2010年8月19日、ツール・デュ・リムザン(UCI2.1)第3ステージが行なわれ、ラスト700mでアタックを成功させたアレクサンドル・ボチャロフ(ロシア、カチューシャ)が迫り来るスプリンターたちを振り切って勝利。グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク)が総合首位を守った。

ステージ優勝を飾ったアレクサンドル・ボチャロフ(ロシア、カチューシャ)ステージ優勝を飾ったアレクサンドル・ボチャロフ(ロシア、カチューシャ) photo:katushateam.com第3ステージは2級山岳が3つと1級山岳が1つ設定された起伏に富んだ191.5kmで行なわれた。終盤にかけて2つの2級山岳が連続し、しかもラスト2kmで高低差80mを駆け上がる上り基調のゴールが設定されている。

レースは序盤から激しいアタック合戦が繰り広げられ、レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コフィディス)やギヨーム・ボナフォン(フランス、アージェードゥーゼル)ら5名が逃げグループを形成。しかしタイム差は3分以上に広がらなかった。

終盤にかけてシルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)やピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)が先頭グループに合流する動きを見せたが、メイン集団はラスト2kmで全ての逃げを封じ込めた。

ラスト1kmを切ってからゴールに至る上りでアタックを仕掛けたのはカチューシャのボチャロフ。ロメン・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)らが懸命に追ったがその差は縮まらず、後続を振り切ったボチャロフが優勝を飾った。

ボチャロフは身長164cmの小柄なクライマー。ツール・ド・フランスでは3回総合トップ10位台でフィニッシュしている。

2008年のツール・メディテラネアン以来の勝利を飾ったボチャロフは「この瞬間を待ち続けていたんだ。今日は上りが多くて複雑なレースだった。最後の上りは自分向きだったので、ラスト2kmの時点でチームメイトのエフゲニー・ペトロフにアタックする胸を伝えたんだ。チームメイトのおかげで、一発でアタックを成功させることが出来たよ。飛び出してからはひたすらゴールに向かって全力で走り続けた(チーム公式サイト)」と語っている。

総合首位のラーションは6秒遅れの集団内でゴールし、リーダージャージを堅守。ラーションは総合優勝に王手をかけた。新城幸也(Bboxブイグテレコム)はトップから3分21秒遅れの81位でゴールしている。

ツール・デュ・リムザン2010第3ステージ結果
1位 アレクサンドル・ボチャロフ(ロシア、カチューシャ)     4h38'04"
2位 ロメン・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)
3位 ジュリアン・ルベ(フランス、アージェードゥーゼル)
4位 シャビエル・フロレンシオ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)
5位 ヘールト・フェルヘーイェン(ベルギー、ランドバウクレジット)
6位 マチュー・ペルジェ(フランス、ケースデパーニュ)        +06"
7位 クリストフ・モロー(フランス、ケースデパーニュ)
8位 セルジュ・パウエルス(ベルギー、チームスカイ)
9位 デニス・ファンウィンデン(オランダ、ラボバンク)
10位 エゴール・シリン(ロシア、カチューシャ)
81位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)             +3'21"

個人総合成績
1位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク) 10h14'29"
2位 セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ、ラボバンク)     +20"
3位 ニコラ・ヴォゴンディ(フランス、Bboxブイグテレコム)      +43"
4位 ミカエル・モルコフ(デンマーク、サクソバンク)        +1'23"
5位 クリストフ・モロー(フランス、ケースデパーニュ)       +1'31"
6位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)    +1'44"
7位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)    +1'45"
8位 ダリオダヴィデ・チオーニ(イタリア、チームスカイ)      +1'50"
9位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)      +1'51"
10位 デミトリ・フォフォノフ(カザフスタン、アスタナ)       +2'18"

text:Kei Tsuji