スペイン・バルセロナで「ラ・ブエルタ・フェメニーナ」が開幕。8.1kmのチームタイムトライアルで行われた初日、リドル・トレックが最速タイムをマークし、エレン・ファンダイク(オランダ)が昨年大会での落車の悔しさを晴らすリーダージャージ獲得に成功した。

スペインのバルセロナでブエルタ フェメニーナが開幕 photo:A.S.O.
スター選手の活躍に沸いたクラシックシーズンを終え、欧州ロードカレンダーは「ラ・ブエルタ フェメニーナ」を皮切りにグランツールシーズンに突入。バルセロナを駆け抜ける短距離チームタイムトライアルで、トップチーム勢が平均時速50km/hオーバーのハイスピードバトルを繰り広げた。
2015年にワンデーレース「マドリードチャレンジ」として始まり、その後のステージレース化と日数増加を経ながら今年で開催10年目。記念すべき節目の今大会は、5月4日(日)から10日(土)までスペイン北部を東から西に向かう7日間の戦い。バルセロナからアストゥリアスのコトベジョまでの全長748kmを走破する。
2025年大会はバルセロナのカサ・ミラ前からスタートする、8kmの短距離チームタイムトライアルで開幕。その後、カタルーニャ、アラゴン、カスティーリャ・イ・レオンを経て、険しいアストゥリアスの山岳地帯でフィナーレを迎える。総合争い上の重要山岳は第5ステージのラグナス・デ・ネイラと最終第7ステージのコトベリョで、最終ステージは152kmで2,500m以上を登る、大会史上最も過酷な山岳レイアウトだ。

連覇への期待がかかるデミ・フォレリング(オランダ、FDJ・スエズ) photo:A.S.O. 
初日ステージ優勝を挙げるエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック) photo:A.S.O.
出場するのは13のUCI女子ワールドチームと主催者推薦(ワイルドカード枠)の8チームの合計21チーム(1チーム7人x21=147名)。優勝候補筆頭は前回大会覇者であり、今季も総合優勝x1、クラシックレースでのトップ3入りx4という好調ぶりを誇るデミ・フォレリング(オランダ、FDJ・スエズ)で、昨年大会はそれぞれ前チームのエース同士として戦ったジュリエット・ラブース(フランス、昨年総合4位)とエヴィータ・ムジック(フランス、昨年総合5位)という心強いアシストを揃えて連覇に挑む。
フォレリングに挑むのは劇的な一騎打ちでツール・ド・フランス優勝をもぎ取ったカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)や昨年大会2位のリーアンヌ・マルクス(オランダ、リドル・トレック)、現役復活後ストラーデビアンケで2位に入ったアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)といった面々。ヴィスマ・リースアバイクはMTBからツール・ファム優勝を掲げてロード転向し、早速ストラーデビアンケを制したポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)とマリアンヌ・フォス(オランダ)というあらゆる種目・コースに対応できるダブルエース体制で総合成績とステージ優勝量産を狙っている。なお垣田真穂が所属するビーピンク・イマトラ・ボンジョアンニも出場中だが、垣田はメンバー入りしていない。

フェランプレヴォとフォスを擁するヴィスマ・リースアバイク photo:A.S.O.

ファンダイクを先頭に最速タイムで飛び込むリドル・トレック photo:A.S.O.
初日チームタイムトライアルの舞台は、ガウディ建築で有名なカサ・ミラ前を出発し、バルセロナ中心部の主要道路を走る8.1kmコース。平坦で90度コーナーが5つほど。難易度は低いものの、チームTTならではのチーム戦略が結果を左右する。スペインの「母の日」にあたるこの日、出産後に復帰したエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)にとって特別な一日になった。
「Women In Bike」プロジェクトによる150人の女性サイクリストによるパレードを経て、日本時間の午後7時51分に特別ジャージを着用するロット・レディースからスタート。最終組のFDJ・スエズまで3分間隔で21チームがスタートランプを駆け降りた。
9分39秒06を叩き出したピクニック・ポストNLが暫くホットシートを守っていたが、リブ・アルウラー・ジェイコが隊列を崩しながらも6秒更新。しかし中間計測を過ぎて盛り返したリドル・トレックがリブを3秒上回る。SDワークス・プロタイムはリブを0.6秒上回るもリドルには届かず、最終走者FDJ・スエズはリドルから6秒遅れ。こうしてリドルの開幕ステージ優勝と、一番最初にフィニッシュラインに飛び込んだファンダイクのマイヨロホ獲得が決まった。

ステージ優勝を挙げたリドル・トレック photo:A.S.O.

マイヨロホを着用したエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック) photo:A.S.O.
「とても嬉しい。本当にこの勝利を望んでいたから。初日のタイムトライアルはいつも非常に接戦で、短くて速く、すべてを噛み合わせる必要がある。これは非常に特別な勝利」と喜ぶファンダイクは昨年大会の落車でステージ優勝を逃していた。今年は優勝を狙えるなら彼女を最初にフィニッシュさせると事前に打ち合わせていたという。「昨年のことはあまり良い思い出ではないけれど、私はタイムトライアルが大好きだし、特にこのチームと一緒に走るのが好き」とも加えている。
総合成績ではマルクスやファンデルブレッヘン、フォレリング、ニエウィアドマといった面々が順調な滑り出し。一方でこの日はスタート前のバイクチェックに時間がかかりウノエックスが3,4秒遅れたほか、ヴィスマは全員揃わないうちにスタートせざるを得ず20秒遅れでフィニッシュするという波乱も起きている。

スター選手の活躍に沸いたクラシックシーズンを終え、欧州ロードカレンダーは「ラ・ブエルタ フェメニーナ」を皮切りにグランツールシーズンに突入。バルセロナを駆け抜ける短距離チームタイムトライアルで、トップチーム勢が平均時速50km/hオーバーのハイスピードバトルを繰り広げた。
2015年にワンデーレース「マドリードチャレンジ」として始まり、その後のステージレース化と日数増加を経ながら今年で開催10年目。記念すべき節目の今大会は、5月4日(日)から10日(土)までスペイン北部を東から西に向かう7日間の戦い。バルセロナからアストゥリアスのコトベジョまでの全長748kmを走破する。
2025年大会はバルセロナのカサ・ミラ前からスタートする、8kmの短距離チームタイムトライアルで開幕。その後、カタルーニャ、アラゴン、カスティーリャ・イ・レオンを経て、険しいアストゥリアスの山岳地帯でフィナーレを迎える。総合争い上の重要山岳は第5ステージのラグナス・デ・ネイラと最終第7ステージのコトベリョで、最終ステージは152kmで2,500m以上を登る、大会史上最も過酷な山岳レイアウトだ。


出場するのは13のUCI女子ワールドチームと主催者推薦(ワイルドカード枠)の8チームの合計21チーム(1チーム7人x21=147名)。優勝候補筆頭は前回大会覇者であり、今季も総合優勝x1、クラシックレースでのトップ3入りx4という好調ぶりを誇るデミ・フォレリング(オランダ、FDJ・スエズ)で、昨年大会はそれぞれ前チームのエース同士として戦ったジュリエット・ラブース(フランス、昨年総合4位)とエヴィータ・ムジック(フランス、昨年総合5位)という心強いアシストを揃えて連覇に挑む。
フォレリングに挑むのは劇的な一騎打ちでツール・ド・フランス優勝をもぎ取ったカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)や昨年大会2位のリーアンヌ・マルクス(オランダ、リドル・トレック)、現役復活後ストラーデビアンケで2位に入ったアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)といった面々。ヴィスマ・リースアバイクはMTBからツール・ファム優勝を掲げてロード転向し、早速ストラーデビアンケを制したポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)とマリアンヌ・フォス(オランダ)というあらゆる種目・コースに対応できるダブルエース体制で総合成績とステージ優勝量産を狙っている。なお垣田真穂が所属するビーピンク・イマトラ・ボンジョアンニも出場中だが、垣田はメンバー入りしていない。


初日チームタイムトライアルの舞台は、ガウディ建築で有名なカサ・ミラ前を出発し、バルセロナ中心部の主要道路を走る8.1kmコース。平坦で90度コーナーが5つほど。難易度は低いものの、チームTTならではのチーム戦略が結果を左右する。スペインの「母の日」にあたるこの日、出産後に復帰したエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)にとって特別な一日になった。
「Women In Bike」プロジェクトによる150人の女性サイクリストによるパレードを経て、日本時間の午後7時51分に特別ジャージを着用するロット・レディースからスタート。最終組のFDJ・スエズまで3分間隔で21チームがスタートランプを駆け降りた。
9分39秒06を叩き出したピクニック・ポストNLが暫くホットシートを守っていたが、リブ・アルウラー・ジェイコが隊列を崩しながらも6秒更新。しかし中間計測を過ぎて盛り返したリドル・トレックがリブを3秒上回る。SDワークス・プロタイムはリブを0.6秒上回るもリドルには届かず、最終走者FDJ・スエズはリドルから6秒遅れ。こうしてリドルの開幕ステージ優勝と、一番最初にフィニッシュラインに飛び込んだファンダイクのマイヨロホ獲得が決まった。


「とても嬉しい。本当にこの勝利を望んでいたから。初日のタイムトライアルはいつも非常に接戦で、短くて速く、すべてを噛み合わせる必要がある。これは非常に特別な勝利」と喜ぶファンダイクは昨年大会の落車でステージ優勝を逃していた。今年は優勝を狙えるなら彼女を最初にフィニッシュさせると事前に打ち合わせていたという。「昨年のことはあまり良い思い出ではないけれど、私はタイムトライアルが大好きだし、特にこのチームと一緒に走るのが好き」とも加えている。
総合成績ではマルクスやファンデルブレッヘン、フォレリング、ニエウィアドマといった面々が順調な滑り出し。一方でこの日はスタート前のバイクチェックに時間がかかりウノエックスが3,4秒遅れたほか、ヴィスマは全員揃わないうちにスタートせざるを得ず20秒遅れでフィニッシュするという波乱も起きている。
ラ・ブエルタ フェメニーナ2025 第1ステージ
1位 | リドル・トレック | 9.30.25 |
2位 | SDワークス・プロタイム | +2.83 |
3位 | リブ・アルウラー・ジェイコ | +3.46 |
4位 | FDJ・スエズ | +6.69 |
5位 | キャニオン・スラム・ゾンダクリプト | +7.94 |
6位 | ピクニック・ポストNL | +8.94 |
7位 | モビスター | +15.82 |
8位 | EFエデュケーション・オートリー | 16.21 |
9位 | ヒューマンパワードヘルス | 19.86 |
10位 | ヴィスマ・リースアバイク | 20.77 |
個人総合成績
1位 | エレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック) | 9:30 |
2位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、リドル・トレック) | |
3位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、リドル・トレック) | |
4位 | アンナ・ヘンダーソン(イギリス、リドル・トレック) | |
5位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック) | |
6位 | ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:03 |
7位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
8位 | フェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
9位 | フェムケ・マルクス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
10位 | ジョルジア・ベイカー(オーストラリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) |
text:So Isobe
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