ベルギーチームのエースを担うフィリップ・ジルベールは意気揚々としている。オーストラリア・メルボルンで開催されるロード世界選手権のコースを下見したジルベールは、笑みを浮かべながら報道陣にコースの印象を語った。「コースレイアウトが気にいった。完全に自分向きのコースだ」。

ブエルタでステージ2勝を飾ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)ブエルタでステージ2勝を飾ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) photo:Cor Vos「コースレイアウト的に、上りでアタックして独走に持ち込む必要が無いと感じた。小集団のスプリント勝負でチャンスが回ってくると予想している。コースを試走して自信を得たよ。プレッシャーも少し和らいだ」。

ジルベールを含むベルギーチームは、メイン会場ジーロングの南方に位置するトーキーのホテルに宿泊している。トーキーの南に広がるのは果てしない大洋だ。ジルベールはB100号線を北上し、“お気に入り”のジーロング15.9km周回コースの試走に出かけた。

ブエルタでマイヨロホを5日間着たフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)ブエルタでマイヨロホを5日間着たフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) photo:Unipublicざっくりと見ると、周回コースには2つの上りがある。1つ目は比較的長い上り。ジーロングの街を見下ろす小高い丘を越えてから一旦下り、テクニカルな橋を通過して2つ目の上りに差し掛かる。「スピードが落ちた状態で2つ目の上り口に突っ込むことになる。頂上を越える頃には、集団はバラバラになっているはず」。

この2つ目の上りの頂上はゴールから5.9kmしか離れていない。近年の世界選コースの中では比較的難易度が低いとは言え、上りを含む周回コースを11周するのだから決してイージーとは言えない。

昨年のロード世界選手権 上りでアタックを仕掛けるフィリップ・ジルベール(ベルギー)昨年のロード世界選手権 上りでアタックを仕掛けるフィリップ・ジルベール(ベルギー) photo:Cor Vosジルベールは、大集団のスプリント勝負でマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が勝つような展開には持ち込まれないと予想する。フィリッポ・ポッツァート(イタリア)やジルベールのようなアタッカー向きのコースだと断言する。

ロード世界選に向けて、ジルベールはスペインのブエルタ・ア・エスパーニャで調整を続けてきた。そこでジルベールは見事な走りでステージ2勝。ブエルタ後はベルギーに帰国し、世界選を模した疑似周回コースでトレーニングを積んだ。

ジルベールは木曜日(9月23日)にオーストラリアに渡り、トレーニングを続行。イギリスチームと同様に、ベルギーチームは日曜日(9月26日)のヘラルドサン・クラシックをパスした。同レースはポッツァートが優勝。ファビアン・カンチェラーラ(スイス)が4位に入っている。

「充分にトレーニングを積んでいるので、調整レースに出場する必要は無い。今日(9月27日)は200km走った。水曜日(9月29日)もロングトレーニングを予定している。最初の150kmを集団で走り、そして残りの50kmをカーペーサーで走る予定」。

「レース(ヘラルドサン・クラシック)の後、フィリッポ(ポッツァート)にSMSを送ったんだ。『これで君たちのチーム(イタリアチーム)がレースをコントロールせざるを得なくなるね』ってね。そう、これは心理戦だ。彼らは我々にプレッシャーを与えようとしているし、逆に我々も彼らにプレッシャーを与えようとしている」。

ベルギーチームとイタリアチームの心理戦は、アルカンシェルを懸けた日曜日(10月3日)のエリートレースまで続く。ロード世界選手権は水曜日(9月29日)に開幕。U23&エリート女子の個人タイムトライアルを皮切りに、5日間の闘いが繰り広げられる。

text:Gregor Brown in Geelong, Australia
translation:Kei Tsuji