2011年2月6日、スペイン・マヨルカ島でチャレンジ・マヨルカが開幕した。別府史之(レディオシャック)と土井雪広(スキル・シマノ)が出場した初日のトロフェオ・パルマは集団スプリントに持ち込まれ、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)が優勝を飾った。

出走サインに登場したレオパード・トレック出走サインに登場したレオパード・トレック photo:Cor Vos地中海に浮かぶ温暖なマヨルカ島を舞台にした第20回チャレンジ・マヨルカ。UCI(国際自転車競技連合)クラス1のワンデーレースが5つ連なった特殊なレースで、出場選手が毎日入れ替わるのが特徴だ。UCI非公認ながら、全レースに出場した選手による総合成績も争われる。

今年もレディオシャック、ガーミン・サーヴェロ、レオパード・トレック、エウスカルテル、オメガファーマ・ロット、クイックステップ、カチューシャ、ラボバンク、HTC・ハイロード、モビスターと言ったプロチームが集結。

パルマの周回コースを駆け抜けるプロトンパルマの周回コースを駆け抜けるプロトン photo:Cor Vosスキル・シマノの土井雪広はツール・ド・ランカウイからヨーロッパ帰国後すぐの出場。レディオシャックの別府史之はこのマヨルカでシーズンイン。他にもフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)やダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ)がここでシーズンをスタートさせた。

初日のトロフェオ・パルマは、バレアレス諸島自治州の州都であるパルマ市内に敷設された11.6km周回コースを10周。平坦基調のコースはスプリンター向きだ。

ラボバンクやレディオシャックがコントロールするメイン集団ラボバンクやレディオシャックがコントロールするメイン集団 photo:Cor VosUCIは世界トップカテゴリーであるワールドツアー以外のレースでの無線を禁止している。この日のスタート前には、プロチーム所属選手を中心に、無線禁止に反対する抗議が行なわれた。

スタート後すぐに飛び出したのはケニー・デハース(ベルギー、オメガファーマ・ロット)やハビエル・ラミレス(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)を含む7名。タイム差は最大3分まで広がったが、7周目でメイン集団はこの逃げを封じ込める。

集団スプリントを制したタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)集団スプリントを制したタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) photo:Cor Vos最も積極的に集団をコントロールしたのは、昨年トロフェオ・パルマを制したロビー・マキュアン(オーストラリア)擁するレディオシャック。しかし集団を完全に支配するには至らず、混戦のスプリントで飛び出したファラーが勝利した。

ツアー・ダウンアンダーでスプリントに絡めず0勝に終わったファラーにとって、これがシーズン1勝目。ガーミン・サーヴェロは今シーズン5勝目だ。その他、ツアー・ダウンアンダーやツール・ド・ランカウイで活躍した選手たちがステージ上位に名前を並べた。

表彰台、左から3位マルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ)、優勝タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)、2位フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)表彰台、左から3位マルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ)、優勝タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)、2位フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター) photo:Cor Vos今シーズン早くも2戦目の土井雪広は67位。自身のブログの中でヨーロッパ初戦をこう振り返る。「流石本場のヨーロッパのレースはランカウイとは違いました。UCIプロチームの選手たちが引き出したらスピードが半端じゃない。ここは本当のプロフェッショナルの集まりで、皆さんジェントルマン。マキュアン会長?フレイレ部長?彼らの走りは本当に美しかったです。」

集団牽引に加わったフミは98位でゴール。フミは「マキュアンが昨年このレースを制していて、それをサポートするためにチームで動いたけど、動くのが少し早すぎて、最後の直線の向かい風でうまくいかず。自分はいい感じに集団を最後牽引してチームメイトにバトンタッチして役目を終えた」とTwitterでコメントした。フミは第3戦、第4戦にも出場する予定だ。

レース展開はレース公式サイトより。


トロフェオ・パルマ結果
1位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)    2h32'24"
2位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)
3位 マルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ)
4位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
5位 クラース・ロデウィック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 オスカル・グラウ(スペイン、ブルゴス2016)
7位 フアンホセ・ロバト(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)
8位 コルド・フェルナンデス(スペイン、エウスカルテル)
9位 トニー・ギャロパン(フランス、コフィディス)
10位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ)
67位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
98位 別府史之(日本、レディオシャック)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos