ツール・ド・ランカウイ第2ステージは2日連続のスプリント決着。前日2位の悔しさをグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン)が勝利で晴らし、JCLチーム右京のクレダーは7位、20歳の大仲凜功が8位に入った。



前日のフィニッシュ地点であるクアラ・トレンガヌをスタート photo:Tour de Langkawi

マレーシアで開催中のツール・ド・ランカウイ(UCI2.Pro)は2日目を迎え、この日はクアラ・トレンガヌから海沿いを北上してコタ・バルを目指す186.2km。前日同様に平坦ステージを舞台とした戦いは、2日連続で集団スプリント決着となった。

序盤から逃げを目指したアタックが繰り広げられ、スタート後80kmが過ぎた地点でカルム・ジョンストン(イギリス、カハルラル・セグロスRGA)ら3名の逃げ集団が形成される。一方のメイン集団は前日に勝利を逃したアスタナ・カザフスタンや、反対に勝利したチューダー・プロサイクリングチームらスプリンターを擁するチームが牽引した。

カルム・ジョンストン(イギリス、カハルラル・セグロスRGA)を中心に形成された逃げから、次々と選手が遅れていく photo:Tour de Langkawi

プロトンはチューダーやアスタナがコントロール photo:Tour de Langkawi

レース経験の豊富なレオナルド・バッソ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)やシモン・ペロー(スイス、チューダー・プロサイクリングチーム)がコントロールするプロトンに対し、単独逃げとなったジョンストンは残り25km地点でも35秒のリードを保つ。しかしその後ジョンストンが引き戻されると、中間スプリントの手前(15km地点)で集団から飛び出したペローなど9名が先頭集団を形成するシーンも。

総合優勝を目指すサイモン・カー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)が2位通過で-2秒を獲得し、再びひと塊となった集団はコタ・バルの市街地に到着。チューダー・プロサイクリングチームがトレインを組むなか大方の予想通り、2日連続の集団スプリントに持ち込まれた。

チューダーのリードアウトから前日勝者のアーヴィッド・デクレイン(オランダ)がスプリントを開始し、その後ろにグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン)とエンリーコ・ザノンチェッロ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)がつく。そして前日と立場を逆転するように、先行するデクレインをシリツァがフィニッシュ手前で抜き去った。

タイミングを伺ってスプリントを開始したグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) photo:Tour de Langkawi

前日の失敗を勝利に繋げたグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) photo:Tour de Langkawi

「今日は全てが完璧だった。昨日のスプリントを反省し、改善した成果が勝利という形で現れた。暑かったが15〜20km毎にチームメイトが氷と水を渡してくれたおかげ。昨日の失敗を繰り返すまいと、思った通りに勝つことができた」と、昨年大会に続くステージ優勝を喜んだ。

JCLチーム右京からはレイモンド・クレダー(オランダ)が7位に入り、自身初となる国外のUCIステージレースに臨んだ20歳の大仲凜功が8位と健闘した。

翌日の第3ステージは序盤から2級、1級山岳を越える山岳ステージ。だがフィニッシュまでの約30kmは平坦路なので、展開の読めないサバイバルなレースとなる。

表彰台で勝利を喜ぶグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) photo:Tour de Langkawi

ツール・ド・ランカウイ2023第2ステージ結果
1位 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) 4:15:14
2位 アーヴィッド・デクレイン(オランダ、チューダー・プロサイクリングチーム)
3位 エンリーコ・ザノンチェッロ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)
4位 ダニエル・バボール(チェコ、カハルラル・セグロスRGA)
5位 ダヴィデ・ガッブロ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)
7位 レイモンド・クレダー(オランダ、JCLチーム右京)
8位 大仲凜功(JCLチーム右京)
個人総合成績
1位 アーヴィッド・デクレイン(オランダ、チューダー・プロサイクリングチーム) 8:40:46
2位 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) +0:02
3位 サシャ・ウィーマース(ベルギー、ヒューマンパワードヘルス) +0:10
4位 テシュバイヤー・バツァイカン(モンゴル、ロージャイ・オンラインインシュランス)
5位 サイモン・カー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) +0:12
その他の特別賞
ポイント賞 アーヴィッド・デクレイン(オランダ、チューダー・プロサイクリングチーム)
山岳賞 モハマド・ヌル・アイマン・モハド・ザリフ(マレーシア、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム)
チーム総合成績 グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos