世界選手権女子ジュニアロードレースは、残り20kmで飛び出したジュリー・ベゴ(フランス)が独走勝利。フランスにこのカテゴリーで2度目となるアルカンシエルをもたらした。



36カ国から集結した97名がスタートラインに並ぶ photo:CorVos

スコットランド・グラスゴーで開催されているUCI自転車世界選手権大会。ロードレースの初日となった8月5日(土)、大会最初のレースとして女子ジュニアロードレースが行われた。その舞台となるのはグラスゴー市街地の14.7kmコースを5周する70kmで、モントローズ通りの登り(距離200m/平均10.8%/最大約14.5%)がサバイバルな展開を作り出した。

36カ国から集結した97名の選手たちが現地時間午前10時にスタート。母国レースかつ最大人数である5名を擁するイギリスがペースを作り、徐々にメイン集団の人数を減らしていく。レース中盤に入りリジー・シャープ(イギリス)が飛び出し、この動き自体は決まらなかったもののプロトンは更に縮小。そのためイギリスやベルギー、フランスなど強豪国の選手たちを含む40名に絞られた。

昨年9位に入ったザイディー・ファンシネイ(ベルギー) photo:CorVos

周回を重ねる度に人数が絞られていく photo:CorVos

ラスト2周回目で飛び出したジュリー・ベゴ(フランス) photo:CorVos

この後もアタックと吸収を繰り返しながらラスト2周回に突入。すると今年8月からコフィディスに加入したジュリー・ベゴ(フランス)がアタックし、一気に後続との差を拡げる。これをイギリスが引き戻そうと追走集団を牽引したものの、モントローズ通りの登りでもスピードを落とすことなくクリアしたベゴには追いつかない。

そして追走するキャット・ファーグソン(イギリス)とフルール・ムーア(ベルギー)に9秒差をつけたベゴが独走でフィニッシュラインを通過。18歳のベゴが女子ジュニアロードレースのアルカンシエルを手に入れた。

独走勝利を飾ったジュリー・ベゴ(フランス) photo:CorVos

このカテゴリーでは2010年のポリーヌ・フェランプレヴォ(イネオス・グレナディアーズ)以来となるアルカンシエルを手に入れたベゴ。「2ヶ月前から世界王者になると周りに宣言していた。今日それが現実となった。ここまで大変な努力を積み重ね、この6ヶ月に渡り勝つことを考え続けた」とベゴは喜び、「踏みすぎてフィニッシュまで持たないかと思った。だが集中しろと自分に言い聞かせ、コーナーでは多少のリスクを冒したが、世界チャンピオンの称号を手に入れることができた」とレースを振り返った。

2位スプリントはファーグソンが制し、登りで力を発揮したムーアは銅メダルに輝いている。

3名による2位スプリントはキャット・ファーグソン(イギリス)が先着 photo:CorVos

ロード世界選手権2023女子ジュニアロードレース表彰台:2位ファーグソン、1位ベゴ、3位ムーア photo:CorVos

ロード世界選手権2023女子ジュニアロードレース結果
1位 ジュリー・ベゴ(フランス) 1:54:53
2位 キャット・ファーグソン(イギリス) +0:09
3位 フルール・ムーア(ベルギー)
4位 フェデリカ・ヴェントゥレッリ(イタリア)
5位 イモゲン・ウォルフ(イギリス) +0:12
6位 ティティア・リョウ(フランス)
7位 セリア・ジェリー(フランス)
8位 イザベラ・ホルムグレン(カナダ) +0:15
9位 マッケンジー・クープランド(オーストラリア)
10位 ザイディー・ファンシネイ(ベルギー) +0:17
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos