国内最大規模を誇るステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」が、明日5月19日にスタートする。8日間8ステージの日程と出場チームをプレビュー。あわせて、堺市内で行われた記者会見の模様をお伝えする。



昨年大会は晴れ続きだったツアー・オブ・ジャパン 今年も暑さの中でのレースになりそう photo:Satoru Kato

今年のツアー・オブ・ジャパンは、UCIアジアツアー2.2クラスのレースとして開催される。昨年までの2.1クラスに比べてグレードが下がることになるが、8日間8ステージという世界的に見ても珍しい規模での開催形態は変わらない(グランツールなどを除き、ステージレースは5日間開催が標準)。

8日間の日程は以下表の通り。富士山ステージは富士スピードウェイ前スタート+東京五輪タイムトライアルコース周回が復活して66.6kmのステージとなる。その他のステージに大きな変更はなく、5日間の総距離は769.5km、総獲得標高は11,419mとなる。
ツアー・オブ・ジャパン2024 日程
日付 ステージ・開催地 距離
5月19日 第1ステージ 堺 2.6km(個人タイムトライアル)
5月20日 第2ステージ 京都 103.6km
5月21日 第3ステージ いなべ 127km
5月22日 第4ステージ 美濃 137.3km
5月23日 第5ステージ 信州飯田 120.9km
5月24日 第6ステージ 富士山 66.6km
5月25日 第7ステージ 相模原 107.5km
5月26日 第8ステージ 東京 104km
今年も富士山での結果が個人総合を決めるか photo:Satoru Kato

例年の展開は第5ステージの信州飯田以降で個人総合優勝争いが大きく動き出す。やはり今年も第6ステージの富士山が最終結果を左右することになるのか。

出場チーム 海外チーム欠場により宇都宮ブリッツェンが繰り上げ出場

出場チームは海外6チーム、国内8チーム、大学1チーム、日本ナショナルチームの計16チーム。当初予定されていたトルコのベイコズ・ベレディエ・スポル・テュルキエが欠場となり、代わって宇都宮ブリッツェンが出場することになった。
ツアー・オブ・ジャパン2024 出場チーム
海外チーム
トレンガヌ・サイクリングチーム(マレーシア) ルージャイ・インシュランス(タイ)
アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム(カザフスタン) セント・パイラン(イギリス)
チーム・ブリッジレーン(オーストラリア) NIPPO・EF・マルティーグ(フランス)
国内チーム
JCLチーム右京 キナンレーシングチーム
ヴィクトワール広島 マトリックスパワータグ
レバンテフジ静岡 愛三工業レーシングチーム
シマノレーシング 日本ナショナルチーム
京都産業大学
個人総合3連勝に挑むネイサン・アール(JCLチーム右京) photo:Satoru Kato

注目は、JCLチーム右京のネイサン・アールが個人総合3連覇達成なるか、だろう。直前に行われたツール・ド・熊野で個人総合2連覇した岡篤志と、強力なアシストを見せた増田成幸をあえて外し、マッテオ・マルチェッリとジョバンニ・カルボーニらイタリア人選手2名を初めて国内レースに招聘。小石祐馬、石橋学、山本大喜ら強力な日本人選手も揃えて万全の体制で臨む。

ツール・ド・熊野で登りの強さを見せたクドゥス・メルハウィ・ゲブレメディン(トレンガヌ・サイクリングチーム) photo:Satoru Kato

アジアツアーランキング上位のトレンガヌ・サイクリングチームとルージャイ・インシュランスはツール・ド・熊野から引き続き参戦。特にトレンガヌ・サイクリングチームのクドゥス・メルハウィ・ゲブレメディンは、ツール・ド・熊野第2ステージで見せた登りの強さを発揮する場面がありそうだ。

昨年のツール・ド・九州に出場したアスタナ・カザクスタンチーム photo:Satoru Kato

アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチームからは、アレクサンドル・ヴィノクロフの双子の息子、ニコラスとアレクサンドルの2人が出場する。昨年のツール・ド・九州にアスタナ・カザクスタンのメンバーとして出場し、個人総合優勝に貢献。今回もワールドチームの育成チームとしての強さを見せるか。

日本ナショナルチームとして出場する窪木一茂の東京ステージ3回目の優勝が見られるか? photo:Satoru Kato

チームブリヂストンサイクリングは出場しないものの、パリ五輪トラック中距離メンバーを中心に構成された日本ナショナルチームが出場する。4月に行われたJプロツアーではパリ五輪に向けて強化してきた結果の一端を見せて3連勝したが、このツアー・オブ・ジャパンではどうか?



前日記者会見はネイサン・アールら4選手が出席

さかい利晶の杜で行われた前日記者会見 photo:Satoru Kato

前日記者会見に出席した4選手 左から、ネイサン・アール(JCLチーム右京)、ニコラス・ヴィノクロフ(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム)、マシュー・グリーンウッド(チームブリッジレーン)寺田吉騎(シマノレーシング) photo:Satoru Kato

18日午後5時から、堺市内にある「さかい利晶の杜」で行われた前日記者会見には、3連覇を目指すネイサン・アール(JCLチーム右京)と、ニコラス・ヴィノクロフ(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム)、マシュー・グリーンウッド(チームブリッジレーン)寺田吉騎(シマノレーシング)ら若手選手が出席して行われた。

勝負のポイントとなるステージを問われると、やはり富士山ステージの名前が挙げられた。アールは「毎日が難しいレースになり、コントロールが難しいので、各ステージでタイムを落とさないことが重要になってくる」と、3連覇に向け慎重な言葉を選ぶ。一方、初出場となるヴィノクロフとグリーンウッドは、勝てるステージで狙っていきたいとコメント。寺田も「ステージ優勝を狙っていきたい」と話した。

記者会見後は茶の湯体験 photo:Satoru Kato
慣れた手つきのネイサン・アール(JCLチーム右京) photo:Satoru Kato
お菓子を頬張る寺田吉騎(シマノレーシング) photo:Satoru Kato



明日は午前10時50分から、前哨戦とも言える「堺国際クリテリウム」がスタート。午後1時35分からツアー・オブ・ジャパン第1ステージの個人タイムトライアルが行われる。レースの模様はライブ中継されるので、下記リンクをご参照いただきたい。


text&photo:Satoru Kato

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