2024年ツール・ド・フランスのコースに対する各選手のコメントを紹介。共に「僕に適したコース」と言うヴィンゲゴーとポガチャルに対し、スプリンターのフィリプセンは「最終日がスプリントではないので山岳を越えるモチベーションが不安」と語った。



コース全体図の前で笑顔を作るヴィンゲゴーとプリュドム氏 photo:CorVos

大会史上初となるイタリアが開幕となり、パリ五輪を避けるべくフランス南東部のニースにフィニッシュする2024年のツール・ド・フランス。第9ステージの未舗装路や第19ステージの標高2,802mのボネット峠、35年振りとなった最終日の個人タイムトライアルについて、コースプレゼンテーションに出席した選手たちや王座奪還を狙うタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)のコメントを紹介する。

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ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)

プレゼンテーションを見るヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

とても厳しく良いコースだ。それに僕に適していると思うので既に来年が楽しみだよ。このツールは勝負を決める(明確なクイーン)ステージがあるのではなく、勝負所となるステージが複数設定された。例えば(第9ステージの)グラベルステージや2つのタイムトライアル、厳しい山岳ステージなどだ。それら全てが重要なステージとなるだろう。高い標高のコースも得意だ。さすがに(第19ステージのボネット峠の)2,800mは未経験だが、僕にとって新しい体験となる。

今年のコースよりも厳しいと言うことができ、それは第3週目が今年よりも厳しいコースとなっているから。差が現れるのはいつも第3週目だが、僕の強みもそこにある。

―今年は君に加え、ポガチャル、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)、そしてレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)という3名のツール出場が濃厚と見られている。

僕ら4人は世界トップ選手であり、揃ったら良いレースができるだろう。ツール期間より前のレーススケジュールはまだ分からない。これからチームと話し合う予定だ。

―特にボーラ・ハンスグローエへ移籍するログリッチについては?

長く一緒に走っていた彼と相対することは変な感覚だよ。だが頑張って勝ちたい。

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

インタビューに答えたタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

*プレゼンテーションは欠席のため仏レキップのインタビューより

楽しいコースとなった。特に第1週目が面白そうだが、例年よりも少しだけ厳しいコースとなった。総獲得標高差に違いはあれど、山岳ステージに特筆するようなステージはない。僕に適しているし、特に最後の3日間(第19〜21ステージ)は勝負を決定づけるものになるだろう。(最終日が居を構えるモナコが出発地点となるため)一年で最も練習する道をツールで走ることは特別な気持ちがある。

ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)

昨年マイヨヴェール(ポイント賞)を獲得したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

シャンゼリゼ(スプリント)で終えることができず残念に思う。それが例年は厳しい山岳を越えるモチベーションになるのだからね。だからスプリントなきニースを目指すことは精神的に厳しい戦いになるだろう。

ツールは来年の最大の目標だし、マイヨヴェールを狙いにいく。今年のツールも8つの平坦ステージで、6つの集団スプリントとなった。だからその限られたチャンスを狙いに行く。

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)

壇上に上がったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン) photo:CorVos

過去最高に厳しいコースだ。あまりにも厳しいコースで少しショックを受けたほど。数少ないスプリントチャンスに向けて山岳ステージを越えなければならない。

トリノ(第3ステージ)はスプリンター向きのステージ。(長らくトスカーナを練習拠点としていたため)イタリアで開幕してくれて本当に嬉しい。(その拠点から)数kmしか離れていないものの、序盤から厳しいコースなので(コースを熟知している)アドバンテージはないだろう。来年に向けチームには新しい選手も入ってきており、良い集団になっている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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