今大会最長216.5kmの第1ステージは、序盤の4人の逃げを吸収した集団でのゴールスプリントとなり、パク・スンベク(大韓民国チーム)が先行した宮澤崇史(TEAM NIPPO)をかわして優勝。総合でもトップに立った。

110km地点、12分差のメイン集団110km地点、12分差のメイン集団 photo:Hideaki.TAKAGI9月17日(金)、第1ステージが北斗市から寿都町までの216.5kmで行われた。距離も長いがコースはおよそフラットに近い。最大の敵は風。北西の風、すなわちやや海側からの風が吹き、片側車線だけを使うレースへどう影響するか注目された。


110km地点、逃げる3人、奥尻島を望む110km地点、逃げる3人、奥尻島を望む photo:Hideaki.TAKAGI9時30分、19チーム94名の選手がスタート。リアルスタート直後からアタックがかかり3km地点で逃げが決まる。ジャン・キュング(大韓民国チーム)、フェン・チュンカイ(アクションサイクリングチーム)、廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)、高宮正嗣(鹿屋体育大学)の4人だ。まず一つ目のポイント、中山峠のKOMはジャンがスピードアップしてフェンが取る。このペースアップで高宮が離れる。上りでずっと時速35kmだったという。

メイン集団は、リーダージャージの西谷泰治を擁する愛三工業レーシングチームがコントロール。差は次第に広がり最大12分まで広がる。120km過ぎてからようやくメイン集団がペースを上げていく。先頭からは廣瀬が下がり、そしてフェンも下がるが、ジャンがただ一人残って逃げ続ける。このジャンの逃げは強く、メイン集団は予想外に差を詰められない。

宮澤崇史(TEAM NIPPO)が先行する宮澤崇史(TEAM NIPPO)が先行する photo:Hideaki.TAKAGI残り30km地点でようやくジャンを吸収すると今度は各チームのアタック合戦。リーダージャージの西谷自身も動き回る。しかしいずれも決定的な逃げにはならず最後は大集団のままゴールへ。

ラストの直線、宮澤崇史(TEAM NIPPO)が先行するとパク・スンベク(大韓民国チーム)はその番手に入る。宮澤が左に振り向いたときに、右からパクが抜きにかかり、ライン前でかわして優勝。

優勝したパク・スンベク(大韓民国チーム)のコメント
「(2位の)宮澤選手とは去年チームメイト。練習で勝ったこともあったので自信はあった。宮澤選手から昨年にたくさんのことを教わった。ゴール前100m以外では友達です(笑)。自分は明日の山岳ステージは苦手なので、最終日のクリテリウムで頑張りたい」

「仕掛けが早すぎた」宮澤崇史(TEAM NIPPO)「仕掛けが早すぎた」宮澤崇史(TEAM NIPPO) photo:Hideaki.TAKAGI風の影響が心配されたが、序盤から逃げができたためメイン集団は落ち着いたペースとなり、予想外の大集団ゴールとなった。

そしてこの2日間、韓国、台湾のチームが頑張っている。特に今日逃げたジャンは、日本選手の誰もが驚くほどの強い粘りを見せた。

第2ステージは山岳・アップダウンの厳しさがすでに選手間に知れ渡っている。リーダーチームの韓国は、ゴン・ヒョスクという山岳の切り札を擁している。そしてジャンも強力。日本チームはどう戦うのか、佐野、狩野は逃げるのかそれとも波状攻撃を仕掛けるのか、注目だ。



結果
第1ステージ
1位 パク・スンベク(大韓民国チーム)5時間30分05秒
2位 宮澤崇史(TEAM NIPPO)
3位 シアオ・シーシン(アクションサイクリングチーム)
4位 鈴木真理(シマノレーシング)
5位 清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)
6位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
7位 奈良基(クムサン・ジンセン・アジア)
8位 グレゴール・ガズボダ(ARBO-KTM-ゲブリューデルヴァイス)
9位 辻善光(宇都宮ブリッツェン)
10位 小坂光(宇都宮ブリッツェン)

個人総合時間賞
1位 パク・スンベク(大韓民国チーム)5時間30分49秒
2位 宮澤崇史(TEAM NIPPO)+03秒
3位 シアオ・シーシン(アクションサイクリングチーム)+05秒
4位 ジャン・キュング(大韓民国チーム)+08秒
5位 フェン・チュンカイ(アクションサイクリングチーム)
6位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)+09秒
7位 辻善光(宇都宮ブリッツェン)
8位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
9位 畑中勇介(シマノレーシング)
10位 吉田隼人(鹿屋体育大学)

個人総合ポイント賞
1位 パク・スンベク(大韓民国チーム)30点
2位 宮澤崇史(TEAM NIPPO)25点
3位 シアオ・シーシン(アクションサイクリングチーム)25点

個人総合山岳賞
1位 フェン・チュンカイ(アクションサイクリングチーム)5点
2位 ジャン・キュング(大韓民国チーム)3点
3位 廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)2点

団体総合時間賞
1位 愛三工業レーシングチーム 16時間30分15秒
2位 TEAM NIPPO +03秒
3位 アクションサイクリングチーム +04秒

U23個人総合時間賞
1位 吉田隼人(鹿屋体育大学)

photo&text:高木秀彰

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