大会4日目を迎えたUCI自転車世界選手権大会は、トラックの男子オムニアムで今村駿介が銅メダルを獲得。同種目で日本人初となるメダルを掴み、来年のパリ五輪に向けて弾みをつけた。



男子オムニアムで順調にポイントを積み重ねていく今村駿介 photo:JCF

ロードレースやマウンテンバイク、BMXや室内自転車競技などが一堂に会する、史上初のUCI自転車世界選手権大会は4日目を迎えた。この日はトラックでは男子個人パシュートや女子エリミネーション、女子ケイリンなどの決勝が行われた。

男子個人パシュートに出場した窪木一茂が15位、松田祥位が22位と予選で敗退。また女子ケイリンでは太田りゆが準決勝に進んだものの、決勝には一歩届かず7-12位決定戦にまわり11位でレースを終えた。

最終種目であるポイントレースで8位から3位に順位を上げた今村駿介 photo:JCF

男子オムニアムにて日本人初となる表彰台に上がった今村駿介 photo:JCF

そして今村駿介が4つの種目の総合成績で争う男子オムニアムに出場。1つ目のスクラッチを8位で終え、テンポレースでは3位と健闘。そしてエリミネーションでは11位となり、暫定8位で迎えた最後のポイントレースで総合3位まで順位を上げ、銅メダルに輝いた。

2020年の世界選手権では女子オムニアムで梶原悠未が優勝したものの、男子のメダル獲得は日本初の快挙。来年に迫ったパリ五輪に繋がる好結果を出した今村は「メダル圏内の選手がひしめきあっていて、どうしても自分から仕掛けるということではなく、付いていくだけといったレ―スになってしまっていました。ラップするシーンも遅れ気味の部分があったので、そこは体力的にまだまだだなと思うシーンがありました。終わってみたら、力の差は順位以上にあったと思いますが、メダルという形に残る物が獲れて良かったです。去年は6位でメダルを獲りたいと言っていたのですが、何とか有言実行できて良かったです」と喜びを表現した。

優勝はポルトガルのユリ・レイタオが飾り、銀メダルはロードレースでコフィディスに所属するバンジャマン・トマ(フランス)が獲得している。

なお今村は男子スクラッチで銀メダルを獲得した窪木一茂と共に、8月8日のマディソンに出場予定だ。
トラック男子オムニアム結果
1位 ユリ・レイタオ(ポルトガル)
2位 バンジャマン・トマ(フランス)
3位 今村駿介
text:Sotaro.Arakawa
photo:JCF