フランスを拠点に活動している豊川さゆ/るっこらさんがツール・ド・フランス最終ステージを観戦したレポートを寄稿してくれました。なんとアパルトマン屋上からシャンゼリゼを走るレースを真下に眺め、ジェイコ・アルウラーのパーティにも出席。マシューズ選手らと交流するという最高の体験だったようです。



フランスを拠点に活動している豊川さゆ/るっこらさんがツール・ド・フランス最終ステージを観戦レポート photo:Sayu TOYOKAWA

著者プロフィール:豊川さゆ/るっこら
グラベルを中⼼に国内外でライドを楽しむサイクリスト。現在はパリを拠点にヨーロッパ各国のサイクリング事情、レースや旅の魅⼒を発信中。2025年にはアンバウンド・グラベルに参戦し、50マイルクラスで完走している。愛車はLivのシクロクロスバイク「Brava」。
instagram: rucola3desu

今年で第113回目となるツール・ド・フランス。スペインのバルセロナをスタート後、全21ステージ・総走行距離3,320.7kmにも及んだ世界最高峰のステージレース。その最終日は世界中から多くのファンがパリに集まり、シャンゼリゼはフィナーレを迎える高揚感に包まれていました。この記事ではその一日の様子をお届けします。

交通規制が行われ、レース当日の緊張感が伝わってくる photo:Sayu TOYOKAWA

7月26日、13時過ぎに凱旋門前へ向かうと、すでに多くの警察車両が並び、シャンゼリゼ通りへ入る路地では手荷物検査も行われるなど厳重な警戒体制でした。余裕を持って到着できて、ほっと一息。沿道に出てみるとレース開始まではまだ3時間以上あるにも関わらず、すでにたくさんの観客が集まり、賑わっていました。

通り沿いには公式グッズショップが並び、レジには長蛇の列。「Tour de France」ロゴ入りグッズやチームジャージなどが販売されており、人気商品はすでに売り切れているものも。近くにはスポーツ紙『レキップ』のブースもあり、グッズ購入者には特別紙と観戦ガイドが配布されていました。ここで各賞のジャージデザインをモチーフにしたリストバンドを購入し、ノベルティも持ち帰ることができました!

ツールを象徴する黄色のテント photo:Sayu TOYOKAWA

子供用サイズのラインナップも豊富にあり、家族で楽しめるグッズ展開! photo:Sayu TOYOKAWA

15時半ごろになると、レースに先立って大会スポンサーの車両がノベルティを配りながら走る名物
「キャラバン」が続々と到着。音楽とともに色鮮やかなスポンサー車両が次々と通過し、沿道は大盛り上がり。レース前から観客を楽しませてくれるこの演出もツール・ド・フランスならではの魅力です。キャラバンが過ぎ去ると、ファンの熱気は徐々に高まりを見せ始めます。

今夏にフランス南部で起こっている山火事の影響により、警備の人員削減を目的としたコースの短縮が行われたため、シャンゼリゼからのスタートに。スタート時間が近づくにつれ世界各国の国旗が掲げられ、各賞ジャージを身にまとったファンの姿も目立ち始め、シャンゼリゼはさらに熱気を増していきました。

ユニークなデザインのスポンサー車両も見どころ! photo:Sayu TOYOKAWA

メキシコ国旗を掲げたファンの姿が、沿道のあちこちで見られた photo:Sayu TOYOKAWA

じつは私は現在パリ近郊に滞在しているため、元々最終ステージの観戦を予定していたのですが、乗ってる自転車がLivというご縁でジャイアント・ジャパンさんからお声掛けいただき、ジャイアントが開催するイベントに参加できることになったのです!

高まる熱気を横目にイベント会場へと向かいます。なんとそこはシャンゼリゼ通りを見下ろす建物内に設けられた会場で、レースを一望できる絶好のロケーション! 目の前にエッフェル塔を真正面から見据えるパリらしい景色を眺めながら、世界中から集まったサイクリストや関係者と交流しながらレースの始まりを待ちました。

パリの街並みを一望できるテラス席 photo:Sayu TOYOKAWA
チームグッズはどれもかわいい!すぐに身につけたくなる! photo:Sayu TOYOKAWA


鮮やかなチームカラーが目を引く美しい一台 photo:Sayu TOYOKAWA

会場内には選手が実際に使用するジャイアントPropelや、オリカ・グリーンエッジ時代からの歴代のジャージも展示され、多くの来場者が足を止めて記念撮影。参加賞として選手も着用するユニフォームをいただき、早速身につけて応援モードに変身!

モニターではレース中継も放映されており、食事やドリンクを楽しみながら、フィニッシュまでの時間を過ごすことができます。特に用意されたビュッフェには焼きたてのBBQやおしゃれなフィンガーフード、フルーツまで用意されており、気さくなスタッフの方々とリラックスした雰囲気の中で美味しい食事を満喫しました。

彩り豊かなフィンガーフードがずらり photo:Sayu TOYOKAWA

シェフが目の前で焼き上げる、出来たてのBBQ photo:Sayu TOYOKAWA
一瞬で過ぎ去る速さ photo:Sayu TOYOKAWA


凱旋門前でも応援! photo:Sayu TOYOKAWA

18時ごろになるといよいよステージ優勝を狙う選手たちのアタックが増え始めました。周回コースのために何度も目の前を駆け抜けていく選手たち。ファンの歓声は周回を重ねるごとに大きくなり、パリの街全体が熱気に包まれていきました。

せっかくなので凱旋門前まで移動して沿道からも観戦しました。選手たちはあまりにも一瞬で駆け抜けていくので、推しの選手を見つけるのも一苦労。テレビでは伝わらないスピード感と迫力に圧倒されます。

未来の世界王者になりそうな、小さな観客も沿道に photo:Sayu TOYOKAWA

中継画面を見て、選手たちの到着を待ちながら、レースの行方を見守る photo:Sayu TOYOKAWA

最終周回は集団の動きやレース展開も見届けたかったので、再びジャイアントのイベント会場に戻り、テラス席で中継を見ながら待機。そして、逃げ切りを目指すタディ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)とマチュー・ファンデルプール(アルペシン・プレミアテック)の2人が最後まで力強い走りで一直線に伸びる通りを協力しながら走っていきます。

選手が近づくにつれてエコーのように歓声が街に響き渡り、その熱気に鳥肌が立ちました。ステージ優勝は私がシクロクロスでも応援しているマチュー。そしてポガチャルが5度目の総合優勝を達成し、歴史的なフィナーレを見届けることができました。

シャンゼリゼ通りを見渡しながらゴールを観戦! photo:Sayu TOYOKAWA

広場を埋め尽くす、チームカーとバス photo:Sayu TOYOKAWA
チームメイトと健闘を称え合うマチュー photo:Sayu TOYOKAWA


選手たちの写真がデザインされたロット・アンテルマルシェのチームバス photo:Sayu TOYOKAWA

しばらく放心状態になるほどのレースの余韻。そして推しの選手が待つチームバスエリアへと向かいます。

レースを終えたばかりのシャンゼリゼ沿道は、自国の選手の活躍の喜びを歌やダンスで分かち合うファンで溢れかえっていました。その波を抜けると、今回とても楽しみにしていたジェイコ・アルウラーの選手やチーム関係者とのアフターパーティーへ!

ジェイコ・アルウラーのチームカーとバス photo:Sayu TOYOKAWA

美味しそうな軽食が並ぶ photo:Sayu TOYOKAWA

会場はコンコルド広場。全チームのバスが並び、横には先ほどまでレースを全力で駆け抜けていた選手と、その家族・スタッフたちが笑顔で健闘を称えあっていました。皆で走り切った達成感と安堵感が全体に溢れ、フィニッシュ直後の特別な空気を感じました。

20時ごろ、ジェイコ・アルウラーのチームバスの前でパーティーが開始!バゲットやピザ、デザート、シャンパンも用意されていました。チームの専属シェフはイタリア人とのことで、フレンチとイタリアンを満喫できるラインナップ。

そして21ステージの長い旅路を終えたチームの皆さんと食事しながら2時間半ほど交流することができました。

宮島正典マッサー「シュミットのステージ1勝に救われた」

パーティではスタッフとしてチームを支える宮島正典さんにもお会いすることができたので、お話を伺いました。

宮島さんと笑顔で談笑 photo:Sayu TOYOKAWA

Q. ジェイコ・アルウラーの印象はいかがですか?

宮島さん「オーストラリアの人たちの明るさとうまく力が抜けた感じで、僕には気が合うんです。自分が他のチームにいた時から良い雰囲気だなと思っていたので、このチームで働けて嬉しいです。」

Q 第13ステージのマウロ・シュミットのステージ優勝については?

宮島さん「チームにとってすごく大きいこと。0と1勝では本当に大きな違いなんです。1勝してくれることで僕たちの仕事にも意味が出るし、『どこかで貢献したな!』と思える。総合争いだと毎日1秒の争いに一喜一憂しているけど、今回はステージ優勝で勝負することになりました。これでツールは終わるけど、次はブエルタです。まだまだ続きますよ!」

2週間の休暇を経てまたレースサポートをするとのこと photo:Sayu TOYOKAWA

奥様と一緒に、日本への思いを語ってくださった photo:Sayu TOYOKAWA

マイケル・マシューズは日本が大好き

マイケル・マシューズ選手にもお話を伺うことができました。ご存知オーストラリアを代表するトップ選手として、長年第一線で活躍するスターライダーです。

Q全ステージの中で一番思い出深いレースはありますか。

「難しい質問です。21ステージもあるからね(笑)。あえて言うならアルプ・デュエズだね。厳しい日々が続くツールだったから、沿道のファンの応援は最高だったよ!ちょっとクレイジーなファンもいたけど、それも含めて楽しかった!」

パリ〜ルーベ優勝経験を持ち、スポーツディレクターを務めるマシュー・ヘイマン氏 photo:Sayu TOYOKAWA

Q日本のライダーに向けてメッセージをください。

「娘はDuolingoで日本語を勉強していて、日本でやりたいことリストを書いているんだ。家族は寿司、ラーメン、うどん好き! 次のジャパンカップで日本を訪れるのをとっても楽しみにしているよ!昨年、ジャイアントのイベントで日本のファンと一緒に走れたことも楽しかった。ヨーロッパでもファンと交流しているけど、日本のファンは質問の視点が違っていて新鮮で面白いんだ!みんないつも温かく迎え入れてくれて、本当に日本が大好きなんだ」。

お二人ともとても気さくな方々。3人で記念撮影 photo:Sayu TOYOKAWA

最後には選手、スタッフの皆さんとツール・ド・フランス完走を祝い、シャンパンで乾杯しました。皆さん笑顔でとてもフレンドリーで、私自身も選手の皆さんや監督、スタッフの方々とお話したり、一緒に写真を撮ったりと、あたたかい雰囲気の中で忘れられない時間を過ごすことができました。

私が会場を後にしたのは 22:30 ごろ。皆さんは最後までチームバスの前で談笑されていて、この頃にはコンコルド広場に残っているチームはジェイコ のみ!チーム全員で 3 週間戦い抜いたことを喜び合っていました。

みんなでシャンパンコール photo:Sayu TOYOKAWA

レースを観戦するだけではなく、その舞台裏で選手やスタッフの皆さんが過ごす時間にも触れることができた今回の体験。ジャイアントのイベントに参加したからこそ見ることができた景色や出会いがあり、ツール・ド・フランスの魅力をより深く知ることができました。そして、世界最高峰のレースは、フィニッシュラインを越えた後にも続いているのだと実感した、忘れられない一日となりました。

2026年ドイツロード選手権優勝者のフェリックス・エンゲルハート選手(左)と第13ステージで自身初の優勝を果たしたマウロ・シュミット選手(右)。ジャイアントの皆さんと集合写真 photo:Sayu TOYOKAWA

photo&text:Sayu TOYOKAWA
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