2011年2月19日、ツアー・オブ・オマーン(UCI2.1)の総合争いを決める第5ステージ個人タイムトライアルが行なわれ、前日の頂上ゴールを制してリーダージャージを獲得したロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)が周囲を驚かすステージ優勝。総合優勝に王手をかけた。

美しい海を横目にハイスピードで走るファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)美しい海を横目にハイスピードで走るファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック) photo:A.S.O.オマーンの首都マスカット東部に位置するアル・ジサを舞台にした個人タイムトライアル。海に近い山岳地帯に敷かれた9kmを往復する18.5kmコースで、途中標高260mのカテゴリー山岳を2回通過する。前年度よりもアップダウンが厳しいコースはTTスペシャリストたちを手こずらせた。

この日はクーン・デコルト(オランダ、スキル・シマノ)とハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・サーヴェロ)を除く124名が出場。どのチームもTTバイクを用意せず、ノーマルバイクでのスタートとなった。

地元の観客たちに見守られてレースは進む地元の観客たちに見守られてレースは進む photo:A.S.O.前日の第4ステージを終えた時点で、赤いリーダージャージを着るヘーシンクと総合2位エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)のタイム差は44秒。TT能力に秀でたボアッソンは似たコースで行なわれた前年度の個人TTで優勝しており、総合逆転に注目が集まった。

しかし長い登りを含むアップダウンコースはヘーシンクに味方した。最終走者のヘーシンクは、暫定トップに君臨していたジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)のタイムを16秒上回る29分20秒でゴール。平均スピードは37.841km/h。総合リードを奪われるどころか、ステージ優勝で更にその優位を広げた。

ステージ20位に終わったキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)ステージ20位に終わったキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ) photo:A.S.O.ステージ12位に入ったヨースト・ポストゥーマ(オランダ、レオパード・トレック)ステージ12位に入ったヨースト・ポストゥーマ(オランダ、レオパード・トレック) photo:A.S.O.リーダージャージを着て走るロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)リーダージャージを着て走るロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) photo:A.S.O.

総合リーダージャージを守ったロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)総合リーダージャージを守ったロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) photo:A.S.O.「タイムトライアルでの勝利は本当に大きな驚きだ。スタート時点の目標は、このレッドジャージを守ることだった。でもコースは予想以上に厳しくて自分向きだったんだ。ノーマルバイクという条件で走ったことも自分に味方したのだと思う。昨日のスペシャルなステージ優勝を飾った、今日レッドジャージを守って、タイムトライアルで勝つなんてファンタスティックだ。あと一日ジャージを守ってみせるよ。」

総合敢闘賞のマルコ・クンプ(スロベニア、ジェオックス・TMC)、総合首位ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)、ポイント賞エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)総合敢闘賞のマルコ・クンプ(スロベニア、ジェオックス・TMC)、総合首位ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)、ポイント賞エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) photo:A.S.O.ヘーシンクは2009年ブエルタ・ア・エスパーニャと2010年ツール・ド・フランスで総合6位に入っている今売り出し中のステージレーサー。登坂力に長けたステージレーサーとして着実に成長する24歳のヘーシンクがオマーン総合優勝に王手をかけた。

ボアッソンはステージ5位に終わり、総合首位ヘーシンクとのタイム差は1分13秒に。ステージ2位に食い込んだイタリアチャンピオンのヴィスコンティが総合3位に浮上している。

アルカンシェルを着て走った昨年の総合優勝者ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)はステージ4位。カンチェラーラは自身のTwitterで「下りで108km/hが出た。警察がスピードの取り締まりをしていなくて良かったよ」とコメントしている。

レース展開と選手コメントはレース公式サイトより。

ツアー・オブ・オマーン2011第5ステージ結果
1位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)             29'20"
2位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +16"
3位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード)            +24"
4位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)       +27"
5位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)          +29"
6位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD)           +36"
7位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)           +37"
8位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)                 +43"
9位 アルノー・ジャネソン(フランス、FDJ)                 +59"
10位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)  +1'01"

個人総合成績
1位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)           16h44'38"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)         +1'13"
3位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)+1'19"
4位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)          +1'52"
5位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)  +2'04"
6位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)      +2'11"
7位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ)         +2'13"
8位 マキシム・モンフォール(ベルギー、レオパード・トレック)       +2'19"
9位 パトリック・シンケウィッツ(ドイツ、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +2'51"
10位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)   +3'02"

ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)

新人賞
ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)

総合敢闘賞
マルコ・クンプ(スロベニア、ジェオックス・TMC)

チーム総合成績
レオパード・トレック

text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
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