デマルキと共に逃げたクラークは「あと10秒あれば、コースがあと数百メートル短ければよかった」と悔しがり、スプリントを制したピーダスンは「念願のジロ勝利だ」と喜んだ。ジロ6日目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



区間1位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)

スプリント勝利を飾ったマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos

レース直後インタビュー

ステージ優勝するためにこのジロにやってきた。だからこの勝利は嬉しい。また厳しいステージだったこともあり、仲間の走りに勝利で報いることができてよかったよ。逃げの2人は強力で、掴まえるまで長い時間を要した。僕らを含むスプリンターチームはアシスト陣を投入して追走しなければならず、難しいレースだった。だが残り300mのところで捉え、懸命に走っていた彼らには申し訳ない気持ちもあるが、この勝利が嬉しいよ。

先頭を捉えるためロングスプリントするつもりだったのだが、カビリアが代わりにやってくれた。彼に追いつくのは大変で、幸運にも前の選手が追いかけてくれた。本当に良いスプリントだったよ。

全グランツール区間優勝を達成したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos

表彰式後インタビュー

チームによる集団牽引は素晴らしく、彼らがこの勝利を可能にしてくれた。距離が短くもタフなレースで、途中まで逃げ切りが決まったとも思っていた。だが逃げの2人と、ロングスプリントを仕掛けたガビリアを捉え、勝利を飾る良いレースとなった。これで全てのグランツールで区間優勝を挙げることができた。

区間5位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター)

上手く行かなかったレースだったが、満足でもある。なぜなら脚が空っぽになるまで力を出し尽くしたのだからね。もう少しだけ早く仕掛け、もっと力強く、もっと速いスピードのスプリントができれば勝てただろう。今日のステージは、TVで観ているファンにとってさぞ面白い展開だっただろうね。

アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)

サイモン(クラーク)の方がスプリントに長けていたので、勝利のためにあの牽制は必要だった。勝つときもあれば、負ける時もある。本当にスーパーハードなステージだった。僕らは最後まで諦めることなく、勝利を目指した。だが、もちろん次なる機会で狙いに行く。

サイモン・クラーク(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)

共に健闘を称え合うデマルキとクラーク photo:CorVos

ジロでの勝利を何年もの間夢見てきた。過去にステージ2位や3位、4位に入ったことがあるので、勝利を飾れたら素晴らしいことだと思っていた。だが、どうやらそれは今日じゃなかったみたいだ。僕らは勝利を目指し、全力で挑んだ。あと10秒あれば、フィニッシュラインが数百メートル短かければ勝てただろう。

アレッサンドロ(デマルキ)はとても強く、良い協調関係を築くことができた。だが残り1kmから彼は先頭交代をしてくれなかった。でもそれはレースの一部だし、彼に感謝の言葉を伝えたんだ。彼と一緒じゃなければここまで勝利に迫ることもできなかっただろうからね。

「残り300mならば、残り10kmで捉まる方がマシ」サイモン・クラーク(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) photo:Israel - Premier Tech

僕たちはお互いよく知った仲で、彼の強さについても良く知っている。だから彼が一緒にいれば、そう簡単に掴まらないだろうと思っていたんだ。フィニッシュ直前で迫っていながら、プロトンに飲み込まれるのは精神的に辛い。残り300mだったら残り10kmで捉まる方がマシだよ。だが、狙い通りに勝てるレースなんて無い。明日のステージに向けて気持ちを切り替え、変わらず勝利を目指して戦い続ける。

毎年、少しずつ走りの強度を上げているんだ。そうすれば年齢を気にせず、いままで以上の努力を積み重ねることで、今日みたいな走りができるのだ。

マリアローザ アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)

この日もマリアローザを着用してプロトンを走るアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) photo:CorVos

辛い瞬間もあった前日と比べ、今日は本当に良い日となった。マリアローザを着て走るレースを楽しむことができた。展開こそハードだったものの、美しい景色を楽しむ余裕はあったよ。(山岳ステージである明日は)ジャージを守るには難しいかもしれないが、ベストを尽くすよ。

終盤にメカトラで遅れながらも先頭集団でフィニッシュしたゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

山岳で攻勢に出たイネオス・グレナディアーズ photo:CorVos

コーナーでチェーンが落ちてしまった。なかなか戻すことができず、手間取ってしまった。だが、幸運にもフィリッポ(ガンナ)やプッチョ、スウィフトが僕を待ってくれ、集団まで引き戻してくれた。彼らのおかげで良い形でフィニッシュすることができた。

明日は長く、タフなステージとなる。山岳自体はそこまで厳しくはないものの、ハードな展開のレースを越え、大会最初の山岳ステージだ。総合を狙うチームの脚の具合が明らかとなるレースになるだろう。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos