今年、大きく変貌を遂げた実業団Jサイクルツアーがいよいよ始まる。4月26日(日)、第1戦の東日本ロード、舞台は群馬CSCの6kmサーキットで162kmの長丁場。国内有力メンバーの多くが海外遠征で不在の中、誰が優勝するのか。そして注目は総合優勝チームに贈られる100万円の賞金だ。

大きく変わった仕組み
昨年の東日本ロード、廣瀬敏(当時愛三)が100万円を獲得。2位の野寺以外、今年は全員が違うチームだ昨年の東日本ロード、廣瀬敏(当時愛三)が100万円を獲得。2位の野寺以外、今年は全員が違うチームだ photo:Hideaki.TAKAGI今年2月に今までのJツアーをJサイクルツアーとして、仕組みを大きく変えた全日本実業団自転車競技連盟。これはTR(ツアーレーサー)クラスを別個に設け、従来のBR-1・2選手から4名以上でチーム登録し、全12戦を通して団体競技として戦うものだ。

すでにチームと選手は発表されており、合計32チーム(J-mix含む)、279名だ。旧BR-1は最終271名だったので総数はほぼ同じだがその一部は、移籍した選手、J-mixとして戦う選手、(新)BR-1に留まる選手、旧BR-2から来た選手に内訳は分かれる。

この改革のために移籍した選手は少なくない。短い期間で一大決心をした彼らが新しいジャージでどう戦うかも見どころだ。

100万円はどのチームに?
昨年の東日本、心臓破りの坂でアタックする廣瀬敏(当時愛三)、後方は中村誠(当時BSアンカー)昨年の東日本、心臓破りの坂でアタックする廣瀬敏(当時愛三)、後方は中村誠(当時BSアンカー) photo:Hideaki.TAKAGI第43回全日本実業団東日本サイクルロードレース大会のJサイクルツアー第1戦は4月26日(日)、午前11時30分にスタート、群馬CSCの6kmサーキットを27周する162kmの長丁場で行われる。アップダウンのあるこのコースは、過去、スプリント力のあるオールラウンダータイプが好成績を残している。

注目は総合優勝チームに贈られる100万円だ。昨年は個人優勝者へみなかみ町長賞として100万円が贈られたが、今年は総合優勝チームへ同額が贈られることになった。

この総合優勝チームとは、4人以上出走したチームの上位3名の個人ポイント合計で決まるものだ。そのため後述するが、中堅チームにまでその対象が広がった。

なお、残念ながら地元の都合により前夜祭は中止となり、さらにみなかみ町長賞が実業団連盟賞に変更となった。

シマノ、BS、愛三はチーム総合から外れる
チーム総合優勝のかかるマトリックスパワータグ・コラテックチーム総合優勝のかかるマトリックスパワータグ・コラテック photo:Hideaki.TAKAGI今回は31チーム、166名がエントリーしている。エントリーリストでは国内上位チームが少ない。大会当日が最終日となるUCIアジアツアーのジュラジャ・マレーシアと、30日から始まるインドネシアのレースに参加しているためだ。

シマノ、BSアンカーは各1名、愛三は2名だ。いっぽうマトリックスとブリッツェンはほぼフルメンバー、さらにNIPPOも昨年の覇者、廣瀬敏(当時愛三)がこのレースに合わせてベルギーから帰国している。

優勝候補は、まずはその廣瀬だ。さらに、1名で参加だがチャレンジロードで破壊力を見せ付けた鈴木真理(シマノ)、昨年5位の中村誠(マトリックス)、真鍋和幸(NIPPO)、廣瀬佳正(ブリッツェン)も候補だ。また、昨年4位でこのレースがいわばメジャーデビューとなった松村光浩(愛三)も見逃せない。
初の公式戦となるUTSUNOMIYA BLITZEN初の公式戦となるUTSUNOMIYA BLITZEN photo:Hideaki.TAKAGIチームでは、先の基準によりシマノ、BSアンカー、愛三は総合優勝対象から外れる。マトリックス、ブリッツェン、NIPPOあたりが候補になるだろう。

ただ、どのチームも「3人目の選手」の順位が重要だ。場合によってはラバネロ、なるしまフレンド、チームマッサなども候補になる。特にラバネロは幅広く選手をそろえるので注目度大だ。

今週末の群馬CSCはイベントが目白押しだ。25日(土)午前中は、実業団のBR-1、ER、FR各クラスの群馬CSCグランプリが、午後には市民エンデューロが行われる。

26日(日)は午前中に実業団BR-1、ER、FR各クラスが、昼からTRクラスである東日本ロードがある。水上温泉や猿ヶ京温泉に泊まって参戦、観戦するのがいいだろう。

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