中国最大級のタイヤメーカーであるZC Rubberが展開するスポーツタイヤブランドのアリスン。そのクリンチャータイヤの新たなレーシングタイヤ「STORM R1 CL」を編集部員の高木がインプレッションした。

アリスン STORM R1 CL photo:Michinari TAKAGI
1958年に設立された中国最大級のタイヤメーカーである「ZC Rubber」のオリジナルタイヤブランド、ARISUN(アリスン)。自転車用タイヤだけでも年間1億本以上を生産する大規模メーカーのならではの知見を活かし、高性能なロードバイク用タイヤも手掛けている。今回、新たなフラッグシップクリンチャータイヤとしてラインアップに加わったのが「STORM R1 CL」だ。
アリスン初のチューブレスレディロードタイヤとして登場したSTORM R1 TLR。手の届きやすい価格とバランスの良いパフォーマンスで高評価を得た同モデルのクリンチャーバージョンとなるのがこのタイヤだ。

110TPIを3層に積層した330TPIの高密度ケーシングを採用 photo:Michinari TAKAGI

高性能シリカ配合のC2ウルトラコンパウンドを採用 photo:Michinari TAKAGI
タイヤの土台となるケーシングには薄くしなやかな110TPIのレイヤーを3層に積層し、330TPIの高密度ケーシングとして構成する。路面へ柔軟に追従することで振動吸収性を高めると同時に、転がり抵抗が低く軽やかな走りを実現している。
トレッドには高性能シリカ配合のC2ウルトラコンパウンドを使用し、優れたスピード維持性能と耐摩耗性を両立。ショルダー部にはコーナーリング時に優れたグリップ力を発揮する、ひし型の新トレッドパターンを搭載した。
更に、近年のレース用の軽量タイヤでは省かれることが多いパンク対策も施され、アラミド繊維製の耐パンクベルト「ARMOR REX」をセンタートレッド直下に搭載。重量増を最小限に抑えつつ、ガラス片や小石による貫通パンクのリスクトラブルを大幅に低減している。

コーナーリング時の深いバンク角で優れたグリップ力を発揮するひし型新トレッドパターン photo:Michinari TAKAGI
タイヤ幅は700×28Cと30Cの2サイズがラインアップされる。重量は700×28Cが約233g、30Cが約269gと軽量なクリンチャータイヤに仕上がっている。価格は6,050円(税込)で、取り扱いは服部産業だ。
それでは、編集部によるインプレッションに移っていこう。
―編集部インプレッション

アリスン STORM R1 CLの28Cをテストしていく photo:Naoki Yasuoka
アリスン STORM R1 CLのインプレッションを担当するのは、ロードレースやシクロクロスなどのレースやトレーニング、自転車通勤で多くのブランドのタイヤを使用しているCW編集部員の高木。
アリスンのタイヤに関しては、以前チューブレスレディ仕様のSTORM R1 TLRのテストを担当。その際には、トータルバランスに優れたタイヤでありながら、手の届きやすい価格も相まって、かなり好印象だった。今回はそのSTORM R1のクリンチャーモデルということで、その登場を心待ちにしていた方も多いのではないだろうか。

28Cの実測値は222g photo:Michinari TAKAGI
編集部に届いた実物を手に取ってみると、クリンチャー仕様ということもあってTLRモデルよりしなやかな感触である。タイヤの表面はさらっとしているが、強めに指で擦るとグリップするレーシングタイヤらしい感触だ。タイヤの重量を実測すると、28Cで222gとカタログ重量よりも軽い。
これまで、アリスンの製品はSTORM R1のTLRモデルやTPUチューブをテストしてきたが、どのモデルも公称重量よりも実測重量が軽かった。その経験からすると、カタログ値はかなりマージンをとった表記になっているのではないだろうか。アリスンというブランドの実直な姿勢が窺われる部分でもある。
今回のテストホイールであるシマノ ULTEGRA C50 TLホイールにアリスン STORM R1 CLの28Cを装着したところ、ケーシングのしなやかさもあるおかげで、素手で簡単に取り付けられ、作業性も良く取り扱いやすい。出先でパンクしたとしても、簡単にリカバリーできるだろう。

一踏み目からクリンチャーではあるが、チューブレスタイヤのような転がりの軽さがあった photo:Naoki Yasuoka
STORM R1 CLの適正空気圧は6.2~7.5bar(90~110PSI)となっている。峠を越える180kmトレーニングライドやサイクリング、雨のライドなど、色んなライドシーンでテストを行った。
早速、STORM R1 CLのテストライドへ。一踏み目からクリンチャーではあるが、チューブレスタイヤのような転がりの軽さがあり、驚く。踏み込んでいくとしっかりトラクションが掛かりつつも、軽やかに転がっていくため、低速域から気持ちよく加速し、走りが軽快である。

レーススピードの40km/h以上の巡航でもスピードの維持がしやすい photo:Naoki Yasuoka
レーススピードの40km/h以上の巡航では、力強く踏み込まなくても、転がりの軽さのおかげでスピードを維持しやすく走りやすい。鈴鹿サーキットやモビリティリゾートもてぎ、富士スピードウェイなどで開催されているサーキットエンデューロにぴったりなタイヤであると言える。
ヒルクライムでは緩斜面でもスピードを維持しやすく、淡々と登っていける。傾斜10%を超えるような激坂でもリアタイヤのトラクションを掛けながら駆け上がっていける。また、ダンシングでもバイクを振りやすく、リズムを取りやすかった。

激坂でもリアタイヤのトラクションを掛けながら駆け上がっていける photo:Naoki Yasuoka
転がりの軽さがある一方で適度なグリップ感もあり、コーナーリングでは狙ったラインをトレースすることができる。曲がっている最中で小石や凹みを見つけたときにはライン変更もしやすく、コントロール性は高い。
100kmを超えるようなサイクリングでも路面からの衝撃が少なく、乗り心地が良かった。また、しなやかなケーシングのおかげで路面追従性にも優れており、ウェットコンディションでもしっかり路面を捉え続けてくれる。

転がりの軽さがある一方で適度なグリップ感もあり、バイクをコントロールしやすい photo:Naoki Yasuoka
様々な空気圧でテストライドをしたが、体重が58kgの私自身の場合は適正空気圧の下限となる6.2barが丁度よかった。試しに適正空気圧を下回る6barで走ってみたが、タイヤサイドがよれて腰砕ける感覚があり、バイクコントロールが難しくなるため、適正空気圧内で使用すべき。
そして価格は、最近ではクリンチャータイヤでも10,000円を超えてくるようなモデルも多く販売されているが、レーススペックでありながら、価格は6,050円(税込)と非常にリーズナブルな価格を実現している。

アリスン STORM R1 CLはトータルバランスに優れたクリンチャータイヤだった photo:Naoki Yasuoka
テストを通じて、STORM R1 CLはトータルバランスとコストパフォーマンスに優れつつも、転がりの軽さが一際目立つクリンチャータイヤだった。ロードレースやヒルクライム、そして日常のサイクリングで平均スピードを少しでも速く、軽快に走りたいサイクリストにとって強い味方になってくれるはず。
レーサーはもちろん、週末のサイクリングを楽しむ方まで、多くのサイクリストにおすすめしたい。
アリスン STORM R1 CL
タイプ:クリンチャー
ケーシング:330TPI
カラー:ブラック
サイズ:700×28C、30C
重量:233g(28C)、269g(30C)
価格:6,050円(税込)

1958年に設立された中国最大級のタイヤメーカーである「ZC Rubber」のオリジナルタイヤブランド、ARISUN(アリスン)。自転車用タイヤだけでも年間1億本以上を生産する大規模メーカーのならではの知見を活かし、高性能なロードバイク用タイヤも手掛けている。今回、新たなフラッグシップクリンチャータイヤとしてラインアップに加わったのが「STORM R1 CL」だ。
アリスン初のチューブレスレディロードタイヤとして登場したSTORM R1 TLR。手の届きやすい価格とバランスの良いパフォーマンスで高評価を得た同モデルのクリンチャーバージョンとなるのがこのタイヤだ。


タイヤの土台となるケーシングには薄くしなやかな110TPIのレイヤーを3層に積層し、330TPIの高密度ケーシングとして構成する。路面へ柔軟に追従することで振動吸収性を高めると同時に、転がり抵抗が低く軽やかな走りを実現している。
トレッドには高性能シリカ配合のC2ウルトラコンパウンドを使用し、優れたスピード維持性能と耐摩耗性を両立。ショルダー部にはコーナーリング時に優れたグリップ力を発揮する、ひし型の新トレッドパターンを搭載した。
更に、近年のレース用の軽量タイヤでは省かれることが多いパンク対策も施され、アラミド繊維製の耐パンクベルト「ARMOR REX」をセンタートレッド直下に搭載。重量増を最小限に抑えつつ、ガラス片や小石による貫通パンクのリスクトラブルを大幅に低減している。

タイヤ幅は700×28Cと30Cの2サイズがラインアップされる。重量は700×28Cが約233g、30Cが約269gと軽量なクリンチャータイヤに仕上がっている。価格は6,050円(税込)で、取り扱いは服部産業だ。
それでは、編集部によるインプレッションに移っていこう。
―編集部インプレッション

アリスン STORM R1 CLのインプレッションを担当するのは、ロードレースやシクロクロスなどのレースやトレーニング、自転車通勤で多くのブランドのタイヤを使用しているCW編集部員の高木。
アリスンのタイヤに関しては、以前チューブレスレディ仕様のSTORM R1 TLRのテストを担当。その際には、トータルバランスに優れたタイヤでありながら、手の届きやすい価格も相まって、かなり好印象だった。今回はそのSTORM R1のクリンチャーモデルということで、その登場を心待ちにしていた方も多いのではないだろうか。

編集部に届いた実物を手に取ってみると、クリンチャー仕様ということもあってTLRモデルよりしなやかな感触である。タイヤの表面はさらっとしているが、強めに指で擦るとグリップするレーシングタイヤらしい感触だ。タイヤの重量を実測すると、28Cで222gとカタログ重量よりも軽い。
これまで、アリスンの製品はSTORM R1のTLRモデルやTPUチューブをテストしてきたが、どのモデルも公称重量よりも実測重量が軽かった。その経験からすると、カタログ値はかなりマージンをとった表記になっているのではないだろうか。アリスンというブランドの実直な姿勢が窺われる部分でもある。
今回のテストホイールであるシマノ ULTEGRA C50 TLホイールにアリスン STORM R1 CLの28Cを装着したところ、ケーシングのしなやかさもあるおかげで、素手で簡単に取り付けられ、作業性も良く取り扱いやすい。出先でパンクしたとしても、簡単にリカバリーできるだろう。

STORM R1 CLの適正空気圧は6.2~7.5bar(90~110PSI)となっている。峠を越える180kmトレーニングライドやサイクリング、雨のライドなど、色んなライドシーンでテストを行った。
早速、STORM R1 CLのテストライドへ。一踏み目からクリンチャーではあるが、チューブレスタイヤのような転がりの軽さがあり、驚く。踏み込んでいくとしっかりトラクションが掛かりつつも、軽やかに転がっていくため、低速域から気持ちよく加速し、走りが軽快である。

レーススピードの40km/h以上の巡航では、力強く踏み込まなくても、転がりの軽さのおかげでスピードを維持しやすく走りやすい。鈴鹿サーキットやモビリティリゾートもてぎ、富士スピードウェイなどで開催されているサーキットエンデューロにぴったりなタイヤであると言える。
ヒルクライムでは緩斜面でもスピードを維持しやすく、淡々と登っていける。傾斜10%を超えるような激坂でもリアタイヤのトラクションを掛けながら駆け上がっていける。また、ダンシングでもバイクを振りやすく、リズムを取りやすかった。

転がりの軽さがある一方で適度なグリップ感もあり、コーナーリングでは狙ったラインをトレースすることができる。曲がっている最中で小石や凹みを見つけたときにはライン変更もしやすく、コントロール性は高い。
100kmを超えるようなサイクリングでも路面からの衝撃が少なく、乗り心地が良かった。また、しなやかなケーシングのおかげで路面追従性にも優れており、ウェットコンディションでもしっかり路面を捉え続けてくれる。

様々な空気圧でテストライドをしたが、体重が58kgの私自身の場合は適正空気圧の下限となる6.2barが丁度よかった。試しに適正空気圧を下回る6barで走ってみたが、タイヤサイドがよれて腰砕ける感覚があり、バイクコントロールが難しくなるため、適正空気圧内で使用すべき。
そして価格は、最近ではクリンチャータイヤでも10,000円を超えてくるようなモデルも多く販売されているが、レーススペックでありながら、価格は6,050円(税込)と非常にリーズナブルな価格を実現している。

テストを通じて、STORM R1 CLはトータルバランスとコストパフォーマンスに優れつつも、転がりの軽さが一際目立つクリンチャータイヤだった。ロードレースやヒルクライム、そして日常のサイクリングで平均スピードを少しでも速く、軽快に走りたいサイクリストにとって強い味方になってくれるはず。
レーサーはもちろん、週末のサイクリングを楽しむ方まで、多くのサイクリストにおすすめしたい。
アリスン STORM R1 CL
タイプ:クリンチャー
ケーシング:330TPI
カラー:ブラック
サイズ:700×28C、30C
重量:233g(28C)、269g(30C)
価格:6,050円(税込)
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