イタリアのガゼッタ紙が伝えたところによると、3月23日にスペインで落車して鎖骨を骨折したランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)が、5月9日に開幕するジロ・デ・イタリアに出場する。4月16日にレース総合ディレクターのアンジェロ・ゾメニャン氏がアームストロングからジロ出場の確約を得た。

ジロ出場を発表したランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)ジロ出場を発表したランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ) photo:Cor Vosジロ開幕が41日後に迫った3月23日のブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン第1ステージで落車し、右鎖骨を粉砕骨折したアームストロング。地元オースティンで鎖骨固定手術を受けたが、完治まで数ヶ月かかると診断され、ジロ出場に赤信号が灯った、と思われた。

しかしかつてガンを克服し、ツール・ド・フランス7連覇を達成した伝説の男アームストロングは、骨は折れても心は折れない。手術後早々にトレーニングを再開したアームストロングは、シーズン序盤からのコンディションをキープ。現在はコロラドでトレーニングを続けている。

ガゼッタ紙によると、ジロを主催するRCSスポルトは、そんな闘志みなぎる37歳アームストロングからジロ出場の確約を得た。コンディションはどうあれ、アームストロングはヴェネツィアのスタートラインに並ぶのは確かだ。

ベテラン選手としては、シュヘルデプライス・フラーンデレンで激しく落車したロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)もジロをスタートする。マキュアンは幸い骨折は見つからず、脳しんとうを起こしただけ。ヘルメットは衝撃で4つに粉砕したという。マキュアンは「本当に幸運だった」とガゼッタ紙に語っている。

アームストロングに関しては、3月17日にニースの自宅で行なわれたAFLD(フランスアンチドーピング機関)のレース外ドーピング検査の手順を守らなかったとして、AFLDとの間にトラブルが発生している。

トレーニングから帰ってきたアームストロングは、AFLDの検査員を20分待たせてシャワーを浴びたが、検査を尊重する義務に反する行為であるとAFLDは主張。検査結果は陰性だったが、4月10日、AFLDはアームストロングに対して処罰を与える可能性を示唆した。

UCI(国際自転車競技連盟)やWADA(世界アンチドーピング機構)はAFLDの裁決待ちだが、AFLDの処分が決定した場合、アームストロングはフランス国内レース、つまりツール・ド・フランス出場が危ぶまれる。レキップ紙によると、UCIのパトリック・マックエイド会長はアームストロングを擁護する姿勢を見せている。

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