2011年3月25日、セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ(UCI2.1)第4ステージ・個人タイムトライアルが行なわれ、イタリア期待の23歳アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD)が優勝。エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)が総合首位を守った。

16分37秒のトップタイムで優勝したアドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD)16分37秒のトップタイムで優勝したアドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD) photo:Riccardo Scanferla総合優勝の行方を占う重要な個人タイムトライアル(以下個人TT)が、エミリア・ロマーニャ州北部のクレヴァルコーレを舞台に行なわれた。全長14.3kmのコースはほぼ真っ平ら。前日のステージで総合首位に立ったクライマーのセッラにとっては辛抱どころだ。

この平坦コースを平均51.635km/hで駆け抜け、16分37秒のトップタイムを叩き出したのは、弱冠23歳のマローリ。2008年のロード世界選手権U23個人TTで優勝を飾っているイタリアの星が、地元エミリア・ロマーニャ州(パルマ出身)でプロ初勝利をマークした。

ステージ3位・9秒遅れ ローリー・スザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)ステージ3位・9秒遅れ ローリー・スザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア) photo:Riccardo Scanferla「人生で最も素晴らしい日の一つだ。前半は抑え気味に走り、後半に全てをぶつけた。これが世界トップクラスのクロノマン(TTスペシャリスト)に仲間入りする第一歩になることを願っているよ」。この日の結果を受け、マローリは総合4位にジャンプアップした。

同じランプレ・ISD所属の若手ディエゴ・ウリッシ(イタリア)もステージ6位と好走し、総合2位にジャンプアップした。ウリッシも将来を嘱望される若手であり、2006年から2年連続世界選手権ジュニアロードレースで優勝。プロ1年目の昨年はツール・ド・ポローニュで総合8位。今年パリ〜ニースの最終ステージで果敢に逃げ、ステージ2位に入っている。

ステージ4位・15秒遅れ ステファン・シューマッハー(ドイツ、ミケ・グエルチョッティ)ステージ4位・15秒遅れ ステファン・シューマッハー(ドイツ、ミケ・グエルチョッティ) photo:Riccardo Scanferla現在セッラとウリッシの総合タイム差は30秒。ウリッシは「過去最高の個人TTだった。明日のステージに向けて自信を得たよ。(総合逆転を)最後まで諦めない」と語っている。

セッラはステージ33位に沈んだが、ウリッシから30秒、ステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)から32秒のリードを守って総合リーダーの座をキープ。リーダージャージを着て翌日の最終ステージに挑むことになった。

ステージ33位・1分01秒遅れ エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)ステージ33位・1分01秒遅れ エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) photo:Riccardo Scanferla最終第5ステージは、標高431mのカテゴリー山岳を含む周回コースが登場。最大勾配18%のモンテジッビオを4回駆け上がり、サッスオーロにゴールする。熾烈な激坂バトルが繰り広げられるはずだ。

前日の第3ステージで宮澤崇史と小森亮平はタイムオーバーでレースを離脱。日本人選手として唯一レースに残った内間康平(ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)は、1分46秒遅れのステージ93位でフィニッシュ。総合では123位につけている。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはランプレ・ISD公式サイトより。


セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2011第4ステージ結果
1位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD)             16'37"
2位 ルーカ・アスカーニ(イタリア、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)      +08"
3位 ローリー・スザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)       +09"
4位 ステファン・シューマッハー(ドイツ、ミケ・グエルチョッティ)         +15"
5位 ラスロ・ボドロギ(ハンガリー、チームタイプ1)
6位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・ISD)                +17"
7位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)+19"
8位 ルーベンス・ベルトリアーティ(スイス、チームタイプ1)             +22"
9位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア)           +29"
10位 フェデリーコ・カヌーティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)        +35"
93位 内間康平(日本、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)           +1'46"

個人総合成績
1位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)       10h49'10"
2位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・ISD)                +30"
3位 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)         +32"
4位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD)              +43"
5位 ローリー・スザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)       +46"
6位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)+48"
7位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、FDJ)                  +1'03"
8位 ステファン・シューマッハー(ドイツ、ミケ・グエルチョッティ)        +1'05"
9位 アンヘル・ビシオソ(スペイン、アンドローニ・ジョカトリ)          +1'08"
10位 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)       +1'11"
123位 内間康平(日本、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)          +23'44"

ポイント賞
エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)

山岳賞
ホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)

新人賞
ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・ISD)

チーム総合成績
コルナゴ・CSFイノックス

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla

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