨に見舞われたこの日、最初の1級山岳で山岳スペシャリストのイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)やダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)を含む5名の逃げが決まり、メイン集団から最大2分40秒のリードを得る。レース後半に入ると、メイン集団から飛び出したサンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー)らが先頭グループに合流した。

山岳で遅れてしまうリーダージャージのフランティセク・ラボン(チェコ、チームコロンビア)山岳で遅れてしまうリーダージャージのフランティセク・ラボン(チェコ、チームコロンビア) photo:www.tourderomandie.ch前日にリーダージャージを獲得したフランティセク・ラボン(チェコ、チームコロンビア)は、2つ目の1級山岳でメイン集団から脱落。リクイガスとケースデパーニュがペースを上げるメイン集団は、先頭グループとのタイム差を詰めつつ、最後の1級山岳モーブルジェ峠に突入した。

逃げグループから飛び出し、上りを独走するフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、フジ・セルヴェット)に、メイン集団からアタックを決めたロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)、レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)が合流。一段とペースを上げたクロイツィゲルが先頭単独で山岳頂上を通過した。

ターラマエの追撃を振り切ってゴールするロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)ターラマエの追撃を振り切ってゴールするロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス) photo:www.tourderomandie.chカルペツとターラマエはラスト4kmでクロイツィゲルを捉え、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)やカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)を含む後続集団の追撃を振り切ってゴールへ。

ゴールに至る上りで一気にペースを上げ、カルペツとターラマエを振り切ったのはクロイツィゲル。ターラマエが追撃したが僅かに届かず、先頭を守りきったクロイツィゲルが独走のままゴール。ステージ優勝とリーダージャージを同時に獲得した。

リーダージャージを獲得したロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)リーダージャージを獲得したロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス) photo:www.tourderomandie.ch2004年にジュニア(U19)ロード世界チャンピオンに輝いているクロイツィゲルは「リクイガスは昨日のチームタイムトライアルで何とかタイムロスを最小限(24秒遅れの4位)に抑えた。今日は重要なステージだったから攻撃を仕掛けようと思っていたんだ」と、レース後に語っている。

クロイツィゲルはスイスレースと相性が良く、昨年のツール・ド・スイスでは山岳個人TTを制し、22歳の若さで総合優勝に輝いた。「いつでもスイスは僕にチャンスをくれる」と語るクロイツィゲルは、2007年総合6位、2008年総合2位に入っているロマンディで総合優勝に王手をかけた。

イヴァン・バッソ(イタリア)のジロ・デ・イタリア制覇に主眼を置くリクイガスは、ツール・ド・フランスにクロイツィゲルとヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)をエースとして送り込む予定。クロイツィゲルは昨年ツールに初出場し、総合12位(サストレから12分59秒遅れ)&新人賞2位(Aシュレクから1分27秒遅れ)の好成績を収めた。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはフランス・レキップ紙より。

ツール・ド・ロマンディ2009第4ステージ結果
1位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)4h11'44"
2位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)
3位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ)+07"
4位 フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、フジ・セルヴェット)+17"
5位 ミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル)+45"
6位 レミ・ディグレゴリオ(フランス、フランセーズデジュー)+51"
7位 ダリオ・カタルド(イタリア、クイックステップ)
8位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシング)
9位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)
10位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)

個人総合成績
1位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)10h50'25"
2位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ)+18"
3位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)+25"
4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)+46"
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、ケースデパーニュ)+48"
6位 ラルスイティング・バク(デンマーク、サクソバンク)+1'01"
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)+1'07"
8位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)+1'08"
9位 フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、フジ・セルヴェット)+1'16"
10位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア)+1'21"

スプリント賞
グレゴリー・ラスト(スイス、アスタナ)

山岳賞
ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)

新人賞
ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)

チーム総合成績
ケースデパーニュ