2010年10月17日、Jサイクルツアー最終戦サイクルロードレースin輪島が石川県輪島市門前町で開催された。レースはルビーレッドジャージを着る畑中勇介選手(シマノレーシング)が貫禄の独走勝利でツアー4勝目。年間総合王者に輝いた。

門前町をパレードスタートする集団門前町をパレードスタートする集団 photo:Hideaki Takagi素晴らしい独走力でレースの8割をリードした阿部嵩之(シマノレーシング)素晴らしい独走力でレースの8割をリードした阿部嵩之(シマノレーシング) photo:Hideaki Takagi
年間王者の貫禄を見せ独走勝利した畑中勇介(シマノレーシング)年間王者の貫禄を見せ独走勝利した畑中勇介(シマノレーシング) photo:Hideaki Takagi

2007年の能登半島地震で、大きな被害が出た石川県輪島市門前町。復興のへの思いをこめて始まったこの輪島大会は、地元の方々の協力を得て開催されている。会場に流れる穏やかな空気の中、急勾配の山道を含む88.6kmの厳しいレースがスタートした。

レースは門前町の街中をパレード走行した後、早々に今大会最大の難所である最初の登りに差し掛かる。ここでファーストアタックを仕掛けたのはシマノレーシングの阿部嵩之選手。ゴールと見間違えるような全力のアタックに、反応できたのは福島晋一選手(クムサンジンセンアジア)だけ。

いきなり出来た2人の実力者から構成される逃げに、集団は早めにこの逃げをつぶそうとペースアップを図る。その動きにより、メイングループは早くも20名程に絞られた。いったん吸収されたかに見えた2選手であったが、その瞬間さらに阿部選手が単独アタックを仕掛け逃げ続ける。

最後の1周に入る数キロ前、後続集団の中からツアーリーダーであり今シーズン3勝を上げている畑中勇介選手が単独合流。最後の1周に入り、疲れを見せた阿部に代わり独走を始める。結局この逃げは決定的なものとなり畑中選手がツアー4勝目を上げ、ツアー王者に相応しい力を見せ付けた。2位争いは5名の混戦の中から抜け出した地元石川県出身、中村誠選手(宇都宮ブリッツェン)が先着した。

この結果により、2010年ジャパンサイクルツアー王者の証であるルビーレッドジャージは畑中勇介選手(シマノレーシング)の手に、26歳以下最高位ピュアホワイトジャージは平塚吉光選手(シマノレーシング)、年間団体総合優勝チームはシマノレーシングが獲得した。

●優勝した畑中勇介選手(シマノレーシング)のコメント

「調子も良く勝ちを狙っていました。チームメート、阿部の走りが強力で落ち着いてレースを進めることが出来ました。簡単ではありませんでしたが、一つ一つのレースを集中して走り、目標としていたツアー優勝ができ嬉しいです。しかしまだまだ課題はあります。これに満足せずに前進していきたいです。」

●2位の中村誠選手(宇都宮ブリッツェン)のコメント

「生まれ育った地元での勝利を目指していたので悔しいです。しかし、辛い場面でアタックを仕掛けるシマノの走りはさすが。万全でない今の体調では、この結果が精一杯でした。また次の目標に向けがんばります。」

●逃げ続けた阿部嵩之選手のコメント

「勝利に貢献できて嬉しいです。しかし、勝ちを狙っての逃げだったので満足はできません。更なる力を手に入れたい。」


Jサイクルツアー2010第16戦サイクルロードレースin輪島
TR結果
1位 畑中勇介(シマノレーシング)      2h35'04"
2位 中村誠(宇都宮ブリッツェン)       +1'05"
3位 五十嵐丈士(クムサン・ジンセン・アジア) +1'06"
4位 鈴木真理(シマノレーシング)       +1'07"
5位 平塚吉光(シマノレーシング)
6位 狩野智也(チームブリヂストン・アンカー) +1'08"
7位 福島晋一(クムサン・ジンセン・アジア)  +1'26"
8位 井上和郎(TEAM NIPPO)         +1'27"
9位 阿部嵩之(シマノレーシング)       +2'52"

詳しくは後ほどホットニュースでお届けします。

photo:高木秀彰
text:全日本実業団自転車競技連盟 広報委員

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