UCI(国際自転車競技連合)のバイオロジカルパスポートにより、ドーピング使用疑惑が発覚したフランコ・ペッリツォッティ(イタリア)が、レース復帰に向けて動き出している。ドーピング問題は完全に解決していないが、来週にもペッリツォッティは新チームとの契約を発表する見通しだ。

2009年ジロでステージ優勝を飾ったフランコ・ペッリツォッティ(イタリア)2009年ジロでステージ優勝を飾ったフランコ・ペッリツォッティ(イタリア) photo:Kei.Tsuji「フランコには2つの候補チームがある。だが、まだそのチーム名を明かすことは出来ない」。ペッリツォッティの代理人を務めるアレックス・カレーラ氏はインタビューの中でそう語った。

現在プロチームとプロコンチネンタルチームがペッリツォッティに接触しており、早ければ今週中にも契約が結ばれる。イタリア国内の報道によると、ペッリツォッティに興味を示しているプロチームはスペインのモビスター(現ケースデパーニュ)。1980年に発足し、エウセビオ・ウンスエ監督率いる伝統チームだ。

2009年ジロで総合3位に入ったフランコ・ペッリツォッティ(イタリア)2009年ジロで総合3位に入ったフランコ・ペッリツォッティ(イタリア) photo:Kei Tsuji「これまで多くのチームマネージャーと契約交渉を行なった。まだこの時点では移籍先がモビスターだと言い切ることは出来ない」。カレーラ氏は慎重な態度を崩さない。

ペッリツォッティはこれまで6年間リクイガスに所属。昨年のジロ・デ・イタリアで自身最高の総合3位という成績を残し、ツール・ド・フランスでは山岳賞に輝いた。

2009年ツールで山岳賞に輝いたフランコ・ペッリツォッティ(イタリア)2009年ツールで山岳賞に輝いたフランコ・ペッリツォッティ(イタリア) photo:Makoto Ayanoしかしペッリツォッティのチーム探しは幾分難航した。というのも、まだUCIは正式にペッリツォッティの無罪を宣言していない。

ペッリツォッティは5月1日のGPラルチャーノを最後にレース活動から身を退いている。その2日後に、UCIがバイオロジカルパスポートの血液データに基づき、ペッリツォッティに疑いの目を向けたからだ。

UCIの発表によると、バイオロジカルパスポートに記録された合計22回のドーピング検査の数値を精査した結果、3回分の検体に異常値が見つかった。その後、審議を託されたCONI(イタリア五輪委員会)は、ペッリツォッティに対して2年間の出場停止処分を要求。しかし最終的な判断を担うTNA(イタリアアンチドーピング裁決機関)は、証拠不十分として、10月21日にCONIの要求を退けた。TNAはプレスリリースの中で「罪を証明する決定的な証拠が無い」というコメントを残している。

UCIはTNAの判断を不服として、CAS(スポーツ仲裁裁判所)に上訴する可能性が高い。同時期にドーピングの疑いがもたれたタディ・ヴァリャベッチ(スロベニア)は、スロベニア自転車競技連盟によって無罪が言い渡されたが、UCIがCASに上訴したため、まだ来シーズンの所属チームが見つかっていない。仮にCASがUCIに有利な判決を下せば、ヴァリャベッチのキャリアはそこで終わる。そして同時に、ペッリツォッティの望みは絶たれる。仮に選手有利の判決が下されれば、再びバイオロジカルパスポートの在り方が問われることになる。

問題となった異常値は、血液ドーピングのような違法行為によるものではなく、高地トレーニングの結果だとペッリツォッティ本人は主張している。UCIが上訴しない限り、ペッリツォッティの罪は問われない。

「確かにフランコの血液データには他の選手と違う数値が見られたのかも知れない。だが、それが有罪を意味するわけではない。この不透明な状態は、どんな選手にとっても酷だ」。カレーラ氏は一件の早期解決を望んでいる。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji

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