スーダル・クイックステップが、69歳のパトリック・ルフェーブル代表の退任を発表した。同氏は2003年からチームの指揮を取り、これまで数々のスター選手を輩出してきた。



2009年パリ〜ルーベを制したトム・ボーネン(ベルギー)を祝福するルフェーブル photo:Cor Vos

12月31日限りで退任するルフェーブルは、プレスリリースで「人生の多くを捧げてきた仕事を離れることは、人生の大きな節目である。自転車競技は私が情熱を注いできたスポーツ。この素晴らしいチームを率いることができ、特別な思い出を作れたことを光栄に思う」と語った。

1980年よりマペイなどで監督を歴任したルフェーブルは、2003年に発足したクイックステップ・ダヴィタモンからジェネラルマネージャー(GM)に就任。後に世界王者となるパオロ・ベッティーニ(イタリア)などの活躍により、初年度から強豪チームを築き上げた。

チームは特にパリ〜ルーベやミラノ〜サンレモなどのワンデーレース、いわゆるモニュメント(5大クラシック)では圧倒的な強さを誇った。

2018年ロンド・ファン・フラーンデレンで選手たちと喜ぶルフェーブル photo:Makoto.AYANO

レムコ・エヴェネプール(ベルギー)とルフェーブル photo:CorVos

近年は、誰もがそれぞれ勝負できる力を持ち、単独でも闘える「ウルフパック(狼の群れ)」をテーマとし、トム・ボーネン(ベルギー)をはじめ、マルセル・キッテル(ドイツ)やジュリアン・アラフィリップ(フランス)、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)といった世界トップ選手を自転車界に送り出してきた。

チームの筆頭株主であるズデニェク・バカラ氏は、「献身と情熱を持って現在のスーダル・クイックステップを作り上げてくれたパトリックに感謝している。彼はスタッフと選手たちの努力について語るが、それはトップに立つ人間によって育まれるもの。彼がその文化を築き上げたことを忘れてはならない」と高く評価した。

後任は今年チームに加入したユルゲン・フォレ氏が務め、ルフェーブルは退任後、名誉理事として新体制をサポートする予定だ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Makoto.AYANO