2024/12/28(土) - 18:00
ウィリエールの国内担当者キット北村さんが2024年前半を振り返るレポート。1月の母校での講演を皮切りに、ウィリエールのアンドレア社長ファミリーの来日がきっかけで生まれたアフリカチャンピオンカラーの開発秘話、初の北海道上陸など、各地での試乗会の様子を紹介。新企画を軸に全国各地でブランドの魅力を伝えた1年間だった。その前半レポートをお届けしよう。
シクロワイアード読者の皆様、今年も残すところあとわずかになりました。
毎年レポートを掲載しておりますが、ネタが多過ぎて記事が長過ぎるとの苦情があり、今年は前半戦と後半戦に分けての掲載と相成りました。それでは前半戦からスタートです!
2024年、皆さんどんな1年でしたか?自転車やパーツの価格の推移は円安ドル高が更に進み、更なる高騰。結果として、消費需要が激減し『需要と供給』のバランスが去年よりもさらにスポーツ自転車業界は崩れ大変な1年となりました。そして、ロシア‐ウクライナ戦争もイスラエル‐ハマス戦争もいつ収束するのだろうか?と世界情勢は大変不安定で、嬉しいニュースは大谷翔平選手のドジャースでの大活躍ぐらいしか思い出せない1年でした。
今年は、例年行われていたイタリアでのウィリエール新型モデル発表会も無くイタリア出張が減り、逆に円安ユーロ高のおかげで、海外の要人が日本に旅行に来てツアーガイドを任される事が多かったです。1年を通してあまり国内の自転車イベントに出られないだろうと思っていました。そんな状態でしたが、今年の営業のテーマは『新企画』という言葉を軸にやってきました。他社ライバルメーカー様も試乗会を頻繁に行うようになっていますので、試乗会やイベントの場で目新しい事をしたいと模索した1年でした。
ここずっと試乗会のテーマは『コラボレーション』がキーワードでしたが、すっかりと成りを潜めました。果たしてイベント・試乗会で生まれた『新企画』とは?
新企画1 金沢での金箔貼り体験からアフリカチャンピオンカラーが生まれる
ウィリエールのアンドレア社長(三男)ファミリーが初来日という事で、2023年の10月には、『2024年アンドレアファミリー日本観光ツアー』の企画立案、宿泊施設の手配、観光地までの移動手段、その他諸々全て私にスケジュールを丸投げされたのである(笑)。大阪→京都→飛騨高山&白川郷→金沢→東京と約10日間もツアーガイドしたのだが、そこで奇跡が生まれました!
新企画2 試乗会を開催するには難しい立地条件の販売店で初の試乗会!北海道にも初上陸!
長いことウィリエールをご贔屓にしてくださっている販売店の中で、立地条件的に試乗会開催が難しいお店が幾つかありました。他社ライバルメーカー様もそういった店舗では試乗会が出来ないため、試乗車を期間限定で貸し出しを行ったりされていました。場所等の制約条件はありますが、そういったお店での試乗会を敢行!また、イベント出展と試乗会で北海道初上陸しました!
新企画3 久しぶりに講演会で教壇に立つ
2年前の母校の文化祭でのホームカミングデイがきっかけで、広島学院中学・高等学校にて講演を行った。(元々キット北村は日本とカリフォルニア州の理科教師である)もう20年前になる理科教師時代に、当時始まったばかりの環境教育に携わっていたのだが、まさかこんなにも一気に世界各地で大きな気候変動が起こるなんて20年前には思ってもみなかった。気候変動はスポーツ自転車界にも影響を及ぼし、悪天候により本年度の王滝のMTBレースやツール・ド・沖縄も中止となり、日本各地で記録的な水害や干ばつが起こっている。
現在、私はスポーツバイクに携わっているが、『災害が起こった時にガソリンを使わない移動手段としての自転車』や『公共交通機関の無いエリアでの移動手段としての自転車』は、今後のグラベルバイクやE-BIKEの可能性を秘め、中学生や高校生が大学生になってから憧れる免許(車やオートバイ)ではなく、身近な自転車に興味を持って欲しい気持ちがあったので、人生観や環境教育も交え講演を行いました。
試乗会&イベントレポート
1月 講演会後、イタリア出張
もう高校を卒業して約30年経過し、学校の先生を辞めて20年が経過しようとしています。大学卒業後アメリカに移住して呑気にマウンテンバイクを楽しむ人生計画であった私が、まさかウィリエールのロードバイクを売っていて、頻繁にヨーロッパに行くなんて!運命とは本当に不思議なものですね。
さて、年末年始で広島に帰省している際に母校の広島学院中学・高等学校のペドロ・アルペ記念講堂にて講演を行いました。自分が学生だった頃、広島の超進学校の母校では、スポーツサイクルに乗る超マニアックな異端児の学生なんて私以外誰一人としていませんでしたが、現在は幾名かの教員や生徒さんがロードバイクに乗っているとの事、ここ20年の自転車に関するアニメ・漫画の影響を強く感じました。
講演会を終えて、2025年度のモデルのミーティングでイタリアへと渡りました。イタリアでの2025年モデルのミーティングの内容はシクロワイアードで掲載された、Verticale SLRのお話、キット北村のモニュメントを制する旅やプロロゴの裏話にてご確認ください。
プロロゴ社では女性陣の力が強いので、キット北村は必ず菓子折りを持ってオフィスに向かいます!プロロゴ社は会社が若く、働いているスタッフも若いので活気がありますね。これだけの人数で世界中のレースイベントに出展しているプロロゴスタッフもなかなか大変そうです。さて、プロロゴ本社のご近所にはFSA社やコルナゴ社があり、私の立場上訪問は出来ませんが、いつかファクトリーツアー出来たら良いなぁ!と考えております。
プロロゴ社でのミーティングが終えると、ウィリエール社へと移動です。ウィリエールの新入社員らと夜な夜な飲みニケーションをしております。オフィスでは偶然、元ウィリエール・セッレイタリアチームのルカ・シント監督と再会。相変わらずパワフルな監督で現在はチームフランコ・バッレリーニ・コラテックチームの監督をされています。
2月 初めて、大分のイベントに出展
大分と言えばサイクルショップコダマさん、児玉社長が大黒柱の大分サイクルエキスポ2024に初出展しました。エキスポは2日間開催されましたが、初日の夜に開催された懇親会がメインイベントではなかろうか?というぐらい盛り上がりました。大分県は肉も魚も野菜も美味しいですね。大分県の温泉の湯温が熱すぎるのだけが、なかなか馴染めませんが仕事では無くゆっくりと大分県を旅したいものです
大分県でのイベントを終え、久しぶりに宮崎県の道の駅:高岡ビタミン館でのヤーボー試乗会です。ヤーボーさんは生粋のウィリエール乗りで、宮崎駅裏に移転されているので、ウィリエール乗りの皆様が宮崎に遠征に行く際にはぜひお立ち寄りください。九州の中でも一番好きな宮崎県、気候も良いし、アウトドアスポーツをするには最高。道の駅ビタミン館のお土産の定番はマンゴーを使った洋菓子や青島せんべいや柑橘類もありますが、スタッフの一押しはまさかの『無限なめ茸』とは!
3月 台北ショーそして、ウィリエールのアンドレア社長ファミリー日本ツアー
3月上旬、台北ショーは3月下旬が多いイメージですが今年は3月初旬でした。台湾ではウィリエールの新しいディストリビューター:サーマルテイク社の活動が始まり、大きなコンセプトストアを台北の一等地に出店されたのでお邪魔しました。凄くきれいで巨大な店舗、従業員も数名いたので、『この巨大な台北旗艦店:プントロッソ台北を維持できるくらい台湾ではウィリエールが爆発的に売れているのか?』と大変驚きました。サーマルテイク社はパソコン業界では有名な会社だそうで、現在はタイのディストリビューターも兼ねているそうです。
プントロッソ台北を訪問後には中国で有名自転車ブランドを扱っている友人達と情報交換を行いました。中国では沢山のスポーツサイクル専門店がオープンしているそうです。
3月下旬、ウィリエールのアンドレア社長(三男)ファミリーが半年前から計画していた日本観光ツアーを敢行。様々なリクエストを取り入れつつ、ウィリエールディーラーへも旅の合間に訪問。大阪ではワイズロード大阪さんとカンザキ上新庄店さん、東京ではワイズロード新宿本館さんとプントロッソ東京さんにお邪魔しました。観光としては、アンドレア社長ファミリーのリクエストがあり、京都で嵐山竹林の小径を、金沢で金箔貼り体験を行いました。それらにインスパイアされた結果、アフリカンチャンピオンのヘノック・ムルブラン選手のデザインが完成しました。若草色と金箔デザインは今までのウィリエールには無い新しい試みでした。このように実はウィリエールのデザインやモデルは日本で突如決まる事も多いのです。
例えば、およそ11年前の東急東横線でエンリコ社長(長男)が『おいキット、次のエアロバイクの名前何が良い?』と聞かれて、私はちょうどiPad AirとMacbook Airを購入したタイミングだったので『Cento1 Air(チェント1エアー)はどうかな?』と答えたら、『じゃあ、それで行こう!』とCento1 Airのモデル名が決まりました。ウィリエールトリビアの1つですね。
大阪からスタートしたアンドレア社長ファミリー日本ツアーは最終地点・東京の超弱虫ペダル展(連載15周年突破記念)でゴールを迎えました。ちなみに弱虫ペダルの葦木場拓斗選手が乗るマリアローザ色のバイクはミケーレ・スカルポーニ選手のバイクと瓜二つ、実はミケーレ・スカルポーニ選手の実機は日本の横浜近辺のウィリエールファンが乗っています。
4月 不良社員はモニュメントを制する旅に
4月中旬、4つ目のモニュメントとアムステルゴールドレースを制するため、ベルギーとオランダへと渡欧しました。いつもベルギーの友達に振り回されDNSの危機に陥りますが、無事に4つ目のモニュメントを制し5大モニュメント制覇に遂にリーチがかかりました。さすがにここまで来ると、試乗会やイベント等で一般ユーザーさんや同業他社の営業さんから『キットさん頑張ってください!』とお声を掛けられる事が増えました。一般ユーザーの中にはヨーロッパやアメリカのレースへのアドバイスを求めてくる方も出てきたので、微力ながら私の活動が日本のスポーツ自転車業界を盛り上げる一手になっていればと願っております。
昨年の私のイル・ロンバルディアの記事がキッカケで、クラシックレースの師匠である宇賀神善之さんがイル・ロンバルディアを制し、遂に師匠と弟子が最後の戦いに2025年に臨むのか?二人とも2025年のヨーロッパ遠征にはかなり資金不足なので、最後の戦いは2026年になりそうだ。
チームEFコーチングプレゼンツ!フルサポートで臨むイル・ロンバルディア市民レース体験記
https://www.cyclowired.jp/news/node/388976
5月 愛知にて
例年5月は福井県の試乗会に赴くのですが、今年は愛知県の日進市と稲沢市で試乗会を行いました。日進市にあるクエスト日進さんでのウィリエール試乗会は初。この春に限定発売したGTR-Teamリミテッドエディションを購入されたお客様が御礼を言いにご来店されました。『定年退職して年金生活、新しいスポーツ自転車が欲しかったけれど、欲しいと思うスペックの商品が高くて買えない。しかし、このGTR-Team LEはカラーもスペックもドンピシャでした!』との話。物価上昇は日々の生活にズシリと圧し掛かっていますね。キット北村も最近新しい自転車を買っておりませんね。
テックスポーツさんでの試乗会はテックスポーツ店長の子供達がお客さんを接待してくれました。さすが、愛知のミスターウィリエールです。稲沢市で今秋、Verticale SLRがバカ売れしております。ありがたや~!
6月 新宿にて
大都会東京のど真ん中、ワイズロード新宿本館さんでのウィリエール試乗会は初。地下1階に店舗があり、試乗会テントを張るスペースも無いので、今まで重い腰が上がらなかったけれど、今回、ワイズロード新宿本館のスタッフの皆さんのアイディアを元に試乗会を2日間開催しました。さすが新宿です、沢山の外国人が店舗に訪れ、小生も通訳のお手伝いをさせて頂きました。2日間の間にウィリエール乗りのスタッフやプロロゴサドルを使ってくれているスタッフさん、広島出身のスタッフを中心に飲みニケーション!ワイズロード新宿本館さん近くの沖縄料理屋で『かりーさびら!(乾杯しましょう!)』!皆、終電近くまで語らいました。
7月 山口、広島にて
7月中旬、山口県の試乗会からVerticale SLRがデビューしました。サイクルラボヤマダさんはエントリーからハイエンドまで沢山のお客さんが集まるお店。お店の裏手には観光列車の停まる湯田温泉駅があり、デゴイチと一緒にVerticale SLRを撮影しました。天気が良ければ、もっと良い写真になったのに残念でした。
広島へと移動してワイズロード広島店での試乗会です。スタッフさんにウィリエール乗りも多く、カベンディッシュカラーのお客さんも試乗会に来られて、ワイズロード広島店はウィリエール推しです。試乗会では多くの中学・高校生が来店してくれて、母校の後輩達も応援に来てくれました。若い学生さんがウィリエール試乗会に沢山来てくれるのはワイズロード広島店の試乗会だけです。
試乗会が終った後は、日本全国からブルべを嗜む猛者どもが集まるワインバー500(チンクエチェント)にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ完走のご報告。このオシャレなワインバーは広島駅の裏にあり、自転車乗りはもちろん広島のサラリーマンの心を鷲掴みにしています。ワインバーのマスターはパリ~ブレスト~パリを完走した猛者なので、興味のある方はぜひ美味しいワインの肴にマスターの話を是非お聞きください!
8月 プロロゴのサルヴァトーレGMファミリー日本ツアー&初の北海道上陸
7月下旬、突如プロロゴ本社から連絡が…。『日本に行くから、大阪&京都観光と岡山のデニムジーンズ作りを学びたいのでデニム工場に問い合わせてくれ!』とのメールが入る。来日まで3週間を切っており『もっと早くに連絡してよ!』と怒っても仕方がない。ベックオンさんとワイズロード京都さん、ワイズロード大阪さんにサルヴァトーレさんが訪問する可能性があることを連絡し、京都のホテルやレストランを急ピッチで予約しました。
京都で和菓子作りや神社仏閣の見学、そして日本庭園を楽しんだサルヴァトーレGMファミリーは終始ご機嫌。特に金閣寺がお気に召したようだった。大阪&京都ツアーガイドの御礼にポガチャルのサイン入りサドルを頂きました。
そして、8月は初の北海道上陸!余談ですが、実はキット北村の日本の県庁所在地1都1道2府43県完全制覇をこの北海道出張で成し遂げました!もう日本に思い残す事は無い気がします。さて、北海道の試乗会は札幌にあるサイクルショップおかべさんで行いました。初めてのウィリエール試乗会という事で沢山のお客様が来場してくれました。おかべ店長の奥様がウィリエール乗りで、札幌でのウィリエールの啓蒙活動をしてくれています。ありがたや~。
札幌の夜は試乗会後の疲れた身体に、冷たいノンアルコールビールが染みわたり、ジンギスカンが旨い!北海道の海鮮系スープカレーも度肝を抜く旨さでした!毎年北海道に出張に来たいです!
試乗会翌日は岩見沢市で“そらちグルメフォンド”に初出展です。北海道はサイクリストに最高の場所ですね。イベントにはE-BIKEで参加されている中高年の方も多く、自分もそろそろE-BIKEでエンジョイサイクリングしたいと思いました。岩見沢の夜はたまたま夏祭りが行われていて素敵な夜を過ごせました。
今年の夏のイベントは再びRide to 獺祭です。実家に帰省する夏休み前に、ギリギリに新型ヘルメットが到着しました。マウンテンバイク友達で現在OGKカブトの敏腕係長:和田良平氏に、3月の台北ショー会場で注文していたヘルメットをようやく受け取りました。今後、ヨーロッパでの過酷なクラシックレースに対応するために、和田さんには“軽くて涼しいヘルメット”と“エアロヘルメット”の2種類を用意してもらいました。
デカ頭北村、ここ数年、ずっとチェコのウィリエールディストリビューターであるフォース社のヘルメットを使っていましたが、久しぶりにジャパンブランド:OGKカブトヘルメットに復帰です!ヘルメットが軽くなって、走りも軽くなりました。何より涼しくて最高!カッコイイデザインのエアロヘルメットはミラノ~サンレモの海岸沿いで役に立ってくれる事でしょう。軽量ヘルメットの方がちょっとシンプルなデザインなので、タトゥーアーティストの友達に『ピンストライプか何かしてもらおうかな?』と思っております。
2024ウィリエール試乗会&イベント報告!全国試乗会行脚2024後半戦、“第2回Ride to 獺祭2024 & 周防大島ライド”へとつづく…
Report:Kitto Kitamura
シクロワイアード読者の皆様、今年も残すところあとわずかになりました。
毎年レポートを掲載しておりますが、ネタが多過ぎて記事が長過ぎるとの苦情があり、今年は前半戦と後半戦に分けての掲載と相成りました。それでは前半戦からスタートです!
2024年、皆さんどんな1年でしたか?自転車やパーツの価格の推移は円安ドル高が更に進み、更なる高騰。結果として、消費需要が激減し『需要と供給』のバランスが去年よりもさらにスポーツ自転車業界は崩れ大変な1年となりました。そして、ロシア‐ウクライナ戦争もイスラエル‐ハマス戦争もいつ収束するのだろうか?と世界情勢は大変不安定で、嬉しいニュースは大谷翔平選手のドジャースでの大活躍ぐらいしか思い出せない1年でした。
今年は、例年行われていたイタリアでのウィリエール新型モデル発表会も無くイタリア出張が減り、逆に円安ユーロ高のおかげで、海外の要人が日本に旅行に来てツアーガイドを任される事が多かったです。1年を通してあまり国内の自転車イベントに出られないだろうと思っていました。そんな状態でしたが、今年の営業のテーマは『新企画』という言葉を軸にやってきました。他社ライバルメーカー様も試乗会を頻繁に行うようになっていますので、試乗会やイベントの場で目新しい事をしたいと模索した1年でした。
ここずっと試乗会のテーマは『コラボレーション』がキーワードでしたが、すっかりと成りを潜めました。果たしてイベント・試乗会で生まれた『新企画』とは?
新企画1 金沢での金箔貼り体験からアフリカチャンピオンカラーが生まれる
ウィリエールのアンドレア社長(三男)ファミリーが初来日という事で、2023年の10月には、『2024年アンドレアファミリー日本観光ツアー』の企画立案、宿泊施設の手配、観光地までの移動手段、その他諸々全て私にスケジュールを丸投げされたのである(笑)。大阪→京都→飛騨高山&白川郷→金沢→東京と約10日間もツアーガイドしたのだが、そこで奇跡が生まれました!
新企画2 試乗会を開催するには難しい立地条件の販売店で初の試乗会!北海道にも初上陸!
長いことウィリエールをご贔屓にしてくださっている販売店の中で、立地条件的に試乗会開催が難しいお店が幾つかありました。他社ライバルメーカー様もそういった店舗では試乗会が出来ないため、試乗車を期間限定で貸し出しを行ったりされていました。場所等の制約条件はありますが、そういったお店での試乗会を敢行!また、イベント出展と試乗会で北海道初上陸しました!
新企画3 久しぶりに講演会で教壇に立つ
2年前の母校の文化祭でのホームカミングデイがきっかけで、広島学院中学・高等学校にて講演を行った。(元々キット北村は日本とカリフォルニア州の理科教師である)もう20年前になる理科教師時代に、当時始まったばかりの環境教育に携わっていたのだが、まさかこんなにも一気に世界各地で大きな気候変動が起こるなんて20年前には思ってもみなかった。気候変動はスポーツ自転車界にも影響を及ぼし、悪天候により本年度の王滝のMTBレースやツール・ド・沖縄も中止となり、日本各地で記録的な水害や干ばつが起こっている。
現在、私はスポーツバイクに携わっているが、『災害が起こった時にガソリンを使わない移動手段としての自転車』や『公共交通機関の無いエリアでの移動手段としての自転車』は、今後のグラベルバイクやE-BIKEの可能性を秘め、中学生や高校生が大学生になってから憧れる免許(車やオートバイ)ではなく、身近な自転車に興味を持って欲しい気持ちがあったので、人生観や環境教育も交え講演を行いました。
試乗会&イベントレポート
1月 講演会後、イタリア出張
もう高校を卒業して約30年経過し、学校の先生を辞めて20年が経過しようとしています。大学卒業後アメリカに移住して呑気にマウンテンバイクを楽しむ人生計画であった私が、まさかウィリエールのロードバイクを売っていて、頻繁にヨーロッパに行くなんて!運命とは本当に不思議なものですね。
さて、年末年始で広島に帰省している際に母校の広島学院中学・高等学校のペドロ・アルペ記念講堂にて講演を行いました。自分が学生だった頃、広島の超進学校の母校では、スポーツサイクルに乗る超マニアックな異端児の学生なんて私以外誰一人としていませんでしたが、現在は幾名かの教員や生徒さんがロードバイクに乗っているとの事、ここ20年の自転車に関するアニメ・漫画の影響を強く感じました。
講演会を終えて、2025年度のモデルのミーティングでイタリアへと渡りました。イタリアでの2025年モデルのミーティングの内容はシクロワイアードで掲載された、Verticale SLRのお話、キット北村のモニュメントを制する旅やプロロゴの裏話にてご確認ください。
プロロゴ社では女性陣の力が強いので、キット北村は必ず菓子折りを持ってオフィスに向かいます!プロロゴ社は会社が若く、働いているスタッフも若いので活気がありますね。これだけの人数で世界中のレースイベントに出展しているプロロゴスタッフもなかなか大変そうです。さて、プロロゴ本社のご近所にはFSA社やコルナゴ社があり、私の立場上訪問は出来ませんが、いつかファクトリーツアー出来たら良いなぁ!と考えております。
プロロゴ社でのミーティングが終えると、ウィリエール社へと移動です。ウィリエールの新入社員らと夜な夜な飲みニケーションをしております。オフィスでは偶然、元ウィリエール・セッレイタリアチームのルカ・シント監督と再会。相変わらずパワフルな監督で現在はチームフランコ・バッレリーニ・コラテックチームの監督をされています。
2月 初めて、大分のイベントに出展
大分と言えばサイクルショップコダマさん、児玉社長が大黒柱の大分サイクルエキスポ2024に初出展しました。エキスポは2日間開催されましたが、初日の夜に開催された懇親会がメインイベントではなかろうか?というぐらい盛り上がりました。大分県は肉も魚も野菜も美味しいですね。大分県の温泉の湯温が熱すぎるのだけが、なかなか馴染めませんが仕事では無くゆっくりと大分県を旅したいものです
大分県でのイベントを終え、久しぶりに宮崎県の道の駅:高岡ビタミン館でのヤーボー試乗会です。ヤーボーさんは生粋のウィリエール乗りで、宮崎駅裏に移転されているので、ウィリエール乗りの皆様が宮崎に遠征に行く際にはぜひお立ち寄りください。九州の中でも一番好きな宮崎県、気候も良いし、アウトドアスポーツをするには最高。道の駅ビタミン館のお土産の定番はマンゴーを使った洋菓子や青島せんべいや柑橘類もありますが、スタッフの一押しはまさかの『無限なめ茸』とは!
3月 台北ショーそして、ウィリエールのアンドレア社長ファミリー日本ツアー
3月上旬、台北ショーは3月下旬が多いイメージですが今年は3月初旬でした。台湾ではウィリエールの新しいディストリビューター:サーマルテイク社の活動が始まり、大きなコンセプトストアを台北の一等地に出店されたのでお邪魔しました。凄くきれいで巨大な店舗、従業員も数名いたので、『この巨大な台北旗艦店:プントロッソ台北を維持できるくらい台湾ではウィリエールが爆発的に売れているのか?』と大変驚きました。サーマルテイク社はパソコン業界では有名な会社だそうで、現在はタイのディストリビューターも兼ねているそうです。
プントロッソ台北を訪問後には中国で有名自転車ブランドを扱っている友人達と情報交換を行いました。中国では沢山のスポーツサイクル専門店がオープンしているそうです。
3月下旬、ウィリエールのアンドレア社長(三男)ファミリーが半年前から計画していた日本観光ツアーを敢行。様々なリクエストを取り入れつつ、ウィリエールディーラーへも旅の合間に訪問。大阪ではワイズロード大阪さんとカンザキ上新庄店さん、東京ではワイズロード新宿本館さんとプントロッソ東京さんにお邪魔しました。観光としては、アンドレア社長ファミリーのリクエストがあり、京都で嵐山竹林の小径を、金沢で金箔貼り体験を行いました。それらにインスパイアされた結果、アフリカンチャンピオンのヘノック・ムルブラン選手のデザインが完成しました。若草色と金箔デザインは今までのウィリエールには無い新しい試みでした。このように実はウィリエールのデザインやモデルは日本で突如決まる事も多いのです。
例えば、およそ11年前の東急東横線でエンリコ社長(長男)が『おいキット、次のエアロバイクの名前何が良い?』と聞かれて、私はちょうどiPad AirとMacbook Airを購入したタイミングだったので『Cento1 Air(チェント1エアー)はどうかな?』と答えたら、『じゃあ、それで行こう!』とCento1 Airのモデル名が決まりました。ウィリエールトリビアの1つですね。
大阪からスタートしたアンドレア社長ファミリー日本ツアーは最終地点・東京の超弱虫ペダル展(連載15周年突破記念)でゴールを迎えました。ちなみに弱虫ペダルの葦木場拓斗選手が乗るマリアローザ色のバイクはミケーレ・スカルポーニ選手のバイクと瓜二つ、実はミケーレ・スカルポーニ選手の実機は日本の横浜近辺のウィリエールファンが乗っています。
4月 不良社員はモニュメントを制する旅に
4月中旬、4つ目のモニュメントとアムステルゴールドレースを制するため、ベルギーとオランダへと渡欧しました。いつもベルギーの友達に振り回されDNSの危機に陥りますが、無事に4つ目のモニュメントを制し5大モニュメント制覇に遂にリーチがかかりました。さすがにここまで来ると、試乗会やイベント等で一般ユーザーさんや同業他社の営業さんから『キットさん頑張ってください!』とお声を掛けられる事が増えました。一般ユーザーの中にはヨーロッパやアメリカのレースへのアドバイスを求めてくる方も出てきたので、微力ながら私の活動が日本のスポーツ自転車業界を盛り上げる一手になっていればと願っております。
昨年の私のイル・ロンバルディアの記事がキッカケで、クラシックレースの師匠である宇賀神善之さんがイル・ロンバルディアを制し、遂に師匠と弟子が最後の戦いに2025年に臨むのか?二人とも2025年のヨーロッパ遠征にはかなり資金不足なので、最後の戦いは2026年になりそうだ。
チームEFコーチングプレゼンツ!フルサポートで臨むイル・ロンバルディア市民レース体験記
https://www.cyclowired.jp/news/node/388976
5月 愛知にて
例年5月は福井県の試乗会に赴くのですが、今年は愛知県の日進市と稲沢市で試乗会を行いました。日進市にあるクエスト日進さんでのウィリエール試乗会は初。この春に限定発売したGTR-Teamリミテッドエディションを購入されたお客様が御礼を言いにご来店されました。『定年退職して年金生活、新しいスポーツ自転車が欲しかったけれど、欲しいと思うスペックの商品が高くて買えない。しかし、このGTR-Team LEはカラーもスペックもドンピシャでした!』との話。物価上昇は日々の生活にズシリと圧し掛かっていますね。キット北村も最近新しい自転車を買っておりませんね。
テックスポーツさんでの試乗会はテックスポーツ店長の子供達がお客さんを接待してくれました。さすが、愛知のミスターウィリエールです。稲沢市で今秋、Verticale SLRがバカ売れしております。ありがたや~!
6月 新宿にて
大都会東京のど真ん中、ワイズロード新宿本館さんでのウィリエール試乗会は初。地下1階に店舗があり、試乗会テントを張るスペースも無いので、今まで重い腰が上がらなかったけれど、今回、ワイズロード新宿本館のスタッフの皆さんのアイディアを元に試乗会を2日間開催しました。さすが新宿です、沢山の外国人が店舗に訪れ、小生も通訳のお手伝いをさせて頂きました。2日間の間にウィリエール乗りのスタッフやプロロゴサドルを使ってくれているスタッフさん、広島出身のスタッフを中心に飲みニケーション!ワイズロード新宿本館さん近くの沖縄料理屋で『かりーさびら!(乾杯しましょう!)』!皆、終電近くまで語らいました。
7月 山口、広島にて
7月中旬、山口県の試乗会からVerticale SLRがデビューしました。サイクルラボヤマダさんはエントリーからハイエンドまで沢山のお客さんが集まるお店。お店の裏手には観光列車の停まる湯田温泉駅があり、デゴイチと一緒にVerticale SLRを撮影しました。天気が良ければ、もっと良い写真になったのに残念でした。
広島へと移動してワイズロード広島店での試乗会です。スタッフさんにウィリエール乗りも多く、カベンディッシュカラーのお客さんも試乗会に来られて、ワイズロード広島店はウィリエール推しです。試乗会では多くの中学・高校生が来店してくれて、母校の後輩達も応援に来てくれました。若い学生さんがウィリエール試乗会に沢山来てくれるのはワイズロード広島店の試乗会だけです。
試乗会が終った後は、日本全国からブルべを嗜む猛者どもが集まるワインバー500(チンクエチェント)にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ完走のご報告。このオシャレなワインバーは広島駅の裏にあり、自転車乗りはもちろん広島のサラリーマンの心を鷲掴みにしています。ワインバーのマスターはパリ~ブレスト~パリを完走した猛者なので、興味のある方はぜひ美味しいワインの肴にマスターの話を是非お聞きください!
8月 プロロゴのサルヴァトーレGMファミリー日本ツアー&初の北海道上陸
7月下旬、突如プロロゴ本社から連絡が…。『日本に行くから、大阪&京都観光と岡山のデニムジーンズ作りを学びたいのでデニム工場に問い合わせてくれ!』とのメールが入る。来日まで3週間を切っており『もっと早くに連絡してよ!』と怒っても仕方がない。ベックオンさんとワイズロード京都さん、ワイズロード大阪さんにサルヴァトーレさんが訪問する可能性があることを連絡し、京都のホテルやレストランを急ピッチで予約しました。
京都で和菓子作りや神社仏閣の見学、そして日本庭園を楽しんだサルヴァトーレGMファミリーは終始ご機嫌。特に金閣寺がお気に召したようだった。大阪&京都ツアーガイドの御礼にポガチャルのサイン入りサドルを頂きました。
そして、8月は初の北海道上陸!余談ですが、実はキット北村の日本の県庁所在地1都1道2府43県完全制覇をこの北海道出張で成し遂げました!もう日本に思い残す事は無い気がします。さて、北海道の試乗会は札幌にあるサイクルショップおかべさんで行いました。初めてのウィリエール試乗会という事で沢山のお客様が来場してくれました。おかべ店長の奥様がウィリエール乗りで、札幌でのウィリエールの啓蒙活動をしてくれています。ありがたや~。
札幌の夜は試乗会後の疲れた身体に、冷たいノンアルコールビールが染みわたり、ジンギスカンが旨い!北海道の海鮮系スープカレーも度肝を抜く旨さでした!毎年北海道に出張に来たいです!
試乗会翌日は岩見沢市で“そらちグルメフォンド”に初出展です。北海道はサイクリストに最高の場所ですね。イベントにはE-BIKEで参加されている中高年の方も多く、自分もそろそろE-BIKEでエンジョイサイクリングしたいと思いました。岩見沢の夜はたまたま夏祭りが行われていて素敵な夜を過ごせました。
今年の夏のイベントは再びRide to 獺祭です。実家に帰省する夏休み前に、ギリギリに新型ヘルメットが到着しました。マウンテンバイク友達で現在OGKカブトの敏腕係長:和田良平氏に、3月の台北ショー会場で注文していたヘルメットをようやく受け取りました。今後、ヨーロッパでの過酷なクラシックレースに対応するために、和田さんには“軽くて涼しいヘルメット”と“エアロヘルメット”の2種類を用意してもらいました。
デカ頭北村、ここ数年、ずっとチェコのウィリエールディストリビューターであるフォース社のヘルメットを使っていましたが、久しぶりにジャパンブランド:OGKカブトヘルメットに復帰です!ヘルメットが軽くなって、走りも軽くなりました。何より涼しくて最高!カッコイイデザインのエアロヘルメットはミラノ~サンレモの海岸沿いで役に立ってくれる事でしょう。軽量ヘルメットの方がちょっとシンプルなデザインなので、タトゥーアーティストの友達に『ピンストライプか何かしてもらおうかな?』と思っております。
2024ウィリエール試乗会&イベント報告!全国試乗会行脚2024後半戦、“第2回Ride to 獺祭2024 & 周防大島ライド”へとつづく…
Report:Kitto Kitamura
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