10月3日にオーストラリア・ジーロングで開催されるロード世界選手権に出場するイタリアチームが代表メンバーを発表した。チームキャプテンはフィリッポ・ポッツァート(カチューシャ)。好調のヴィンチェンツォ・ニーバリ(リクイガス)もメンバー入りした。

FCI(イタリア自転車競技連盟)とパオロ・ベッティーニ新監督はローマで記者会見を開き、メンバー9名を発表。リザーブを含め、11名がオーストラリアに飛ぶ。2008年に世界チャンピオンに輝いたアレッサンドロ・バッラン(BMCレーシングチーム)は入っていない。

ロード世界選手権イタリア代表チーム
フィリッポ・ポッツァート(カチューシャ)
ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(ISD・ネーリ)
ヴィンチェンツォ・ニーバリ(リクイガス)
ダニエル・オス(リクイガス)
ルーカ・パオリーニ(アックア・エ・サポーネ)
フランチェスコ・ガヴァッツィ(ランプレ)
マルツィオ・ブルセギン(ケースデパーニュ)
マッテーオ・トザット(クイックステップ)
マルコ・ピノッティ(チームHTC・コロンビア)

イタリア代表チーム・リザーブ
リナルド・ノチェンティーニ(アージェードゥーゼル)
アンドレア・トンティ(カルミオオーロ・NGC)

開催中のブエルタで総合2位につけるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)開催中のブエルタで総合2位につけるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) photo:Cor Vosニーバリは現在ブエルタ・ア・エスパーニャに出場中で、第2休息日の時点で総合2位につけている。ブエルタは日曜日にマドリードで閉幕。その後、直ちにオーストラリアに飛ぶ予定だ。

ニーバリは昨年のツール・ド・フランスで総合7位という成績を残し、今年のジロ・デ・イタリアではイヴァン・バッソ(イタリア)の総合優勝を影で支えながら総合3位。3週間の闘いの中でマリアローザに袖を通し、ステージ優勝を飾る活躍だった。

ジロ・デ・イタリアでステージ優勝を飾ったフィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)ジロ・デ・イタリアでステージ優勝を飾ったフィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ) photo:Kei Tsuji今年ジーロングで開催されるロード世界選手権で、ニーバリは代表デビューを飾る。ニーバリは2007年のシュトゥットガルト大会でも代表メンバーに選ばれたが、リザーブとしてベッティーニの大会連覇をベンチで見届けただけだった。

先月ベッティーニ監督はジーロングのコースを視察した。コース全長は262.7kmで、序盤はメルボルンとジーロングを繋ぐ85kmのフラット区間。そしてジーロングに敷設された1周15.9kmの周回コースを11周してゴールを迎える。周回コースには上りが2カ所設定されているが、スプリンターにもチャンス有り。または上りで飛び出したアタッカーによる勝負になると予想されている。

イタリアのパオロ・ベッティーニ代表監督と話し込むジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)イタリアのパオロ・ベッティーニ代表監督と話し込むジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ) photo:Riccardo Scanferlaステージレーサーとして名を馳せるニーバリだが、ワンデークラシックも得意分野の一つ。ニーバリは2006年のGP西フランス・プルエー(UCIプロツアー)で優勝を飾っている。アタックでライバルチームを崩してくるだろう。

「ヴィンチェンツォ(ニーバリ)はとてつもない力を秘めた選手だ。260kmを超えるレースで真価を発揮すると思う。そしてプレッシャーを力に変換する術を知っている。彼とプレッシャーを共有して闘いたい」。チームキャプテンに選ばれたポッツァートはそう語っている。

ニーバリの他にも、2名が今年のロード世界選手権でイタリア代表デビューを飾る。ガヴァッツィとオスだ。代わりにベッティーニ監督は、2006年の世界チャンピオンであるバッランら、何名かの経験者をメンバーから外した。

バッランは今年ツール・ド・フランスでカデル・エヴァンス(オーストラリア)をサポート。先週カナダで開催されたプロツアー2レース(GPケベックGPモンレアル)でトップ10フィニッシュしている。バッランのチームメイトであるマウロ・サンタンブロジオもメンバーに選ばれていない。しかし間違いなく現在イタリアの新たなヒーローはニーバリだ。

ベッティーニ率いるイタリアチームは大きな期待を背負ってオーストラリアに乗り込む。1927年の第1回大会でアルフレード・ビンダを優勝に導いたイタリアチームは、それ以降19名のチャンピオンを輩出してきた。ここ10年間で4度の優勝を果たしている(2002年チポッリーニ、2006年&2007年ベッティーニ、2008年バッラン)。

最多9名で出場するイタリアチームに対し、人数の面で劣るのがフランスやルクセンブルク、イギリス、スウェーデン。ブエルタでステージ2勝を飾り、ロード世界選手権での活躍が期待されるマーク・カヴェンディッシュ(チームHTC・コロンビア)のイギリスチームは3名での出場。デーヴィット・ミラー(ガーミン・トランジションズ)とジェレミー・ハント(サーヴェロ・テストチーム)が代表メンバーに選ばれている。

なお、今年のロード世界選手権では、UCIのルールに則り、エリートレースを含めた全てのカテゴリーで送受信が可能な無線機の使用が禁止される。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji

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