来シーズン、エウセビオ・ウンスエ監督率いるスペインチームは「チーム・モビスター」として活動する。今シーズン限りでスポンサーを撤退するケースデパーニュ社に代わって、スペインの大手通信会社テレフォニカ社がスポンサーにつくことが決まった。

来シーズンからチーム・モビスターとして活動するケースデパーニュ来シーズンからチーム・モビスターとして活動するケースデパーニュ photo:Kei Tsujiケースデパーニュの公式アナウンスによると、2005年からチームをサポートし、今シーズン限りでスポンサー活動を終了するケースデパーニュ社の後釜として、スペインのテレフォニカ社がメインスポンサーにつく。チーム名は「チーム・モビスター」。

1980年にレイノルズチーム(〜1989年)として発足した同チームは、これまでバネスト(1990〜2003年)、イリュスバレアレス・バネスト(2004〜2005年)、イリュスバレアレス・ケースデパーニュ(2005〜2006年)、ケースデパーニュ(2007年〜)として活動。

チームカーに乗るウンスエ監督とシャンパンで乾杯するアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)チームカーに乗るウンスエ監督とシャンパンで乾杯するアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Unipublicバネスト時代にはミゲール・インドゥライン(スペイン)のツール・ド・フランス5連覇とジロ・デ・イタリア2連覇、そしてアブラハム・オラーノ(スペイン)のブエルタ・ア・エスパーニャ制覇を達成。グランツール上位の常連チームとして隆盛を極めた。近年では2006年にオスカル・ペレイロ(スペイン)がツール制覇。昨年アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)がブエルタ制覇を達成したことが記憶に新しい。バルベルデは現在2年間の出場停止処分を受けている。

新たに参入するテレフォニカ社はスペイン・マドリードに本社を置く通信会社で、スペイン本国だけでなくヨーロッパ諸国、ラテンアメリカ諸国で事業を展開。固定電話や携帯電話、インターネットなど、同国の通信を幅広くカバーしており、世界第3位の携帯電話加入者数を誇る。

これまでテレフォニカ社はF1やMotoGPなどのモータースポーツを中心にスポンサー活動を展開している。2003年のMotoGPの第1戦日本GPでクラッシュ事故を起こし、不慮の死を遂げた加藤大治郎選手の所属チームが「テレフォニカ・モビスター」だったことをご存知の方が多いはず。ロードレースチームへのスポンサー活動はこれが初めてだ。

まだサポートの規模や期間は明らかにされていないが、ウンスエ監督がこの上なく心強いバックアップを得たことは間違いない。チーム移籍が噂されていたルイスレオン・サンチェス(スペイン)らは、今回のスポンサー決定に伴って、チームに残留すると見られている。

text:Kei Tsuji

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