4日後に開幕するヴォルタ・アン・アルガルヴェを前にポルトガルでフィゲイラ・チャンピオンズ・クラシックが開催。留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)も出場した起伏の激しいコースで、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が50kmの独走で今季初勝利を掴んだ。



フィゲイラ・チャンピオンズ・クラシック2024コースプロフィール image:Figueira Champions Classic

日本では3連休の初日である2月10日、南ヨーロッパのポルトガルで第2回フィゲイラ・チャンピオンズ・クラシックが行われた。4日後に開幕するヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.Pro)の前哨戦という位置づけだが、同じプロシリーズと高いカテゴリーのワンデーレースには10のワールドチームを含む23チームが出場した。

その舞台となるのはポルトガル中部コインブラ県のフィゲイラ・ダ・フォズを巡る192.4km。平坦基調のコース前半を経て1級と2級山岳を含む35kmコースを2周し、最後は8.7kmの下りと平坦路がフィニッシュまで続いていく。留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)が今季3戦目として臨んだレースは、地元ポルトガルと隣国スペイン人による7名の逃げグループ形成で幕開けた。

それを追うメイン集団は、今年ツール・ド・フランス出場を予定するレムコ・エヴェネプール(ベルギー)と新加入ミケル・ランダ(スペイン)など強力メンバーを揃えるスーダル・クイックステップがコントロールした。そのため逃げは最大5分からリードを拡大することができず、残り86km地点で早々とプロトンに捉えられた。

50kmの独走から今季初勝利を飾ったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:Figueira Champions Classic

集団が一つのままアップダウンの激しい周回コースに入り、その2周め、1級山岳の頂上手前で早くもエヴェネプールが動く。今シーズンの初戦にもかかわらず、フィニッシュまで50km地点から飛び出したエヴェネプール。それにプロ1年目で昨年のツール・ド・ラヴニール覇者であるイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ)が単独で追いかけたものの、必勝態勢に持ち込んだエヴェネプールには届かない。

結果的に後続集団に1分48秒差をつけた前ロード世界王者かつ現TT世界王者のエヴェネプールが、50kmの独走勝利を決めた。

これ以上ないシーズン開幕戦となったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:Figueira Champions Classic

「今シーズンを勝利でスタートすることができて嬉しい。ここのコースを楽しにながら50kmを1人で走ることができた。本当はもっと後に仕掛ける予定だったが、チームメイトが作るペースに多くの選手が苦しんでいるのがわかっていた。だから攻めたんだ」とレースを振り返ったエヴェネプール。

この後はヴォルタ・アン・アルガルヴェからパリ〜ニース(3月3日〜)からイツリア・バスクカントリー(4月1日〜)とステージレースを転戦し、春のクラシックへと入る予定だ。

2位争いはフィト・ブラーツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ)が先着した photo:Figueira Champions Classic

2位を争うスプリントはフィト・ブラーツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ)が制し、チームメイトであるマライン・ファンデンベルフ(オランダ)の7位入賞に貢献した留目は9分30秒遅れの56位で完走している。
フィゲイラ・チャンピオンズ・クラシック2024結果
1位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) 4:42:25
2位 フィト・ブラーツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) +1:48
3位 シモーネ・ヴェラスコ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)
4位 ラルス・ボーフェン(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
5位 マリウス・マイヤーホーファー(ドイツ、チューダー・プロサイクリング)
6位 マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)
7位 マライン・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)
8位 クリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)
9位 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、モビスター)
10位 ペラヨ・サンチェス(スペイン、モビスター)
56位 留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) +9:30
text:Sotaro.Arakawa