10月21日、CONI(イタリア五輪委員会)はプレスリリースを出し、UCIバイオロジカル・パスポートの血液データに伴うドーピング違反で出場停止状態にあったフランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)に対し、TNA(イタリア・アンチドーピング裁決機関)が無罪を言い渡した。

シャンパンと格闘するフランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)シャンパンと格闘するフランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス) photo:Kei.TsujiUCI(国際自転車競技連合)がバイオロジカル・パスポートの血液データに基づき、ペッリツォッティのドーピング違反を明らかにしたのはジロ・デ・イタリア開幕直前の5月3日のこと。暫定的に出場停止状態に置かれたペッリツォッティは、ジロ欠場を余儀なくされた。

バイオロジカルパスポートとは、ドーピング撲滅を目指すUCIが2008年に導入したアンチドーピングプログラム。レース内外のドーピング検査(尿検査と血液検査)の結果に加え、血液サンプルの血液学的な分析結果や尿サンプルのステロイド値をデジタルデータとして蓄積し、選手たち一人一人の状態を総合的かつ継続的に監視することで、正常値と異常値の判別が可能になる。

2009年ジロ・デ・イタリア総合3位のフランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)2009年ジロ・デ・イタリア総合3位のフランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス) photo:Kei Tsujiペッリツォッティの一件を審議していたCONIの検察は、7月29日、ペッリツォッティに対して2年間の出場停止処分を要求。しかし今回、TNAは証拠不十分としてペッリツォッティの無罪を認めた。

同じくバイオロジカル・パスポートに基づくドーピング違反が疑われたタディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)に対して、すでにスロベニア自転車競技連盟は無罪を言い渡している。ヴァリャベッチはペッリツォッティに先立ち、先月レースに復帰済みだ。

6ヶ月近くに渡ってレース出場を停止していたペッリツォッティは即座にレース復帰が可能。所属するリクイガスチームはペッリツォッティを信頼し、継続的にサポートする姿勢を見せていた。

ガゼッタ紙によると、ペッリツォッティはUCIに対して損害賠償を求める方針。一方、今回のTNAの判断に対してUCIは正式なアナウンスを行なっていない。今後UCIがCAS(スポーツ仲裁裁判所)に提訴するかに注目が集まる。

text&photo:Kei Tsuji

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