チヴィリオで静かな加速を見せたポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)が、18.2kmの独走を決めたイル・ロンバルディア。モニュメント初制覇とともに、20歳16日で大会最年少優勝記録を更新した。

チームとしてタイトルを守りたいイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:RCS Sport 
来年の去就が注目されるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:RCS Sport

引退するバウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック)ら5名に花道が作られた photo:RCS Sport

イル・ロンバルディア2026コースプロフィール image:RCS Sport ヨーロッパを舞台にしたUCIワールドツアーは、今年もモニュメント(5大クラシック)のイル・ロンバルディアで締めくくられる。10月10日に行なわれた別名「落ち葉のクラシック(クラッシカ・デッレ・フォリエ・モルテ)」は、イタリア北西部のロンバルディア州を巡るワンデーレースだ。毎年入れ替わるスタートとフィニッシュ地点は、ベルガモから西のコモへ向かう239kmに設定された。
2021年から2025年まで史上最多となる5連覇を達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)は怪我により不出場。そのため、6日前にヨーロッパ王者に輝いたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)に注目が集まるなか、現役最終レースに臨むバウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック)やペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)のために花道が作られた。

約5分の抗議の末、無事レースはスタートした photo:CorVos

ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)ら14名によって形成された逃げ集団 photo:CorVos
スタートの合図が鳴っても選手たちは約5分間動かず、エヴェネプールが近年相次ぐレース中の事故を受け、安全確保を求める声明を読み上げた。正式スタート直後からマルティン・マルチェルージ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール)が勢いよく飛び出すものの、なかなか逃げは決まらない。そしてこの日2つ目の長い登り、セルヴィーノでようやく14名の逃げ集団が形成された。
ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)や宇都宮ジャパンカップにも参戦予定のアントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が入った強力なエスケープに対し、メイン集団はUAEチームエミレーツXRGやレッドブル・ボーラ・ハンスグローエなどがコントロール。世界王者であるブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)がメカトラで遅れたり、コーナーでタイヤを滑らせたりする場面はあったものの、大きな動きはなくレースは後半戦に突入した。
2分30秒のリードでマドンナ・デル・ギザッロ(距離8.6km/平均勾配6.2%)に突入した逃げ集団は分裂し、オコーナーが登坂のペースを作る。それにティベーリらが遅れていき、唯一ハイス・レイムライゼ(オランダ、ピクニック・ポストNL)だけが食らいつく。スタート時に太陽を覆っていた雲が消えたギザッロを登るプロトンでは、相変わらずUAEチームエミレーツXRGとレッドブル・ボーラ・ハンスグローエが主導権を握っていた。

メイン集団を先導するUAEチームエミレーツXRG photo:RCS Sport
中腹で遅れた選手たちが続々とオコーナーに合流し、7名となった先頭集団が頂上を通過する。プロトンではルイ・バレ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)の高速牽引からマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ)が飛び出し、4名の追走集団が形成されたものの、大きな動きにはつながらない。合計2度登る最初のサン・フェルモ・デッラ・バッターリア(距離2.7km/平均勾配7.2%)を越え、別名通りコース脇に「落ち葉」が積もる最終ストレートを抜け、6名となった逃げ集団が44秒のリードで1度目のフィニッシュラインを通過した。
ここまで優勝候補たちの動きがなかったプロトンだったが、チヴィリオ(距離4.2km/平均勾配9.7%)の中腹でポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)が静かに加速した。その動きはアルカンシエルを着るマクナルティがマークし、その背後にエースであるイサーク・デルトロ(メキシコ)がつく。セクサスは最後まで逃げから粘ったマイケル・レナード(カナダ、EFエデュケーション・イージーポスト)を軽々と抜いていき、集団後方ではヨーロッパ王者ジャージのエヴェネプールが遅れていった。

チヴィリオで単独先頭に立ったポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) photo:CorVos
爆発的なスピードではなく、ライバルたちの脚をじわりじわりと削っていくハイペースで踏み続けたセクサスは、残り18.2km、頂上まで1.6kmの地点でついに単独先頭に立った。ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)が単独で追い、その後エンリク・マス(スペイン、モビスター)が合流。セクサスは約30秒のリードで頂上を通過し、下り区間に入った。
その後も9月24日に20歳になったばかりのセクサスによるペースは落ちることなく、サン・フェルモ・デッラ・バッターリアを軽々とクリア。45秒後ろではマスがチッコーネを引き離したものの、セクサスとの距離を縮めることはできなかった。

18.2kmの独走を決めたポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) photo:CorVos

マスからの祝福を受けるポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) photo:RCS Sport
初開催の1905年にジョヴァンニ・ジェルビ(イタリア)が記録した20歳5ヶ月(161日)という最年少記録を、20歳16日で更新したセクサス。今年2月のヴォルタ・アオ・アルガルヴェでプロ初勝利を飾ってから、ラ・フレーシュ・ワロンヌの制覇、そしてツール・ド・フランスで総合4位と、スターダムを駆け上がったフランスの新星が、シーズン最終戦で大会最年少優勝とモニュメント初制覇を成し遂げた。
「信じられないような勝利だ。すべてが完璧に運んだ。優勝候補たちの集団のペースが十分に上がっていないと感じたため、アタックを決めた。そこからはフィニッシュまで個人タイムトライアルのようだった。サン・フェルモ・デッラ・バッターリアを最後に越えた時、勝ったと分かった。夢を叶えたんだ」と、セクサスは喜びを語った。
48秒遅れでフィニッシュしたマスが2022年以来2度目となる2位に入り、3位は今年限りでのリドル・トレック退団が発表されたチッコーネ。チヴィリオで遅れながらも、粘りの走りを見せたエヴェネプールは4位で表彰台を逃し、デルトロは失速し、4分59秒遅れの28位だった。
選手たちのコメントは別記事にて伝える。

最年少優勝記録を更新したポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) photo:CorVos

モニュメントを初制覇したポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) photo:CorVos




2021年から2025年まで史上最多となる5連覇を達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)は怪我により不出場。そのため、6日前にヨーロッパ王者に輝いたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)に注目が集まるなか、現役最終レースに臨むバウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック)やペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)のために花道が作られた。


スタートの合図が鳴っても選手たちは約5分間動かず、エヴェネプールが近年相次ぐレース中の事故を受け、安全確保を求める声明を読み上げた。正式スタート直後からマルティン・マルチェルージ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール)が勢いよく飛び出すものの、なかなか逃げは決まらない。そしてこの日2つ目の長い登り、セルヴィーノでようやく14名の逃げ集団が形成された。
ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)や宇都宮ジャパンカップにも参戦予定のアントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が入った強力なエスケープに対し、メイン集団はUAEチームエミレーツXRGやレッドブル・ボーラ・ハンスグローエなどがコントロール。世界王者であるブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)がメカトラで遅れたり、コーナーでタイヤを滑らせたりする場面はあったものの、大きな動きはなくレースは後半戦に突入した。
2分30秒のリードでマドンナ・デル・ギザッロ(距離8.6km/平均勾配6.2%)に突入した逃げ集団は分裂し、オコーナーが登坂のペースを作る。それにティベーリらが遅れていき、唯一ハイス・レイムライゼ(オランダ、ピクニック・ポストNL)だけが食らいつく。スタート時に太陽を覆っていた雲が消えたギザッロを登るプロトンでは、相変わらずUAEチームエミレーツXRGとレッドブル・ボーラ・ハンスグローエが主導権を握っていた。

中腹で遅れた選手たちが続々とオコーナーに合流し、7名となった先頭集団が頂上を通過する。プロトンではルイ・バレ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)の高速牽引からマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ)が飛び出し、4名の追走集団が形成されたものの、大きな動きにはつながらない。合計2度登る最初のサン・フェルモ・デッラ・バッターリア(距離2.7km/平均勾配7.2%)を越え、別名通りコース脇に「落ち葉」が積もる最終ストレートを抜け、6名となった逃げ集団が44秒のリードで1度目のフィニッシュラインを通過した。
ここまで優勝候補たちの動きがなかったプロトンだったが、チヴィリオ(距離4.2km/平均勾配9.7%)の中腹でポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)が静かに加速した。その動きはアルカンシエルを着るマクナルティがマークし、その背後にエースであるイサーク・デルトロ(メキシコ)がつく。セクサスは最後まで逃げから粘ったマイケル・レナード(カナダ、EFエデュケーション・イージーポスト)を軽々と抜いていき、集団後方ではヨーロッパ王者ジャージのエヴェネプールが遅れていった。

爆発的なスピードではなく、ライバルたちの脚をじわりじわりと削っていくハイペースで踏み続けたセクサスは、残り18.2km、頂上まで1.6kmの地点でついに単独先頭に立った。ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)が単独で追い、その後エンリク・マス(スペイン、モビスター)が合流。セクサスは約30秒のリードで頂上を通過し、下り区間に入った。
その後も9月24日に20歳になったばかりのセクサスによるペースは落ちることなく、サン・フェルモ・デッラ・バッターリアを軽々とクリア。45秒後ろではマスがチッコーネを引き離したものの、セクサスとの距離を縮めることはできなかった。


初開催の1905年にジョヴァンニ・ジェルビ(イタリア)が記録した20歳5ヶ月(161日)という最年少記録を、20歳16日で更新したセクサス。今年2月のヴォルタ・アオ・アルガルヴェでプロ初勝利を飾ってから、ラ・フレーシュ・ワロンヌの制覇、そしてツール・ド・フランスで総合4位と、スターダムを駆け上がったフランスの新星が、シーズン最終戦で大会最年少優勝とモニュメント初制覇を成し遂げた。
「信じられないような勝利だ。すべてが完璧に運んだ。優勝候補たちの集団のペースが十分に上がっていないと感じたため、アタックを決めた。そこからはフィニッシュまで個人タイムトライアルのようだった。サン・フェルモ・デッラ・バッターリアを最後に越えた時、勝ったと分かった。夢を叶えたんだ」と、セクサスは喜びを語った。
48秒遅れでフィニッシュしたマスが2022年以来2度目となる2位に入り、3位は今年限りでのリドル・トレック退団が発表されたチッコーネ。チヴィリオで遅れながらも、粘りの走りを見せたエヴェネプールは4位で表彰台を逃し、デルトロは失速し、4分59秒遅れの28位だった。
選手たちのコメントは別記事にて伝える。


イル・ロンバルディア2026結果
| 1位 | ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) | 5:49:28 |
| 2位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +0:48 |
| 3位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +1:05 |
| 4位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +1:20 |
| 5位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) | |
| 6位 | トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング) | |
| 7位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
| 8位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ) | |
| 9位 | フィリッポ・ザナ(イタリア、スーダル・クイックステップ) | |
| 10位 | マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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