歴史の街ローマを駆け巡ったジロ・デ・イタリア最終日には、各チームが特別ジャージを祝うスペシャルバイクを投入し、3週間に渡る戦いの最後に彩りを添えた。プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)のマリアローザバイクを筆頭に、3台を紹介する。



プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)のサーヴェロS5 photo:CorVos

ブレーキレバーのロゴもマリアローザカラーに photo:CorVos
当日朝ローマに届いたバイクをチェックするメカニック photo:CorVos



第20ステージの山岳個人タイムトライアルで圧倒的な走りを披露し、歴史に残る僅か14秒差の総合逆転劇を演じたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)。チームはマリアローザ獲得を彩るため、ピンクカラーのサーヴェロ S5をオランダのスヘルトーヘンボスにあるチーム拠点で組み上げ、最終日スタートの朝に飛行機でローマに空輸。無事にログリッチの元へと届けられたという。

トップチューブには「PRIMOZ」と、ジロ優勝を祝うロゴが記され、ブレーキレバーのスラムロゴやタックスのボトルケージもピンクに。なおチームサプライヤーであるヴィットリアはピンクカラーのCORSA PROタイヤを生産、アスタナ・カザフスタンなど複数チームに供給したものの、ユンボ・ヴィスマは全メンバーが通常モデルのままだった。

マリアローザのピンクに彩られたサーヴェロ S5に乗るプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

ピンクのアイウェア、グローブ、バーテープで揃えたユンボ・ヴィスマ photo:CorVos

なお、最終ステージは完全フラットコースだったため、ログリッチは52Tのフロントシングルギアを運用。リアカセットは10-33Tであり、トップギア比は5.2。ログリッチは最終週の山岳ステージでもグラベル用のフロントシングルコンポーネント「XPLR」を運用し(個人TT中にチェーントラブルに見舞われたことでより一層)注目を集めていた。

ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)のメリダREACTO photo:CorVos

ホイールの紫ロゴは上貼りされている模様 photo:CorVos

マリアチクラミーノを祝う紫色のメリダREACTOに乗ったのがジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)だ。こちらも最終日スタート前にお披露目され、若きスプリンターのグランツール特別賞獲得を祝った。

ヴィジョンのMETRONハンドルや同SL60ホイール(通常モデルにステッカーを貼り付けたように見える)、プロロゴのサドルなども併せて「チクラミーノ(紫)」に変更されている。

同じくマリアアッズーラ(山岳賞)を獲得したティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)には青いXELIUS SLが手渡された。マリアビアンカ (ヤングライダー賞)のジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)は通常カラーのバイクに白いバーテープを巻いたのみだった模様。

マリアアッズーラ(山岳賞)を獲得したティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)は青いラピエールXELIUS SLを使用 photo:CorVos

アルペシン・ドゥクーニンクなど3チームがピンクのヴィットリアCORSA PROを運用した photo:CorVos

特別ジャージ以外ではEFエデュケーション・イージーポストとアルペシン・ドゥクーニンク、そしてアスタナ・カザフスタンが特別カラーのCORSA PROを運用。今季限りの現役引退を表明しているマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)が最終スプリントを制し、過酷で華やかなジロを締め括った。

text:So Isobe
photo:CorVos