「コースを熟知しており狙い通りの勝利」とワウト・プールスは勝因を語る。惜しくも敗れたエヴェネプールや総合優勝を手中に収めたクスなど、ブエルタ第20ステージを終えた選手たちのコメントを紹介します。



区間優勝 ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)

表彰台に上がったワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

誕生日にお祝いのワインボトルを開ける度、自分の力が増しているように感じるよ。とても厳しかったこのステージで勝つことができ、またエヴェネプールを下すことができて嬉しいよ。

最後の残り350m地点に最終コーナーがあることは知っていた。だからそこを先頭で入り、そのまま平坦区間に至れば勝てると思った。クライマーの中で僕はスプリント力がある方だからね。でもまさか上手く行くとは思わず、信じられない気持ちだよ。

このステージを狙っており、アントニオ(ティベーリ)と2人で逃げ集団に入ることができた。その中にはG(ゲラント・トーマス)やレムコ、ソレルといった有力選手もいたので計画的にレースを進めた。だから最も急勾配の区間(残り14.5km)で仕掛けた。それ以降はフルガス(全力)だったよ。

区間2位&山岳賞 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

先行するプールスたちをエヴェネプールがダウンヒルで追いかける photo:CorVos

最後の計算を誤ってしまったようだ。ワウト(プールス)のアーリースプリントに驚き、力強く引き戻すことができたのだが、フィニッシュ地点が10mほど手前すぎた。今日はライバルたちが早めに仕掛けてくるだろうと予想し、残り60km地点からチーム一丸となり逃げ集団を牽引した。

最終山岳では石畳の存在は把握していたものの、あそこまで路面状態が悪いとは思わなかった。そのため前に進むことが難しく、登坂距離も長かったので自分のペースを守った。その後は下りで先頭に追いつくことができた。そこで一時20mほど後方と差ができたんだ。あの時、そのまま行っていれば結果は違っていたのかもしれない。

区間4勝を逃したのは残念だが、今大会で掴んだ結果には満足しているよ。

マイヨロホ セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)

ヴィンゲゴーとログリッチに挟まれ、フィニッシュにやってきたセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

ホッとしている。(インタビューに答えているいまも)最終山岳の疲れが残っている(笑)。(マイヨロホ獲得まで)あと少しとなったね。

逃げ集団の容認は計画通りで、序盤からチームとして完璧にレースをコントロールすることができた。特にロベルト(ヘーシンク)とディラン(ファンバーレ)はステージの90%で牽引し、長く厳しいレースだったので彼らには脱帽だよ。

また最終山岳ではアッティラ(ヴァルテル)とプリモシュ(ログリッチ)が僕のために大部分の仕事をしてくれた。また僕の側にはヨナス(ヴィンゲゴー)もいて、全く想像していない光景だったよ。

最後の100mは特別な瞬間だった。山岳ステージのフィニッシュ手前で2人のチームメイトと共に楽しんで走ることができた。本当にクールな瞬間だったし、まだ実感が湧かないよ。またパートナーや家族と喜びを分かち合うことができ、本当に嬉しかった。

総合2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)

ヴィンゲゴーとログリッチと喜ぶセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) photo:Unipublic

総合トップ3独占という歴史に名を刻むことができた。今シーズン、僕らが達成した成果に嬉しさと誇りを感じている。チームにとって歴史的な年となったし、本当に嬉しいよ。

―誰がマイヨロホを獲るかについて、どういう形で決まったのか?

それについては僕らは何度も答えているから答えたくない。

―セップ・クスにとってこの勝利はどんな意味をもたらすだろうか?

間違いなく彼のキャリアを変えるものになる。彼の優勝が嬉しいし、彼は人間的にも素晴らしいからこの結果が相応しい。だから本当に嬉しいんだ。

―ツールではクスが総合エースの一人になる可能性もあるか?

そうだね。もしかしたらね。

総合3位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

今日も笑顔のログリッチ photo:CorVos

とても美しかった。本当に嬉しいよ。僕の親しいヨナスとセップが偉大なチャンピオンとなった。またメディアなどの人たちがセップを囲み、僕はそこから逃げ出すことができた(笑)。彼の総合優勝をアシストすることができて、光栄に思うよ。

21歳の誕生日を迎えたヤングライダー賞のフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)

最終山岳では全力で仕掛けた。また今日は調子が良かったのだが、この結果はしょうがない。また来年戻ってこなければならないね。昨年は(エヴェネプールの)繰り下げで着ていたから、ヤングライダー賞を着てマドリードの表彰台に上がることができて嬉しいよ。総合表彰台を逃し、またステージ優勝を上げることもできなかったが、良いブエルタだったということができる。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Unipublic

最新ニュース(全ジャンル)