「僅かなリードで、リスクを冒して攻めるしかなかった」とは逃げ切り勝利したニコラ・プロドム（フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール）。マリアローザを守ったデルトロや攻めたカラパスなど、選手たちの言葉でジロ第19ステージを振り返ります。
ステージ優勝 ニコラ・プロドム（フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール）
フィニッシュの瞬間、手で顔を覆ったニコラ・プロドム（フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール） photo:RCS Sport
本当に素晴らしい。自分が勝者になったなんて信じられないよ。この走りを可能にしてくれたチームメイトや、自身を与えてくれたチームに感謝する。今日はステージ優勝を狙った。（プロ初）勝利を掴むまで長い間待たなければならず、3週間前にようやく掴むことできた。そしてジロ・デ・イタリアでも勝った。とても嬉しいし、チームに目標であったステージ優勝をもたらすことができた。
勝利を確信するほどのリードを得られず、アタックに反応する脚の状態も良くはなかった。特に最初の山岳での感覚は悪く、急勾配な登りは厳しかった。最終山岳では十分なリードではなかったものの、リスクを冒して攻めるしかなかった。なぜならこれまで2度のトップ5に入りながらも、リスクを取らず勝利を逃していたから。だが、今日は勝利に向かって走りたかった。
ステージ2位＆マリアローザ イサーク・デルトロ（メキシコ、UAEチームエミレーツXRG）
最後にカラパスを交わし、区間2位に入ったイサーク・デルトロ（メキシコ、UAEチームエミレーツXRG） photo:RCS Sport
2名がレースを去っても、チームメイトは常に僕を守ってくれた。だから有力選手たちが仕掛けようとしても、自信を持って対応することができた。だから僕が彼らにできることをやったまで。本当に素晴らしいチームだよ。
カラパスが1度目のアタックを仕掛けたときは、ペリツァーリも飛び出した。あまり覚えていないのだけど、僕はそれにサイモン（イェーツ）と共に反応した。その後はラファウ（マイカ）が再び牽引してくれた。最終山岳でもカラパスは仕掛けたが、急勾配ではなく、僕の脚もあったのでついていくことができた。今日はボーナスタイム獲得や落車回避に努めたので、この結果は上出来だよ。
―母国メキシコの大統領からも激励のメッセージが届いたと聞いた。
ああ、メキシコ中から応援のメッセージが届いている。皆にはこのスポーツの過酷さが伝わっていると思う。総合優勝には一歩一歩近づいてはいるが、既に素晴らしい気持ちでいっぱいだよ。いまだに僕がメキシコを代表しているなんて信じられない。もっとマシな人をよこすべきだよ（笑）。
マリアローザを堅守したイサーク・デルトロ（メキシコ、UAEチームエミレーツXRG） photo:CorVos
―マリアローザの確定まであと1ステージとなったが、いまの心境は？
ジロの開幕前と、僕が総合優勝する可能性は変わっていない（そういう気持ちで臨む）。だから変に肩ひじを張らず、いつも通りを心がけたい。皆でいつものように楽しい夕食を過ごし、朝ご飯を食べてレースするだけ。それだけだ。
ステージ3位＆総合2位 リチャル・カラパス（エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト）
マリアローザ奪取には至らなかったカラパス photo:RCS Sport
明日もまたトライしたい。（総合3位以下との）差を拡げることができ、デルトロと同タイムでフィニッシュできたので、今日の結果には満足している。しかし明日のステージは今日とは異なる。長く、より活発な戦いが繰り広げられるはず。誰も明日の厳しさは分かっていないので、大きな変動があってもおかしくない。
ステージ7位＆総合3位 サイモン・イェーツ（イギリス、ヴィスマ・リースアバイク）
カラパスのアタックに反応したサイモン・イェーツとデルトロ photo:CorVos
前の2人（デルトロとカラパス）は僕よりも爆発力があり、彼らが加速すると僕はついていけない。今日はチームとして、作戦通りに走ることができなかった。だからホテルに戻ってみんなと振り返りたい。脚の調子が悪くなかったので、明日もその通りのコンディションであることを願っているよ。
逃げから勝利を狙ったアントニオ・ティベーリ（イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス）
レース序盤に形成された逃げに乗り、そこにペリョ（ビルバオ）も乗ったので力になった。しかし落車の影響で左脚が痛み、絶好調ではなかった。だからアタックに対応できず、プロトンに戻り回復に努めた。その後は最終山岳でダミアーノ（カルーゾ）をアシストした。そこでカラパスとデルトロが飛び出し、僕らも力を尽くしたのだが、どうやら彼らには違うギヤがあるようだ。
ヴィスマ・リースアバイクのマーク・リーフ監督 総合3位のサイモン・イェーツについて語る
チームとして力強い走りができた。レースを通してサイモンは良い走りを見せたが、最後の山岳で30秒を失ってしまった。明日はフィネストレ峠が登場する厳しいステージだ。まだチャンスがあるので、最良の結果を求めて戦い続ける。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
ステージ優勝 ニコラ・プロドム（フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール）
本当に素晴らしい。自分が勝者になったなんて信じられないよ。この走りを可能にしてくれたチームメイトや、自身を与えてくれたチームに感謝する。今日はステージ優勝を狙った。（プロ初）勝利を掴むまで長い間待たなければならず、3週間前にようやく掴むことできた。そしてジロ・デ・イタリアでも勝った。とても嬉しいし、チームに目標であったステージ優勝をもたらすことができた。
勝利を確信するほどのリードを得られず、アタックに反応する脚の状態も良くはなかった。特に最初の山岳での感覚は悪く、急勾配な登りは厳しかった。最終山岳では十分なリードではなかったものの、リスクを冒して攻めるしかなかった。なぜならこれまで2度のトップ5に入りながらも、リスクを取らず勝利を逃していたから。だが、今日は勝利に向かって走りたかった。
ステージ2位＆マリアローザ イサーク・デルトロ（メキシコ、UAEチームエミレーツXRG）
2名がレースを去っても、チームメイトは常に僕を守ってくれた。だから有力選手たちが仕掛けようとしても、自信を持って対応することができた。だから僕が彼らにできることをやったまで。本当に素晴らしいチームだよ。
カラパスが1度目のアタックを仕掛けたときは、ペリツァーリも飛び出した。あまり覚えていないのだけど、僕はそれにサイモン（イェーツ）と共に反応した。その後はラファウ（マイカ）が再び牽引してくれた。最終山岳でもカラパスは仕掛けたが、急勾配ではなく、僕の脚もあったのでついていくことができた。今日はボーナスタイム獲得や落車回避に努めたので、この結果は上出来だよ。
―母国メキシコの大統領からも激励のメッセージが届いたと聞いた。
ああ、メキシコ中から応援のメッセージが届いている。皆にはこのスポーツの過酷さが伝わっていると思う。総合優勝には一歩一歩近づいてはいるが、既に素晴らしい気持ちでいっぱいだよ。いまだに僕がメキシコを代表しているなんて信じられない。もっとマシな人をよこすべきだよ（笑）。
―マリアローザの確定まであと1ステージとなったが、いまの心境は？
ジロの開幕前と、僕が総合優勝する可能性は変わっていない（そういう気持ちで臨む）。だから変に肩ひじを張らず、いつも通りを心がけたい。皆でいつものように楽しい夕食を過ごし、朝ご飯を食べてレースするだけ。それだけだ。
ステージ3位＆総合2位 リチャル・カラパス（エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト）
明日もまたトライしたい。（総合3位以下との）差を拡げることができ、デルトロと同タイムでフィニッシュできたので、今日の結果には満足している。しかし明日のステージは今日とは異なる。長く、より活発な戦いが繰り広げられるはず。誰も明日の厳しさは分かっていないので、大きな変動があってもおかしくない。
ステージ7位＆総合3位 サイモン・イェーツ（イギリス、ヴィスマ・リースアバイク）
前の2人（デルトロとカラパス）は僕よりも爆発力があり、彼らが加速すると僕はついていけない。今日はチームとして、作戦通りに走ることができなかった。だからホテルに戻ってみんなと振り返りたい。脚の調子が悪くなかったので、明日もその通りのコンディションであることを願っているよ。
逃げから勝利を狙ったアントニオ・ティベーリ（イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス）
レース序盤に形成された逃げに乗り、そこにペリョ（ビルバオ）も乗ったので力になった。しかし落車の影響で左脚が痛み、絶好調ではなかった。だからアタックに対応できず、プロトンに戻り回復に努めた。その後は最終山岳でダミアーノ（カルーゾ）をアシストした。そこでカラパスとデルトロが飛び出し、僕らも力を尽くしたのだが、どうやら彼らには違うギヤがあるようだ。
ヴィスマ・リースアバイクのマーク・リーフ監督 総合3位のサイモン・イェーツについて語る
チームとして力強い走りができた。レースを通してサイモンは良い走りを見せたが、最後の山岳で30秒を失ってしまった。明日はフィネストレ峠が登場する厳しいステージだ。まだチャンスがあるので、最良の結果を求めて戦い続ける。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
Amazon.co.jp
