「絶対に勝つ」 最終周回に畑中勇介(シマノレーシング)は、全開で先頭を引き終えた阿部嵩之(シマノレーシング)にそう声をかけてゴールへの独走を開始した。畑中はリーダージャージを着ての圧勝で、今シーズンのJサイクルツアーを終えた。

大本山総持寺祖院前をパレードスタート大本山総持寺祖院前をパレードスタート photo:Hideaki.TAKAGI10月17日、石川県輪島市門前町でJサイクルツアー第16戦サイクルロードレースin輪島が行われた。震災復興を願って始まった輪島ロードは今年で3回目、地元の温かいもてなしが心にしみる大会だ。

3月21日の熊谷クリテに始まった今年の実業団Jサイクルツアーもこの輪島ロードで最終戦。全16戦のうちここまでシマノが8勝と断然の強さを見せる。リーダーは個人は畑中が、チームはシマノレーシングですでに決まっている。

この輪島ロードのコースは厳しい。1周12.6kmで上りが2箇所。一つ目は8%ほどの急勾配の林間を抜けるもの、もうひとつは5%ほどのやや緩めの直線状で見晴らしの良いもの。その間にはテクニカルな下りもある。TRはここを7周走る88.6km。


FR 1周目の先頭FR 1周目の先頭 photo:Hideaki.TAKAGIFRは序盤から星川恵利奈(湘南ベルマーレ コムレイド)、森田正美(チームブリヂストン・アンカーFR)、吉井玲香(Vitesse-DIA-COMPE-Feminin)の3人に。2周目前半ののぼりで星川がペースを上げて独走。森田らを振り切って優勝。

BR-1も積極的に逃げる展開となり、小集団から抜け出した篠崎友(MUUR ZERO)が優勝。

ERは1周目前半ののぼりで3人が抜け出し、後半の上りで吉村拓斗(DOKYUレーシングクラブ)が独走開始。そのまま30kmを逃げ切って優勝。

BR-1 篠崎友(MUUR ZERO)が優勝BR-1 篠崎友(MUUR ZERO)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGIER 吉村拓斗(DOKYUレーシングクラブ)が優勝ER 吉村拓斗(DOKYUレーシングクラブ)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI


TR
2周目後半、阿部嵩之(シマノレーシング)が再びアタックで独走2周目後半、阿部嵩之(シマノレーシング)が再びアタックで独走 photo:Hideaki.TAKAGITRは門前町内をパレードしてからスタート。リアルスタートが切られると同時に阿部嵩之(シマノレーシング)が平地のスプリントのようなスピードでアタック。これに反応できたのは福島晋一(クムサン・ジンセン・アジア)だけ。数人が追うも届かない。

2周目に入り狩野智也(チームブリヂストン・アンカー)らがペースを上げて先行の2人を捕らえる。が1kmほどで再び阿部がアタック。狩野らも追うが、ダウンヒルのスペシャリストでもある阿部が下りで引き離して単独アタックに成功する。阿部はここから55kmにわたって独走、他チームを苦しめることに。
6周目前半、畑中勇介(シマノレーシング)と伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)がリード6周目前半、畑中勇介(シマノレーシング)と伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)がリード photo:Hideaki.TAKAGI独走を続ける阿部に、メイン集団は最大2分差をつけられる。メイン集団内でもアタックがかかりのぼりを中心にペースが上がる。これによりメイン集団は序盤から20名ほどになる。

5周目から本格的なアタックがかかる。前半の上りで小坂光(宇都宮ブリッツェン)が中心となり狩野も加わりペースアップ、集団はさらに絞られて、いっぽうで阿部とのタイム差も縮まる。福島晋一(クムサン・ジンセン・アジア)らがアタックするが吸収、集団は不安定になる。

6周目後半、畑中勇介(シマノレーシング)が前方の阿部嵩之(シマノレーシング)に向けてアタック6周目後半、畑中勇介(シマノレーシング)が前方の阿部嵩之(シマノレーシング)に向けてアタック photo:Hideaki.TAKAGI6周目に入ってすぐに伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)がアタック、これに畑中勇介(シマノレーシング)が合流。平塚吉光(シマノレーシング)らが追いつきかけるが、ふたたび伊丹と畑中が抜け出して2人で先行する阿部を追走。後半の上り頂上手前で畑中がアタック、伊丹を置き去りにして阿部と合流、最終周回へ向かう。

この下りと平地を阿部は全開で畑中を引っ張り、そして最終周回に入ってすぐに畑中が単独前に出る。畑中はペースを全く落とさずその後をこなしてゴール。最終戦をリーダージャージを着て圧勝という最高の形で締めくくった。

6周目後半、阿部嵩之(シマノレーシング)が高速で畑中勇介(シマノレーシング)を引く最後の仕事6周目後半、阿部嵩之(シマノレーシング)が高速で畑中勇介(シマノレーシング)を引く最後の仕事 photo:Hideaki.TAKAGI2位にはスプリントで抜け出した中村誠(宇都宮ブリッツェン)が入った。

畑中と阿部の強さが際立つレースだった。畑中優勝の立役者はもちろん阿部。今シーズンはオランダでレース活動して、国内戦は全日本、みやだ、いわき、そしてこの輪島の4戦だけだったが、いずれのレースでも驚異の逃げを披露。この輪島では阿部一人に対して、各チームのアシストがほとんど脱落、集団の数も絞られていく圧倒的な独走力を見せた。

7周目前半、畑中勇介(シマノレーシング)がゴールへ向けて独走開始7周目前半、畑中勇介(シマノレーシング)がゴールへ向けて独走開始 photo:Hideaki.TAKAGI畑中は絞られた先頭集団から単独での抜け出しに成功。さらに伊丹との戦いでも3人で走る安全策をとらずに、単独抜け出す力勝負に出た。「第1回大会で優勝した土井さんの独走のイメージが頭にあった」と言う畑中。そのとおりの走りを実現した。

ヒーローインタビューを求められた畑中は、即座に最も勝利に貢献した阿部を誘って2人でインタビュー会場へ向かった。

優勝の畑中勇介
「成長したかなと思うが課題もたくさんある」

畑中勇介(シマノレーシング)が優勝畑中勇介(シマノレーシング)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI最終戦をリーダージャージを着て、チーム戦で勝てて嬉しいです。やはりアベタカ選手が力を発揮してそれがチームとしての勝因。彼が捕まると思われた終盤は、逆にシマノレーシングが絶対に勝たないといけないプレッシャーがありました。終盤は3人で行くよりも伊丹選手を置いていったほうがいいと判断。アベタカ選手のおかげでボクの力がかなり残っていたことも大きいです。

1年間でここまでこれて、いい形で締めくくれて嬉しいです。昨年このレースは4位でした。先輩方が移籍や引退で戦力ダウンと言われたことが悔しかった。この結果が出せてボクも嬉しいです。自分にはまだまだ課題がたくさんあります。もしアベタカ選手が敵チームだったらとか思うし、北海道やTOJなどもっと厳しいレースで今年は結果を出せていない。

今年の初めは、このリーダージャージを着ることが目標だったけれども、いまはそれをクリアーしてジャパンカップなどの大きなレースを目指そうと思えてる自分が、成長したかなと自分でも思えます。

70kmを逃げた阿部嵩之
「今日は勝ちたかったけれど、これからも逃げ続ける」

TR山岳賞表彰TR山岳賞表彰 photo:Hideaki.TAKAGIもちろん逃げ切りを狙って逃げ続けました。だからこの結果に悔しい部分はある。自分のペースで走れればいいと思うが、集団にいたらわからなかった。でもあまり集団にいたことはないけれど(どのレースでも逃げるので)。

2年前の第1回大会は7人ほどの逃げで走りました。当時はDOKYUレーシングで。実はすでにシマノに内定してたのですが。やはり今日は勝ちたかったです。でも終盤に畑中さんと一緒に走って、最後に「絶対に勝つ」とボクに言って走っていきました。ボクは「お願いします」と言いましたよ。それで勝ったのでこれはこれで良かったと思います。これからオランダでも国内でも逃げ続けて、それがゴールまで届くことを目標にします。


TR年間総合表彰個人TR年間総合表彰個人 photo:Hideaki.TAKAGITR年間総合表彰チームTR年間総合表彰チーム photo:Hideaki.TAKAGI


結果
TR 88.6km
1位 畑中勇介(シマノレーシング)    2時間35分04秒
2位 中村誠(宇都宮ブリッツェン)      +1分05秒
3位 五十嵐丈士(クムサン・ジンセン・アジア)+1分06秒
4位 鈴木真理(シマノレーシング)      +1分07秒
5位 平塚吉光(シマノレーシング)
6位 狩野智也(チームブリヂストン・アンカー)+1分08秒
7位 福島晋一(クムサン・ジンセン・アジア) +1分26秒
8位 井上和郎(TEAM NIPPO)        +1分27秒
9位 阿部嵩之(シマノレーシング)      +2分52秒
10位 伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)+3分14秒

FR 25.6km
1位 星川恵利奈(湘南ベルマーレ コムレイド)  51分54秒
2位 森田正美(チームブリヂストン・アンカーFR)  +32秒
3位 吉井玲香(Vitesse-DIA-COMPE-Feminin)   +1分19秒

BR-1 50.8km
1位 篠崎友(MUUR ZERO)         1時間28分45秒
2位 矢部周作(クラブシルベスト)          +03秒
3位 菅野正明(竹芝サイクルレーシング)       +22秒
4位 佐々木英雄(Tacurino.net)          +1分03秒
5位 ザック・レイノルズ(equipe Campionissimo) +1分12秒
6位 村田隆(快レーシング)

ER 38.2km
1位 吉村拓斗(DOKYUレーシングクラブ)   1時間08分51秒
2位 伊藤雄哉(DOKYUレーシングクラブ)       +17秒
3位 谷内田涼(バルバクラブ)            +18秒
4位 菱沼由季典(EsperanceStage我逢人)
5位 斎藤光一(F(t) 麒麟山Racing)          +20秒
6位 山口博久(ACQUA TAMA)

Jサイクルツアー個人ランキング
1位 畑中勇介(シマノレーシング)       1290点
2位 平塚吉光(シマノレーシング)       771点
3位 鈴木真理(シマノレーシング)       522点
4位 狩野智也(チームブリヂストン・アンカー) 465点
5位 佐野淳哉(TEAM NIPPO)         460点
6位 中村誠(宇都宮ブリッツェン)       417点
7位 村上純平(シマノレーシング)       412点
8位 鈴木譲(シマノレーシング)        386点
9位 森本誠(イナーメ・アイランド信濃山形-TR) 381点
10位 福島晋一(クムサン・ジンセン・アジア)  340点

Jサイクルツアーチームランキング
1位 シマノレーシング            3277点
2位 TEAM NIPPO              1331点
3位 宇都宮ブリッツェン           1171点
4位 チームブリヂストン・アンカー      1062点
5位 マトリックスパワータグ・コラテック   748点
6位 イナーメ・アイランド信濃山形-TR     498点
7位 パールイズミ・スミタ・ラバネロ     420点
8位 湘南ベルマーレ             408点
9位 愛三工業レーシングチーム        384点
10位 MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS 338点

photo&text:高木秀彰
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