山本が敢闘賞獲得のランカウイ　ウィーマースが念願のプロ初勝利を飾る

逃げた山本大喜（JCLチーム右京）が敢闘賞を獲得したツール・ド・ランカウイ7日目。2位続きだったサシャ・ウィーマース（ベルギー、ヒューマンパワードヘルス）が接戦を制し、プロ初勝利を手に入れた。

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連日スプリント決着が続くものの、日によって勝者が入れ替わるツール・ド・ランカウイ（UCI2.Pro）は7日目を迎えた。この日のコースレイアウトはカテゴリー山岳どころか丘一つない平坦路。そのため大方の予想通り、大会6度目となる集団スプリントで決着した。

中国で行われるアジア競技大会の個人タイムトライアル（10月3日）とロードレース（10月5日）に出場するため小石祐馬（JCLチーム右京）が未出走となったこの日、逃げ集団から飛び出したアイマン・ロスリ（マレーシアナショナルチーム）に、日本王者ジャージを着る山本大喜（JCLチーム右京）が合流。2名による逃げ集団が形成された。

それを追うメイン集団は、総合首位のサイモン・カー（イギリス）を擁するEFエデュケーション・イージーポストや2日連続勝利をアーヴィッド・デクレイン（オランダ）で狙うチューダー・プロサイクリングチームが牽引する。最大1分半のリードを得た山本とロスリは順調にフィニッシュまで距離を消化。しかしプロトンとの差は徐々に縮まっていき、その姿が目視できるまで近づいた残り9km地点で山本が加速した。

ロスリを引き離した山本は残り4km地点で吸収されたが、見事敢闘賞を獲得。そして集団は今大会6度目の集団スプリントになだれ込んだ。

ボルトンエクイティース・ブラックスポークプロサイクリングが集団先頭にトレインを組みながら残り1km地点を通過する。その後はチューダーが先頭を引き継ぎ、緩斜面の残り150mからデクレインがスプリントを開始。その左側からグレブ・シリツァ（ロシア、アスタナ・カザフスタン）が迫るなか、デクレインの背後からサシャ・ウィーマース（ベルギー、ヒューマンパワードヘルス）がフィニッシュ手前で飛び出し、3名がハンドルを投げる。

そして勝利は、追い込みに成功したウィーマースが掴み取った。

「ネバーギブアップの気持ちで臨み、掴んだ勝利。アーヴィッド（デクレイン）の背後につきたかったのだが、アスタナの選手（シリツァ）に阻まれた。だが向かい風が吹いていたため結果的にスリップストリームが生まれた。そして残り10mで飛び出したんだ」とプロ初勝利を飾ったウィーマースは振り返る。

今大会はここまでのスプリントでは2位、3位、2位とあと勝利に迫りながらも勝てないでいたウィーマース。フランダース・バロワーズから今年ヒューマンパワードヘルスに移籍したものの、今年限りでのチーム解散が事実上決まっているため、移籍先探しの良いアピールとなった。