「最大の目標を達成し、自分の選手キャリアが完結したと思えるほど嬉しい」と語ったのは、ロード世界王者という悲願を達成したマチュー・ファンデルプール(オランダ)。2位のファンアールトや悔しさ語る新城幸也など、選手たちのコメントを紹介します。



優勝 マチュー・ファンデルプール(オランダ)

アルカンシエルを掴み取ったマチュー・ファンデルプール(オランダ) photo:CorVos

ここでの勝利が僕に残された最大の目標だった。それを今日、達成することができて本当に素晴らしい気持ちだ。まるで自分のキャリアが完結したと思えるほど嬉しい。これはロードで得た最大の勝利。この後の1年間、アルカンシエルを着て走る事実が信じられないよ。

ダウンヒル直後に短い登りが登場するあそこが、レースで最も厳しい区間だと思いアタックした。終盤に入っても脚に力を感じており、一方でライバルたちは限界に達しているように見えた。アタック後はすぐに差がつくとは思っていなかった。だから後ろに誰もついていないことに驚き、その事実が僕に翼を与えてくれた。それ以降は飛ぶようにコースを駆けるだけだった。そうしたら、落車したんだ(笑)。

自身初となる男子エリートロードレースのアルカンシエルに袖を通したマチュー・ファンデルプール(オランダ) photo:CorVos

落車した瞬間は、勝利を手放してしまったと思った。でもあれは自分の愚かな走りが招いたものではない。リスクを一切冒すことなくコーナリングした結果、気がついたら地面に横たわっていた。自分に対し腹立たしさもあったが、路面がとてもスリッピーだったので仕方がない。あの落車が勝利をより特別なものしたとは思わないけれど、もし優勝を逃していたらショックで2、3日は寝込んでいただろうね。

最終ストレートではあらゆることが頭を駆け巡った。その1つは(レース直前のトラブルがあり途中棄権した)昨年のリベンジを果たすことができたという喜びだ。

2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー)

自身2度目となる2位に終わったワウト・ファンアールト(ベルギー) photo:CorVos

金メダルを狙っていたが、銀メダルが今日得ることができた最大の結果だろう。だからこそ少なからず満足感がある。マチューがアタックした時、僕は彼の背後についた。しばらくはついていったものの、最終的に彼を行かせるしかなかった。その後はマッズ(ピーダスン)とタデイ(ポガチャル)と全力で追いかけたが、すぐに彼が独走態勢を築いてしまったのだと理解したよ。

今日は激しく高速なレースで、それによって僕らは1対1の戦いを強いられた。僕は常に最適な位置につくことができ、このコーナーが連続するコースではそれが何よりも重要なことだった。チームメイトのサポートには感謝しても足りないほどだ。コーナリングには自信があり、登りで主導権を握りたかった。脚の調子も良かったものの、1人の選手が上回っていただけ。マチューの走りには脱帽だよ。

この後は来週のタイムトライアルに集中する。

3位 タデイ・ポガチャル(スロベニア)

ロード世界選手権で初の表彰台に上がったポガチャル photo:CorVos

とてもクレイジーなレースだった。レース前に6時間のクリテリウムみたいな展開を予想しており、その通りになった。コーナーや登りのスピードは正気とは思えないほど速く、コンディションが良かったおかげでついていくことができた。最終周回で良い追走ができたと思ったものの、ファンデルプールは別次元の走りだった。だから今日の勝利は彼に相応しいし、僕自身、銅メダルを獲得できて嬉しいよ。

25位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー)

積極的なアタックを繰り返したレムコ・エヴェネプール(ベルギー) photo:CorVos

レース展開をアグレッシブにして、集団を絞ることが僕らの計画だった。僕も仕掛けたのだが集団はそれを許してくれなかった。このようなコースで僕が飛び出せば、独走してしまうと警戒していたのだろう。飛び出すにはマチューやタデイなどを引き離す必要があった。しかし今日のコースは僕には適しておらず、抜け出すことが難しかった。

また、僕がアタックすればワウトに有利な展開になると思っていた。その甲斐もあり彼は2位に入った。僕の頭にはルーヴェン(2021年)で勝ったジュリアン(アラフィリップ)のように、アタックし続ければ勝機が訪れると考えていた。だがコーナーが多くハイペースを維持することができなかった。だから抜け出すのは難しかった。

ストップ&ゴーが繰り返されるこのコースは僕に適していなかった。だから金曜日のタイムトライアルに向けて身体を休めたい。

15回目の男子エリートロードレースを終えた新城幸也

レース後に悔しさを語った新城幸也 photo:Kei Tsuji

スタートからずっとハイペースだった。270kmという距離を考慮し、逃げるということは予定していなかったので、集団待機で順調に距離をこなしていたが、80km過ぎでレース中断になってしまい、長い間足止めされてしまった。

再スタートとともにペースアップがかかり、(待っている間、後方にいたため)狭い登り口でポジションを上げられず、一度集団から遅れてしまった。いつものレースなら、狭い登り口はエースの位置取りのために自分が前にいるべき場所だったのに……。
 
メイン集団に復帰したものの、再び周回に入る直前にトラブルで止まってしまい、ペースが上がっている集団に戻る事はできず、何もできずに終わってしまった。自分でも位置取りが重要になるコースだとわかっていたのに、こんな失敗をしてしまい、派遣してくれた日本チーム、自分のために動いてくれたスタッフの皆さん、そして、楽しみに応援してくださっていた皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。

まだ、後半のレースはたくさんあるので、シーズン最後まで精一杯走り切ります。応援ありがとうございました。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Kei Tsuji