トレック・リブストロングU23チームに所属し、今年からレディオシャックのスタジエール(研修生)として走っていたタイラー・フィニー(アメリカ)の注目の移籍先が発表された。2011年からフィニーはアメリカのBMCレーシングチームの一員として走る。チームの公式サイトが伝えた。

個人タイムトライアルで強さを発揮するタイラー・フィニー(アメリカ)個人タイムトライアルで強さを発揮するタイラー・フィニー(アメリカ) photo:Cor Vos現在20歳のタイラー・フィニーは、過去にツール・ド・フランスでステージ2勝した名選手デーヴィスを父に、ロサンゼルス五輪ロードレース金メダリストのコニーを母にもつ生粋のサラブレッドだ。

身長193cm・体重82kgという恵まれた体格を活かし、その血統に見合った走りでジュニア時代からロードレースとトラックレースで頭角を現した。特にそのタイムトライアル能力は折り紙付き。2009年から2年連続でトラック世界選手権個人追い抜きで優勝した。

2010年レディオシャックのスタジエールとしてプロレースに出場したタイラー・フィニー(アメリカ)2010年レディオシャックのスタジエールとしてプロレースに出場したタイラー・フィニー(アメリカ) photo:Cor Vos2008年からランス・アームストロング(アメリカ)が立ち上げたトレック・リブストロングU23チームに所属し、今年パリ〜ルーベのエスポワール(U23)レースで2連覇を達成。その他、個人タイムトライアルやプロローグで勝利を重ねている。先日アメリカで行なわれた全米選手権個人タイムトライアルでは、リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)を僅差で破って初優勝した。

今年からレディオシャックのスタジエールとして走っていたフィニー。しかしチームの将来性に不安が残るとしてレディオシャックと契約せず、2011年にプロツアー入りを目指すBMCレーシングチームとの契約を発表した。

2010年トラック世界選手権の個人追い抜きで連覇を達成したタイラー・フィニー(アメリカ)2010年トラック世界選手権の個人追い抜きで連覇を達成したタイラー・フィニー(アメリカ) photo:Cor Vos将来を嘱望される注目のフィニーが、現世界チャンピオンのカデル・エヴァンス(オーストラリア)やジョージ・ヒンカピー(アメリカ)、アレッサンドロ・バッラン(イタリア)らと走る。BMCレーシングチームでも継続的にロードとトラックを両立する予定だ。

現在BMCレーシングチームの代表を務めるのはジム・オショウィッツ氏。かつてフィニーの父デーヴィスが所属していたセブンイレブンチームの監督だった人物だ。

2010年トラック世界選手権の個人追い抜きで連覇を達成したタイラー・フィニー(アメリカ)2010年トラック世界選手権の個人追い抜きで連覇を達成したタイラー・フィニー(アメリカ) photo:Cor Vosオショウィッツ氏はプレスリリースの中で「世界で最も才能にあふれた選手と闘う素晴らしいチャンスを得た。タイラーはトラックでの目標を持ちながら、必要な経験を積むためにロードレースにも出場する。すでに成功しているチームメイトたちが彼をサポートする」と語っている。

フィニー本人は「オショウィッツ氏が家に訪ねてきた時、彼とBMCレーシングチームのプログラムに感銘を受けたんだ。チームにはエヴァンスやヒンカピー、バッランのようなベテラン選手と若手選手が上手くミックスされている。自分にぴったりだと思った。それに、BMCはスピードあるバイクを作っている。彼らがどんなトラックバイクを用意するか楽しみだ」とリリースの中でコメント。フィニーはオーストラリアで開催されるロード世界選手権にアメリカ代表メンバーとしてU23レースに出場予定。ロードレースと個人タイムトライアルでの走りに注目が集まる。

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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