初めて山頂ゴールが設定されたジロ第7ステージは、残り7kmで飛び出したバルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット)がゴールラインで総合争いの選手に並ばれながらも逃げ切り、劇的な勝利を挙げた。総合順位は変動無し。

逃げグループを率いるフェデリーコ・カヌーティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)逃げグループを率いるフェデリーコ・カヌーティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス) photo:Riccardo Scanferla中休み的な昨ステージを経て、ジロ・デ・イタリア2011はいよいよ最初の山場、山頂ゴールを迎える。2級ながら17kmの登坂距離を誇るモンテヴェルジネ・ディ・メルコリアーノで、総合順位にシャッフルが起こると目された。

メイン集団をコントロールするアックア・エ・サポーネメイン集団をコントロールするアックア・エ・サポーネ photo:Riccardo Scanferla200km前後のロングステージが続くこのジロにあって、110kmと短い距離で争われたこの日、5人の逃げが序盤に決まった。メンバーは、フェデリーコ・カヌーティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)、ジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)、ラルスイティング・バク(デンマーク、HTC・ハイロード)、マッテオ・モンタグティ(イタリア、アージェードゥーゼル)。

5人は最大で3分ほどの差を生み出すも、それ以上はマリアローザのピーター・ウェーニング(オランダ)を擁するラボバンク勢が許さない。さらに早い段階から集団のリードにアックア・エ・サポーネが参加。登りに強いエースのステファノ・ガルゼッリ(イタリア)でのステージ優勝狙いに意志を見せる。

ラスト1kmに差し掛かるメイン集団ラスト1kmに差し掛かるメイン集団 photo:Kei Tsuji残り50kmを切って、最初の2級山岳でセバスティアン・ラング(ドイツ、オメガファーマ・ロット)がアタック。この動きを見てさらにジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)がペースアップ。ラングを置き去りにして単独で逃げグループの5人を追う展開に。

この2級の山岳ポイントを取りにアタックをかけたのはカヌーティ。一人飛び出した形になったが、下りのタイトコーナーで落車。結局逃げグループは5人に戻り、モンテヴェルジネ・ディ・メルコリアーノを目指す。

独走でゴールに向かうバルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット)独走でゴールに向かうバルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット) photo:Luca Bettini23kmの単独走行を耐えたフーガーランドは、残り25kmで逃げグループに追いつくと、さらにそこから加速する積極的な走りでグループを鼓舞する。フーガーランドはこの日が28歳の誕生日。自らの脚でバースデーを祝うかのような力強い走りを見せる。

誕生日男はモンテヴェルジネ・ディ・メルコリアーノにさしかかって再びアタック。この動きで脱落したのはピノーとヴィスコンティの実力者2名。登りに入って残り14.5kmではメイン集団が30秒にまで吸収の手を近づける。

デクレルクを追うメイン集団デクレルクを追うメイン集団 photo:Kei Tsujiするとそれを嫌いバクがアタック。一気に集団との差を開くがその勢いも長続きしない。各チームの中堅選手がアタックに次ぐアタックを繰り返すが、それも決定力を欠く中、ついにバルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット)のアタックが成功。残り7kmで単独先頭に踊り出る。

登りでいいペースを維持するデクレルクに対し、アックア・エ・サポーネがコントロールする集団はペースがあがらない。少しずつデクレルクは集団との差を開いていき、残り3.5kmで30秒差を築き上げる。残り1.5kmを切って業を煮やしたランプレ・ISDがスカルポーニを伴ってペースを上げるが、デクレルクも粘る。

デクレルクが残り300mに差しかかるころ、スカルポーニ、ガルゼッリ、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)、ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)、アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)の激しいスプリント勝負が開始。

伸びるスカルポーニがゴール50m手前でデクレルクを追いつめるが、デクレルクがゴールライン上で追撃をかわし切ってステージ優勝。僅かにスカルポーニら総合の有力選手たちは区間勝利に手に届かなかった。デクレルクは歓喜のガッツポーズを見せる。

バルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット)にミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)が迫るバルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット)にミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)が迫る photo:Riccardo Scanferla

総合で上位につける選手は軒並みこのデクレルク・スカルポーニ集団でゴールしたため、総合順位に大きな変動はなく、マリアローザはウェーニングが守っている。ステージ2位でボーナスタイムを獲得したスカルポーニが総合を22秒差の5位に上げている。

優勝したデクレルクは24歳のベルギー・フランドル人。いくつかのレースでは勝利しているが、グランツールでの勝利は初めて。さらに山岳賞マリアヴェルデまで獲得というオプションまでつき、大成功の一日となった。


ジロ・デ・イタリア2011第7ステージ結果
1位 バルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット)    2h54'47"
2位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)
4位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
5位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
6位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
7位 ホセ・ルハノ(ヴェネズエラ、アンドローニ・ジョカトーリ)
8位 ダリオ・カタルド(イタリア、クイックステップ)
9位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)
10位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、ガーミン・サーヴェロ)
86位 別府史之(日本、レディオシャック)               +7'57"


個人総合成績
1位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)         23h09'59"
2位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、HTC・ハイロード)    +2"
3位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード) 
4位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、ガーミン・サーヴェロ)      +5"
5位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)         +22"
6位 パブロ・ラストラス(スペイン、モビスター)             +24"
7位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)         +26"
8位 ステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク)        +28"
9位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)         +30"
10位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)      +33"
70位 別府史之(日本、レディオシャック)                +16'04"

ポイント賞 マリアロッサ・パッシオーネ
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)

山岳賞 マリアヴェルデ
バルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット)

新人賞 マリアビアンカ
ステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク)

チーム総合成績
モビスター



text:Yufta Omata
photo:Kei Tsuji,Riccardo Scanferla,Luca Bettini
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